【2025年自由研究調査②】自由研究、親の本音は?8割が意義を感じつつも「負担が大きい」の声も/いこーよ総研ユーザーアンケート

夏休みの代表的な課題である「自由研究」。子どもの学びや成長のきっかけになると期待される一方で、「親の負担が大きい」「どう関わればいいのか難しい」といった声も少なくありません。今回は、子どもの自由研究への保護者の考えや悩みなどについてユーザーアンケートをもとに調査・分析しました。

ポイント

自由研究に意義を感じる保護者が多数

探求型学習の子どもの成長に期待

子どもの成長を実感するエピソードや体験も多数

意義を感じない理由は「親の負担」や「進め方の難しさ」

今後の自由研究に期待することは「サポート体制の充実」

まとめ

自由研究に意義を感じる保護者が多数

まず、子どもの自由研究について、保護者はどのような考えを持っているのでしょうか。

「とても意義がある(28%)」「まあ意義がある(52%)」と、自由研究を肯定的に捉える保護者が8割にのぼりました。

出典:いこーよモニターアンケート2025年7月調査より

探求型学習の子どもの成長に期待

意義を感じる理由としては、「子どもの好奇心や興味を伸ばせる(79%)」「調べる力やまとめる力がつく(71%)」「自分の考えを発表したり表現したりする経験になる(60%)」といった、探究型学習としての学びや子どもの成長に期待が寄せられています。また、「子どもが何に興味があるかを知る機会になる(48%)」「親子で一緒に取り組むことでコミュニケーションが取れる(46%)」など、家庭内での親子の関わりを深めるきっかけと捉える声も多く見られました。

出典:いこーよモニターアンケート2025年7月調査より

子どもの成長を実感するエピソードも多数

自由研究を通して子どもが成長したと感じるエピソードを自由回答で尋ねたところ、多くの前向きな考えや体験談が寄せられました。

やり抜く力や自信につながった

  • 「学校で発表をした際に、お友達との交流を通してお互いの自由研究の良いところを認め合うことができて、成長したと思いました」
  • 「自分でテーマを決めて、本を探したり、インターネットで調べたりと、最初から最後まで一通りやり遂げたことで『やればできる!』という自信がついたようです」
  • 「かなり時間のかかる課題に最後まで取り組めたことがすごいと思った」
  • 「何日もかけて作品をつくる忍耐力や、想像力を育てることができたと思います」

表現力・まとめる力の向上

  • 「3年生の今では作りたいものを考え、必要な材料を書き出したり、完成予想図を書いたりと表現が上手くなったなと感じています」
  • 「文章能力があがったなと思った。言葉にして伝えることを自分の力でやるので大変だが成長したと感じた」
  • 「発表のときにしっかり説明できていた姿に成長を感じました」
  • 「研究、観察結果をノートに書き溜めてまとめようとする力がついた(実際はきちんとはまとめられていなかったが、意欲が見えた)」

探究心・関心の広がり

  • 「自由研究でまとめたものを、それ以降『これは、〇〇と同じだね!』と言ってくるので、理解はしてくれたんだと思った」
  • 「何で?を自分で考える力がついた」
  • 「興味や関心が色々な事に対して得られる様になりました」
  • 「自由研究という名の遊びととらえているようなので、これからも興味を持ったことに対してポジティブに取り組めるような気がしており、今後の成長につながるかなと思います」

社会性・コミュニケーション力

  • 「題材から街のお店で店員さんへのインタビューをすることにしましたが、恥ずかしがらず進んでインタビューできた事に驚き成長を感じ嬉しかったです」
  • 「次女が難聴で、姉がそれを補うように、夏休みに手話についての自由研究をして妹と話してるのを見て成長だなと思いました」

意義を感じない理由は「親の負担」や「進め方の難しさ」

一方で、「あまり意義を感じない(14%)」「まったく意義を感じない(3%)」と回答した家庭もありました。

理由としては、「子どもがやらされているだけになっている(55%)」という声や、さらに「親の負担が大きい(51%)」「テーマ選びやまとめ方に悩む(48%)」という回答も目立ちました。

特に初めての取り組みでは、テーマ設定や進め方に戸惑う子どもも多いと思われます。子どもが自発的に取り組まず、親の手助けが必要となる場面が多いために、自由研究が“親の仕事”のようになってしまう実態もうかがえます。

出典:いこーよモニターアンケート2025年7月調査より

実際に寄せられた自由回答からは、具体的な悩みが見えてきました。

親の関わり方への悩み

  • 「実験や観察は好きなのですが、まとめるのが下手なのでアドバイスをたくさん求められるのが大変」
  • 「文章のまとめ方が下手なので、自分の言いたい事をうまく表現できない。親がアドバイスするのはいいのだが、子どもの感性が薄れてしまうので悩んでいる」
  • 「前向きに取り組んでいますが、調べ学習やまとめ方などで行き詰まると、つい親が手を出してしまいがちです。自由研究なのに親の自由がなくなるのが悩みです(笑)」
  • 「どこまで手伝っていいかわからない」

やる気・継続面での悩み

  • 「熱意や集中が続かなく、親の励ましも効果がなかった」
  • 「はじめは前向きに取り組むが、だんだん飽きてしまい最後までやりきらせることが大変でした」
  • 「取り組み始めるのに時間がかかる。やる気を出すのが難しい」
  • 「興味がなくて、なにをやろうかを考えてないので、親が焦ってしまう。親からではなくて、自分から進んでやってほしい」
  • 不器用すぎて本人が納得する出来栄えにならない
  • 「毎回、夏休み終了ギリギリになってしまう」

テーマ選び・準備面の課題

  • 「毎年何を研究するかに悩む」
  • 「毎年興味があることを見つけるまでが課題です。それさえ見つければ計画できるのですが…」
  • 「予算が結構かかる」

今後の自由研究に期待することは「サポート体制の充実」

自由研究について今後への期待や要望を尋ねたところ、多様な意見が寄せられました。

サポート・指導面での改善提案

  • 「学年ごとのレベルに合わせた見本があると助かります」
  • 「自由研究のテーマ決めは、学校で生徒と一緒に決めていいのでは?と思いました。夏休みに入る前には興味のあるテーマを決めて、夏休みに入ったらすぐ取り組めるのではと思いました」
  • 「やる意味をしっかり教えてあげてほしい。意味がわかれば自ら進んで取り組むと思うので」

まとめ方・表現方法の改善

  • 「自由研究のまとめ方やレポートの書き方が、小学生、特に低学年には難しすぎると思います。形式にとらわれず、子どもに自由にまとめさせてあげたいと思いました」
  • 「児童館や学童などでワークショップ等でどのようにまとめるかをレクチャーしてほしい。まとめるのがなかなか難しいようなので」
  • 「紙にまとめるだけでなく、プレゼン形式や動画発表など、時代に合った形で評価してもらえると、子どもたちのやる気もさらに伸びる気がします」
  • 「タブレットで簡単に報告書を作って提出できる仕組みがあると良いと思う」

社会のサポート体制

  • 「材料費等、金銭面のサポート」
  • 「学校以外の習い事の教室で自由研究のサポートなどして欲しい。違う着眼点、アドバイスが欲しい」

評価希望

  • 「提出して終わりという感じなので、コンクール等に関わらずどの分野の作品においても具体的に評価しやる気や達成感につなげて欲しいと思う」
  • 「せっかく興味のある事について調べて取り組んでいるのだから、やったら終わりではなくクラスで発表する時間を設けたらいいなと思います」

強制や評価不要の要望

  • 「任意でやりたい人だけすればいいと思う」
  • 「コンテスト形式にして研究好きな子だけやれば良いと思う」
  • 「自由研究は、個人の自由だと思うので内容に対してあまり指摘しないで欲しいと思います」

まとめ

今回の調査から、自由研究に対して8割の保護者が「意義がある」と感じていることがわかりました。

自由研究が「子どもの好奇心や興味を伸ばす」「調べる力やまとめる力がつく」「自分の考えを表現する経験になる」など、子どもの成長につながったという体験談や、期待の声も多く寄せられています。その一方で、「やらされ感」「親の負担」「進め方の難しさ」といった課題も浮き彫りになりました。特に、子どものやる気が感じられないときや親の関与が増えすぎたときには、自由研究そのものが「形だけの課題」になってしまうケースもあります。

自由研究をより豊かな学びにつなげていくためには、家庭や学校だけでなく社会全体での工夫とサポートがあるといいのではないでしょうか。子どもが自ら興味を持ち、楽しいと思って無理なく進められる環境やサポート体制、保護者が抱える負担を軽減する工夫が求められるのかもしれません。

<子どもの自由研究についての調査記事>
子どもの8割が前向き!人気テーマと進め方を分析
②自由研究、親の本音は?8割が意義を感じつつも「負担が大きい」の声も(この記事)

■いこーよアンケート調査概要

調査方法/インターネットアンケート

調査地域/全国

調査対象/「いこーよ」会員

調査期間/2025年7月3日~7月10日

サンプル数/344サンプル

調査分析/いこーよ総研