ワーケーションの利用意向・動向に関するユーザーアンケート

自宅で仕事をおこなうリモートワークが珍しくなくなった昨今、働き方改革と称して様々な新しい働き方が生まれています。観光地やリゾート地などの休暇先で仕事をおこなう「ワーケーション」もそんな新しい働き方のひとつでしょう。最近では日常のおでかけ施設・レジャー施設を活用した「ワーケーション」事例も少しずつ増えてきています。そこで今回は「ワーケーションの利用意向・動向」について、いこーよおよびいこーよアプリを利用した393名のユーザーを対象にアンケートを実施し、調査・分析してみました。

目次

ワーケーション制度の認知状況

ワーケーション制度の活用経験・利用意向

おでかけ施設でのワーケーション制度利用意向

ワーケーションを利用してみたいおでかけ施設ジャンル

ワーケーション利用時の業務効率について

ワーケーションの利用意向・動向に関するまとめ

今回のアンケートに答えて下さった393名の回答者は、すべて小学生以下の子供を持つ親からの回答となっています。以降の数値やデータに関しては、上記属性のユーザーによる回答である事を前提にご覧いただければと思います。

ワーケーション制度の認知状況

そもそも「ワーケーション」というワードはどれだけユーザーに認知されているのでしょうか。まずは、言葉自体の認知と制度の理解について聞いてみました。

ワーケーションの認知度のグラフ

46%と半数近いユーザーは「ワーケーション」という言葉自体を聞いた事がないとの回答。また、聞いた事はあるが意味は分からないと答えたユーザーが26%。「ワーケーション」をきちんと理解しているのは全体の28%という結果になりました。今時点では「ワーケーション」は一般的にまだまだ浸透しているとは言い難い状況と言えます。

ワーケーション制度の活用経験・利用意向

上記設問のあとに、「ワーケーション」の制度や意味をすべての回答者に説明した上で、改めてその利用意向について聞いてみました。

ワーケーションの興味・関心のグラフ

「興味がない」と答えたユーザーは全体の25%。残り75%のユーザーは「ワーケーション」に対して「興味あり」と答えています。

しかし、興味がある人の中で「利用してみたい」「した事がある」ユーザーは合わせても24%。「自分の環境的に利用は難しいのでは?」と考えているユーザーが51%ともっとも多い結果となりました。

世の中的に、自宅でのリモートワーク等が少しずつ認められてきてはいるものの、まだまだ「ワーケーション」のような新たな制度や取り組みを許容してくれる企業・会社は少ないのかもしれません。

おでかけ施設でのワーケーション制度利用意向

一般的な「ワーケーション」は、観光地やリゾート地などの休暇先・宿泊施設等で仕事をおこなう制度ですが、最近では遊園地内の観覧車の中で仕事ができるプランが作られたりと、日常のおでかけ施設・レジャー施設を活用した新たな「ワーケーション」の形も出てきています。

そのような、日常のおでかけ施設を活用したワーケーションの制度・取り組みについて、改めて利用意向を聞いてみました。

おでかけ施設でのワーケーションへの興味・関心のグラフ

旅行や宿泊を伴う「ワーケーション」と比べてだいぶ手軽に利用出来る制度なので、多少差が出るのでは?と思ったのですが、観光地やリゾート地での「ワーケーション」の利用意向とほぼ同じ結果となりました。やはり、制度として興味はあるものの、自分は利用できる環境にないと考えるユーザーが多いようです。

ワーケーションを利用してみたいおでかけ施設ジャンル

もし利用できるなら?という前提で、おでかけ施設でのワーケーションにおいて「利用してみたい施設ジャンル」について聞いてみました。今後、この制度の導入を考えている施設さんにとっては参考になるのではないでしょうか。

ワーケーションを利用してみたいおでかけ施設ジャンルのグラフ

上位に並んだ施設は、日常おでかけでありながら少し特別感のあるおでかけ施設。家族全員でおでかけしながら、一部仕事の時間に充てるイメージでしょうか。パパとママで仕事の時間をずらしてそれぞれで子供の相手をすれば子供は一日中遊べますし、仕事とレジャーの両立が成り立ちそうですね。

おでかけ施設としても、パパの仕事でおでかけ自体がなくなってしまうのではなく、仕事する環境を用意してあげる事で来訪機会の損失を防げるわけですから、積極的にトライしてみてはいかがでしょうか。

ワーケーション利用時の業務効率について

旅行先やおでかけ先で仕事が出来る環境があるとはいえ、仕事の効率面から考えたらどうなのでしょうか。リラックス出来る環境だからこそ効率があがる、そう考える人もいれば、逆にオンオフの境が曖昧で効率が下がる、と考える人もいるでしょう。そこで「ワーケーション」でおこなう仕事の効率についてユーザーはどう考えているのか?を聞いてみました。

ワーケーション利用時の業務効率についてのグラフ

「効率があがる(と思う)」が23%、「効率が下がる(と思う)」が56%、「変わらない(と思う)」が21%と、ユーザーの印象では「ワーケーション」での仕事は通常よりも効率が下がるものと捉えている人が多いようです。

半数以上が「ワーケーション」の存在すら知らないという、そもそもの認知率の問題も当然ありますが、「知ってはいるけど(自分は)利用できない」と答えたユーザーの一部は、もしかしたら「ワーケーションでの仕事」=「業務効率が下がる制度」という前提で捉えているのかもしれません。今後、今の「ワーケーション」制度を浸透させていくには、このあたりのユーザー側の印象も変えていく必要がありそうです。

ワーケーションの利用意向・動向に関するまとめ

  • 46%と半数近いユーザーは「ワーケーション」という言葉自体を聞いた事すらない
  • 「ワーケーション」制度の意味まできちんと理解しているのは全体の28%
  • 「ワーケーション」に「興味がない」と答えたユーザーは全体の25%
  • 「興味あり」と答えたユーザーは75%。その内「環境的に利用は難しい」ユーザーが51%
  • おでかけ施設での「ワーケーション」制度の利用意向も通常の利用意向結果とほぼ同じ
  • 「ワーケーション」で利用してみたい施設ジャンルは「動物園」「水族館」「遊園地」等
  • 「ワーケーション」での業務効率は「上がる」23%「下がる」56%「変わらない」21%

様々な働き方が認められつつある世の中ではありますが、「ワーケーション」においてはまだまだ認知も理解もこれからという印象のアンケート結果となりました。ユーザーの意識はもちろん、ユーザーが勤める企業側の対応・許容も必要になりますので、なかなかすぐに浸透する制度ではないかもしれませんが、「(ワーケーションに)興味あり」と答えたユーザーが非常に多かった事からも、ユーザーにとって「あったら嬉しい制度」である事は間違いないでしょうし、おでかけ施設としても今後の集客に活用出来る制度や取り組みだと思います。

貴施設の今後の新たな集客施策に少しでも役立てて頂ければ幸いです。

調査方法/インターネットアンケート

調査地域/特に地域の限定はなし

調査対象/いこーよおよびいこーよアプリを利用した小学生以下の子供を持つユーザー393名

調査日程/2021年4月1日~4月10日