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▶状況:魚釣りはできても触る事が苦手な親御さんやお子さまも多い
おでかけ施設が抱える様々な課題に対して、施設さんが実際におこなった具体的な施策と成果について紹介させて頂く事例紹介。今回の事例は、「あまごの里」さんの「ゲーム性を取り入れた施策によりファミリー層の満足度や売上が向上」した事例となります。今後の貴施設の施策検討の参考にされてみてはいかがでしょうか。
愛媛県にある「あまごの里」は、アマゴやニジマス、四国では珍しいイワナの養殖をしている施設です。釣り堀もありますので、お子さまと一緒に釣った魚を、その場で料理して食べる事もでき、ちょっとしたキャンプ気分を味わう事も。さらに釣り堀の脇をながれる川もきれいで、お子さまと川遊びもできます。日帰りはもちろん、民宿もやっているので一泊することもでき、のんびりと田舎へ帰った気分が味わえます。
Q:まず、今回の施策を実施されるまでの状況について教えてもらえますか?
当施設は釣り堀で魚釣りをして、その魚をフライや塩焼きで食べることができます。獲れたてのおいしさと自分で釣った魚を食べるという充実感、そして子育て世帯での食育にも適した経験ができる施設です。しかし、魚釣りができても、魚を触ることが苦手な親御さんやお子さまもいらっしゃる中、自分で釣った魚をしめて調理することのできる方は実は多くないのです。
Q:その状況の中で、何を一番の課題として捉えたのでしょうか?
前述のような方たちにも「楽しんで自分で魚を釣ってそれを食べる」という経験をしてほしい、より多くの子育て世帯にこのような経験をしてもらいたいと考えました。
Q:今回、実施された施策内容について詳細を教えてください。
まず、ここで釣れる魚をゲーム風に紹介することにしました。
現在、釣り堀ではアマゴ、イワナ、ニジマスの3種の魚を飼っていますが、子どもの興味を惹く形で紹介し、子どもたちに3種の魚をすべて「釣りたい!」気分にさせることができます。また、流行った無人島でDIYをしながら魚を釣ったりするゲームに登場する「しょぼいつりざお」を作って釣りをする、リアル体験イベントを予約制で実施したりもしました。
さらに、写真を撮る機会を増やしました。魚を釣った際にお声がけをしたり、釣り堀の近くに釣った魚の大きさを測るための小さな看板を設置しました。
また、場内にPOPを張り、インスタグラムへの投稿も促しました。
Q:この施策を実施するにあたり、工夫したことはありますか?
ゲーム性を入れ、子どもの「釣りたい!」という意欲を沸かせるようにしました。「めずらしさ」「おいしさ」「つりやすさ」を「☆」で表すことによって「私はおいしい魚を釣りたい!」「僕は釣りにくい魚を釣ってみせる!」と、夢中になれるように工夫しました。
写真を撮る機会に関しては、魚を直接触ることの苦手な親御さんやお子さまもいらっしゃるので、そういった方には、お子さまが手にもてるほどのカゴに入れた状態で「写真を撮りませんか?」とお声がけをするようにしました。
Q:この施策を実施したことによる、具体的な成果について教えてください。
前述の魚の紹介をしたことで、紹介されている3種の魚をすべて「釣りたい!」となるお子さまが増え、滞在時間が伸びました。結果、釣り堀で釣る魚の量が増えることで、売り上げの向上につながるとともに、お客様にも魚のことをより知ってもらうことができました。
さらに、満足度が上がったことによってSNSへの投稿も増えました。釣った魚の大きさを測るための小さな看板には「あまごの里」の名前を記載しておくことで、お客様がSNSに投稿されるたびに良い宣伝になりました。
Q:今後考えられている展開や打ち手は何かありますか?
「どうしたらお客様の興味が湧くか」「どうすることで満足度が上がるのか」という思いを第一に、今後も新しいアイデアが出たらチャレンジしていきたいと思っています。