いこーよにおけるオンラインイベントの傾向調査・分析
コロナ禍で他人との密な接触を極力避ける事が当たり前となった昨今。この時期から良く耳にするようになったのが「オンラインイベント」です。コロナが流行しだした直後はまだ馴染みがなかったものの、今ではかなり浸透してきたように思います。今回はそんなオンラインイベントについて、いこーよ内での傾向や動向を調査・分析してみました。
いこーよのオンラインイベント掲載数
はじめに、いこーよで掲載されているオンラインイベントの登録数について、コロナウイルスが発生する前から今までの推移を見てみましょう。

2020年2月まで0件だったオンラインイベントが同年3月から登録され始め、今日まで年間通して絶えず登録され続けています。やはり、コロナ禍を機にオンラインイベントという文化が生まれ、定着に近づいている状況が読み取れます。
では、それらは一体どのような内容のイベントなのでしょうか。
オンラインイベントの内容の傾向
いこーよに登録されているオンラインイベントのうち、閲覧数の多い上位300イベントをピックアップし、カテゴリに分けて比べてみました。

すると、「工作・体験系」のイベントがダントツで多い結果となりました。ワークショップ系イベントは、指定した材料を予め準備してもらえばオンライン上でもレクチャーしやすく、むしろ細かい作業工程などはカメラを通してアップで映し出す事が出来るため、オンラインとの相性が良いのかもしれません。
そして、「科学・研究系」や「学習・知育系」が続きます。科学・研究系は夏に人気の自由研究をテーマにした実験ワークショップや宇宙系が多く、学習・知育系には経済・お金についての学習や、今の時代を表すSDGsをテーマとしているものも複数ありました。子供の頃からこういった社会に役立つ知識を、イベントを通して学べるのはとても素晴らしいと思います。
また、オンラインで地域や施設を紹介する「観光・ツアー系」のイベントも多く、まずは地域や施設の魅力をユーザーに伝え、その後実際に現地に足を運んでもらうきっかけを作る、そんな施策のひとつとして実施されているようです。
オンラインイベントのPV数
次に、いこーよでのオンラインイベントのPV数を見てみましょう。

直近1年間、コロナ禍だったということもありますが、「オンラインイベント」の認知や普及の影響もあって概ね右肩あがりにPV数は伸びています。7月あたりから大きく伸びているのは、夏休み(自由研究等)の影響が顕著に表れていると考えられます。
続いて、1イベントあたりのPV数をカテゴリ別に比較してみました。

1イベントあたりのPV数がもっとも多かったのは、歌・ダンス・音楽系のオンラインイベントでした。そして、科学・研究系、ゲーム・謎解き系、演劇鑑賞・読み聞かせ系イベントが続く結果となりました。
歌・ダンス・音楽系は音楽に乗せて体を動かしたりと年齢を問わず楽しめるので、小学生・未就学児、すべての親から人気があるのかもしれませんね。また、ゲーム・謎解き系はまだまだイベント登録数としては少ないものの、既にオフラインのイベントやテレビでも人気があるように、オンラインであっても変わらず人気のイベントと言えそうです。
イベント参加費用割合
続いて、オンラインイベントの参加料金について、人気の高かったイベントを500円ごとに分類し集計してみました。
※参加料金は大人、子どもの参加料金の高い方で集計しています。

結果、約6割が無料イベント、残り4割の内の半分が2,501円以上の比較的高額なイベントとなりました。
以前紹介した、オフラインのイベントの参加費用と比べると無料イベントの割合も高額イベントの割合もオンラインイベントの方が高い結果となりました。
※参照:春の人気イベントの参加料金について
無料と高額の2極化が見て取れるこの結果からも、主催者側がまだオンラインイベントのポジションを見定めている時期なのかもしれません。実来訪を目的としたPR的な位置づけとして、まずは無料で簡易体験してもらう主催者がいる一方、オンラインイベント自体を新たな体験として高額商品化する主催者もいます。前者はコロナのここまでの長期化を見込んでいなかった可能性はありますが、いずれにせよオンラインイベントの位置づけは、これから少しずつ固まっていくのではないでしょうか。
2021年5月時点のおでかけ市場レポートで紹介したデータでは、オンラインイベントに参加したことのある親子のうち、95%が無料イベントへの参加でした。ユーザーとしてもまだオンラインイベントに不慣れな事もあり、1度目はお試しとして無料の方がハードルが低く、参加しやすいのでしょう。
いこーよにおけるオンラインイベントの傾向まとめ
今回は、いこーよにおけるオンラインイベントの傾向について調査してみました。ワクチン接種も進み、感染者数も減っている状況ではありますが、第6波への懸念や、今後もコロナウイルスとの共存生活が続く事からも、オンラインイベントの需要は続くと予想されます。
いこーよでも、今後もオンラインイベントが活用されることを想定し、今まで1種類だったイベントカテゴリを新たに「おでかけを伴ったイベント」「オンラインイベント」の2種類に分けて登録できるように変更しました。オンラインイベントをおこなうには、設備導入や準備も大変かと思いますが、新たな集客手段のひとつになり得るかと思います。今回ご紹介させていただいたデータならびにいこーよの新機能を、貴施設の新たな集客施策としてご活用いただければ幸いです。