子どもが自由に遊べるスペースを設置した事で滞在時間とリピーターが増加した施策事例
おでかけ施設が抱える様々な課題に対して、施設さんが実際におこなった具体的な施策と成果について紹介させて頂く事例紹介。今回の事例は、「氷ノ山自然ふれあい館 響の森」さんの「子どもが自由に遊べるスペースを設置した事で滞在時間とリピーターが増加」した事例となります。今後の貴施設の施策検討の参考にされてみてはいかがでしょうか。
【施設】今回の事例を紹介してくれたおでかけ施設

日本二百名山のひとつ・氷ノ山の自然情報・登山道情報・地域の観光情報などを紹介している展示施設です。施設内の森のジオラマでは、直径23m、高さ10mの室内に氷ノ山のブナ林を再現。森の遊び広場では、着ぐるみを着て動物になりきるコーナーやクマのすみかで記念撮影できるコーナーがあり、生き物について楽しみながら学べます。スタッフが骨格・昆虫の標本を作製している姿を見る事ができるコーナーもあり、子どもに興味を持たせる工夫がたくさんあります。
【状況】リニューアルによりゲームコーナーを撤去、フリースペースへ
Q:まず、今回の施策を実施されるまでの状況について教えてもらえますか?
2015年に施設のリニューアルをおこないました。その際、たくさんのゲームが置いてあったコーナーを撤去したんです。壊れてしまうゲームが増え、修理をしようと思ってももう部品がない、なんて事も多くなってきたので、思い切ってゲームコーナーを無くし、ワークショップなどができるフリースペースを増やしました。
【課題】ファミリー層の滞在時間が減少
Q:その状況の中で、何を一番の課題として捉えたのでしょうか?
ゲームコーナーを無くしてしまった事により遊ぶものが減り、お客様の滞在時間が少なくなりました。展示等を見てすぐ帰ってしまうお客様が増えてしまったんですね。ワークショップも毎日できるわけではないので、「遊ぶこと」を目的にいらっしゃったお客様を少しがっかりさせてしまう事もありました。
【施策】自由に遊べるコーナーを増やした
Q:今回、実施された施策内容について詳細を教えてください。
フリースペースを減らし、お客様が自由に遊べる「森の遊び広場」を増やしました。ボルダリングなど、体を動かして遊べる設備を設置したり、KAPLA®ブロックを置いたり、企画展で好評だった「アナグマの巣」をモチーフにしたダンボール迷路を常設のコーナーにもしました。
【工夫】遊び方が1つではないものを
Q:この施策を実施するにあたり、工夫したことはありますか?
遊び方がひとつではない、自由度の高いものを設置することを心がけました。遊び方がひとつではない事によって、子どもたちは自分たちで考えて遊ぶようになりますし、色々な発想や遊び方ができます。結果として、飽きずに長い時間遊んでくれるようになりました。
【成果】ファミリー層の滞在時間が改善し、リピーターも増加
Q:この施策を実施したことによる、具体的な成果について教えてください。
小さなお子様連れの方の滞在時間が伸び、半日ぐらいのんびりしていくお客様が増えました。中にはお弁当を持って1日中いらっしゃる方も見かけます。
また、リピーターも増え、お客様同士で会話してらっしゃる声も聞こえます。正確な数値はとっていないのですが、明らかにファミリー層の滞在時間が伸び、リピート回数も増えているという実感がありますね。
【今後】これで完成、ではなくより楽しめるものを目指す
Q:今後考えられている展開や打ち手は何かありますか?
成功したからこれで完了、という事ではなく、前述した企画展で好評だったダンボール迷路を常設にしたように、お客様の反応を見ながらより楽しめるものにしていきたいと思っています。