コロナ禍でのオンラインイベント収益化に成功した施策事例

おでかけ施設が抱える様々な課題に対して、施設さんが実際におこなった具体的な施策と成果について紹介させて頂く事例紹介。今回の事例は、「キウイフルーツカントリーJAPAN」さんの「コロナ禍でのオンラインイベント収益化に成功」した事例となります。今後の貴施設の施策検討の参考にされてみてはいかがでしょうか。

目次

施設:今回の事例を紹介してくれたおでかけ施設

状況:フルーツの旬の時期に新型コロナウイルスが感染拡大

課題:コロナ禍の売上をどう担保するか

施策:有料のオンラインイベントを実施

工夫:ニーズに合ったテーマを設定する

成果:教育関連機関から高評価を受け参加者増

今後:学校や教室などの教育関連機関のニーズを探る

【施設】今回の事例を紹介してくれたおでかけ施設

キウイフルーツカントリーJAPAN

キウイフルーツカントリーJAPANイメージ

静岡県掛川市にあるキウイフルーツカントリーJAPANは、世界中から80種類ものキウイフルーツが集められ、一年中「食べ放題」が楽しめる観光農園です。バーベキューのほか、どんぐりのこみちや、冒険の森、ウォークラリー、自然のままで遊べるわんぱく体験や、ひつじやうさぎなどの動物たちとのふれあいなど、さまざまな体験を楽しむ事ができます。

【状況】フルーツの旬の時期に新型コロナウイルスが感染拡大

Q:まず、今回の施策を実施されるまでの状況について教えてもらえますか?

4月から6月は甘夏みかんの旬の時期なのですが、2020年は新型コロナウイルスが感染拡大し、1回目の緊急事態宣言が発令され、集客ができなくなってしまいました。

【課題】売上をどう担保するか

Q:その状況の中で、何を一番の課題として捉えたのでしょうか?

フルーツには旬があり、今売れないからといって次にまわす、という事ができません。地域の販売所へ持っていって販売する事も考えましたが、それだと農園来場の場合との売上乖離が大きくなってしまいます。どうしたらこの状況下でもしっかりした売上を担保できるのか、という事が課題でした。

【施策】有料のオンラインイベントを実施

Q:今回、実施された施策内容について詳細を教えてください。

Zoomを使った、1回あたり1時間、参加費1人2,000~3,000円の収穫体験オンラインイベントを実施しました。

オンラインイベント実施にあたり、楽しんでいただくにはイベントにしっかりとしたストーリー性をもたせる事が重要と考えたので、脱出ゲームのようなイメージで、その中に収穫体験がある企画にしました。

具体的には、みんなで冒険ダンジョンから脱出しよう!というストーリーです。途中でクイズを交えながら農園の仕組みを説明し、収穫体験では実際の農園のフルーツを見せながら参加者にどれが良いかを選んでもらって、指定されたものを収穫して郵送する、という形です。

【工夫】ニーズに合ったテーマを設定する

Q:この施策を実施するにあたり、工夫したことはありますか?

1つ目は、Zoomの機能をしっかり活用した事でしょうか。プログラム内の収穫体験に「どのフルーツにするか選んでもらう」というものがあったので、1人が選んでいる時は他の参加者をお待たせする形になります。1回あたりのイベントの定員は20名だったのですが、収穫体験やクイズの時はブレイクアウトルームを使い、5人×4チームにする事によってお待たせする時間をなるべく少なくしました。また、クイズもチームごとのポイント制にする事で、少人数で気軽に発言でき、楽しめるように工夫しました。

2つ目は、テーマをしっかり持たせるようにした事。学びや気付きに繋がるものにしたいと思ったんです。SDGsや限界集落など、社会問題をテーマにしたものは学校や教室などの教育関連の方からの要望も多く、期待が高かったです。

3つ目は、1回で終わらせないようなプログラムにした事です。1回目はオンライン、2回目は実際に農園に行ってみよう、というプログラムにしました。新型コロナウイルスの影響で、残念ながらまだ2回目の農園訪問イベントは開催できていませんが、Zoomだけで終わらせず「次に会うのが楽しみ」となるように進行を工夫しました。

【成果】教育関連機関から高評価を受け参加者増

Q:この施策を実施したことによる、具体的な成果について教えてください。

結果的に、特に教育機関からとても好評で売上も想定以上の成果が出ました。英会話教室などの習い事関連施設は定期的に遠足に出かけるところも多いのですが、当時は新型コロナウイルスの影響で行けなくなってしまっていました。その代わりにこのオンラインイベントに参加してくれる事が多かったです。

例えば、英会話教室であればイベント内で英語を使ったコンテンツを提供するなど、それぞれに合った形で対応していた事も高評価を頂けたポイントだったと思います。

【今後】学校や教室などの教育関連機関のニーズを探る

Q:今後考えられている展開や打ち手は何かありますか?

今後、商品開発のワークショップを予定しています。こちらは学生さんからの要望もあり、当農園を題材にして実施します。そこで出たアイデアは当農園にとっても良い刺激になりますし、とても楽しみにしています。

今後もそういったニーズを拾い、対応していきたいと思っています。