いこーよチケット(WEB・コンビニ)活用に関する成果事例について
コロナ禍によって入場制限を設けなければならなくなった事で、事前購入チケットの設備や機能を取り入れるおでかけ施設が増えました。チケットを事前購入する事で、ユーザーはおでかけ当日も窓口の列に並ばなくても良くなります。一方、施設にとっても事前に入場人数を把握できたり、様々なコストを削減できるといったメリットがあります。いこーよでも、2019年からサイトやアプリ内で事前にチケットを購入できるようになり、その需要は年々高くなっています。今回は、そんないこーよにおけるチケット機能活用に焦点をあて、その効果について調査・分析してみました。
いこーよチケットとは
いこーよのチケット販売には2つの種類があります。ひとつは「WEBチケット」、もうひとつが「コンビニチケット」です。
WEBチケットは、スマートフォン上で事前にチケットを購入し、購入画面を見せるだけで施設に入場できる仕組みです。一方、コンビニチケットは、全国のコンビニにあるマルチメディア端末にてチケットを購入し、その場で発券できる仕組みになっています。
従来のように、施設のチケット購入窓口で対応する手間や人が必要なく、チケットの紙代や印刷代も削減できる事から、通常料金よりも少し割引された価格で多くの施設がチケットを販売しています。それにより、ユーザーにとってはいこーよクーポン同様、少しお得に遊びにいけるといったメリットもプラスされています。

右:コンビニチケットイメージ
また、いこーよクーポン同様、個別の施設情報ページ以外に、施設一覧ページ(関東の水族館一覧ページ等)にも「事前購入でラクラク入場!」の文言とともにチケットページへの導線が掲出されるので、施設の詳細情報を見る前のユーザー(複数施設で迷っているユーザー)に対しても、自施設の「特別感」を訴求する事が可能です。

下:チケットあり
多くのおでかけ施設が、窓口購入と比べてチケット代金を割引したり、手数料を払ってでも事前購入チケットをメディアに掲載する目的は、複数のおでかけ施設の中から自施設を選んでもらう為ではないでしょうか。
そこで今回は、いこーよの施設一覧画面から各施設の詳細ページへの誘導率で、いこーよチケット活用の効果について、実際に掲載している施設をいくつかピックアップして検証してみたいと思います。
※個別施設の実績数値は非公開のため、誘導率は非表示にしています。
活用事例①
エリア:関東
ジャンル:屋外アスレチック
種別:WEBチケット
チケット実施時期:2021年3月~

こちらは、関東にある屋外アスレチック施設の事例です。WEBチケットを実施していた3~6月の方が実施する前より明らかに誘導率が上がっています。
活用事例②
エリア:関東
ジャンル:室内遊び場
種別:コンビニチケット
チケット実施時期:2021年3月~

こちらは関東にある室内遊び場の事例です。室内遊び場は気候を問わず楽しめるため、年中人気の施設ジャンルではありますが、寒い冬場は特に人気となります。それにも関わらず、チケットを掲載する事で寒い冬場の12月~2月より3月以降のほうが誘導率が上がっています。こちらはひとつ目の活用事例とはチケット種別が異なるコンビニチケットではありますが、WEBチケットと同様に効果が出ています。
活用事例③
エリア:関東
ジャンル:遊園地・テーマパーク(屋外)
種別:コンビニチケット
チケット実施時期:2021年5月~

こちらは関東にある遊園地・テーマパークの事例です。屋外施設であるため、梅雨時期の6月は多少凹んではいますが、やはりチケット掲載を始めた5月以降の誘導率は始める前より高くなっています。
活用事例④
エリア:関西
ジャンル:動物園
種別:WEBチケット/コンビニチケット
チケット実施時期:2020年2月、2020年6月~

こちらは関西にある動物園。2月までチケット掲載をしていて、3月~5月は一旦ストップし、6月以降に再開された事例です。チケット掲載をストップしていた時期だけ他の月より誘導率が低くなっているのが分かります。チケット掲載の有無だけが要因ではありませんが、やはり掲載した方が誘導効果が高まるといえるのではないでしょうか。
活用事例⑤
エリア:関西
ジャンル:遊園地・テーマパーク(屋外)
種別:WEBチケット
チケット実施時期:~2020年2月

こちらは、関西の屋外遊園地・テーマパークの事例。2月まで掲載されていて、3月以降掲載をストップされています。他の事例同様、チケット掲載期間の誘導率が明らかに高くなっています。屋外の施設という事で寒い冬の時期は避けられがちになる中、きちんと施設詳細ページまで誘導できているのは、少なからずチケット掲載の影響があるといえるのではないでしょうか。
いこーよチケットの活用・成果のまとめ
今回は、施設一覧から施設詳細への誘導率からいこーよチケット活用の成果について調査・分析してみました。チケットの種別や屋内・屋外、施設ジャンルに関わらず、いこーよチケットを活用する事で、ユーザーのおでかけ先の候補として選ばれる確率があがる=施設への実来訪率の向上が見込める結果となりました。
チケットの種類を増やす事で施設スタッフのオペレーションが増えたり、少なからずコストがかかったりと難しい部分もあるかもしれませんが、ご時世的にも需要が高まっている「事前購入チケット」の導入について、今後の戦略のひとつとして検討されてみるのもひとつの手かもしれません。