事前決済と自動発券機の導入により、混雑緩和と人件費の削減に成功した施策事例
おでかけ施設が抱える様々な課題に対して、施設さんが実際におこなった具体的な施策と成果について紹介させて頂く事例紹介。今回の事例は、「ハンターマウンテン塩原」さんの「事前決済と自動発券機の導入により、混雑緩和と人件費の削減に成功」した事例となります。今後の貴施設の施策検討の参考にされてみてはいかがでしょうか。
【施設】今回の事例を紹介してくれたおでかけ施設

栃木県那須塩原市にあるハンターマウンテン塩原は、首都圏最大級のスノーリゾート。全12コースを有し、初心者から上級者まで幅広い層が楽しめるスキー場です。ハンドル付きソリやチュービング、ふわふわ遊具などが楽しめるキッズパークや託児所もあり、ファミリー層にも人気の施設です。
【状況】エントランスモールの混雑は「当たり前」
Q:まず、今回の施策を実施されるまでの状況について教えてもらえますか?
当施設ではエントランスモールでリフト券販売をしています。そのため、エントランスモールは混雑している事が多く、特に来場者の多い時間帯は「並んでいるのが当たり前」という状況でした。
【課題】世の中の状況やニーズへの迅速な対応
Q:その状況の中で、何を一番の課題として捉えたのでしょうか?
昨年度は特に新型コロナウイルスの影響で、ソーシャルディスタンスの確保が必須となり、今までの「並んで当たり前」という状況は通用しなくなりました。
また、昔は現地決済が当たり前でしたが、前売りチケットの販売や事前決済をできる施設が増え、お客様のニーズも高まり、世の中の意識が年々変わっていきました。変わってきたお客様のニーズに対して、遅れずに対応していく必要があると感じていました。
【施策】事前チケットの販売・自動発券機を導入
Q:今回、実施された施策内容について詳細を教えてください。
Webketというシステムで事前チケットを販売し、エントランスモールにリフト券などを発券する自動発券機を設置しました。事前チケットは5年前から開始し、少しずつ拡大していきました。
【工夫】スモールスタートをし、少しずつ拡大
Q:この施策を実施するにあたり、工夫したことはありますか?
まずは自動発券機を置くスペースやオペレーションを検討しました。その後、一気に多くの台数を設置するのではなく、最初は1台→3台→5台と段階を踏んで拡大していった事で、現場で大きな混乱もなくスムーズに進められたと思います。
【成果】混雑緩和、人件費の削減に成功
Q:この施策を実施したことによる、具体的な成果について教えてください。
まず、エントランスモールの混雑が目に見えて緩和されました。特に自動発券機前は人が全然並んでいない、という状況になりました。
実際の対応時間で言うと、窓口で対応する際は1人あたり5~6分かかります。QR決済の場合はなんだかんだでそれ以上かかる事も多かったのですが、無人の自動発券機では30秒~2分ほどで完了するため、お客様はほとんど待たずにゲレンデへ行けるようになりました。
また、前売りチケットの事前決済+自動発券機の導入により、事前決済されているお客様への接客時間が0になり、人件費の削減にも繋がりました。
【今後】様々なニーズに合わせた商品展開
Q:今後考えられている展開や打ち手は何かありますか?
Webketの利用割合も2019年度は14.7%、2020年度は23.2%と年々上昇し、事前決済のニーズは大幅に上がってきています。利用者も若年層だけでなく年配の方もいらっしゃるので、事前決済は「若年層のニーズ」ではなく「社会全体のニーズ」になっていると感じています。
その時流に乗り遅れる事なく、今後さらなる拡大を目指し、様々なお客様のニーズに合わせたプランを展開していきたいと思っています。