おでかけ施設の感染対策に関する施設アンケート

コロナ禍により、一時は国全体でおでかけ自粛という措置が取られ、この2年はお出かけ市場にとって本当に苦しい期間となりました。2年経った今でも完全にもとに戻ることはなく、次から次へと新たな変異株が発生し、苦しい状況は続いています。現在は、街の至るところにアルコール消毒液が置かれ、行き交う人の大半がマスクをして生活しています。そんな新たな生活スタイルが根付いた昨今、おでかけ施設では一体どのような感染対策が実施されているのでしょうか。今回はアンケートに協力して頂いた全国169のおでかけ施設の回答から「施設でおこなっている新型コロナウイルス感染対策」について、アンケート結果を紹介させて頂きます。

目次

アンケート対象施設の規模区分

施設・スタッフがおこなっている感染対策

入場者数の制限

スタッフの定期消毒の頻度

お客様の感染対策

感染対策でうまくいっていること

感染対策の課題や問題点とその対策

おでかけ施設の感染対策に関するまとめ

アンケート対象施設の規模区分

まず、今回のアンケート対象となった169施設の施設規模(年間来場者数)について。
※コロナウイルスの影響を受けていない時期の来場人数

アンケート回答施設の年間来場者数

今回のアンケート対象となった施設は、年間来場者数50,000人以下の施設が55.6%。50,001人以上の施設が33.7%(分からない10.7%)となっています。以降のデータについては、上記の規模(年間来場者数)のおでかけ施設による回答をもとに算出しています。

施設・スタッフがおこなっている感染対策

はじめに、現在施設やスタッフがおこなっている感染対策の内容について伺いました。

施設スタッフがおこなっている感染対策

基本的な感染対策として提唱されている「マスク、フェイスシールドの着用」「検温機器、消毒液の設置」に関しては、ほとんどの施設にておこなわれています。

また、「定期消毒の実施」「飛沫防止パネル・シートなどの設置」「コイントレーでの金銭の授受等、極力直接接触を回避」「換気の頻度を上げている」「ソーシャルディスタンスの距離の目印の設置」に関しては、すべてにおいて6割以上の高い割合で実施されているようです。

今回、回答してくださった施設の屋内・屋外の内訳はほぼ半々。屋外施設ではそもそも換気や加湿器等の必要がない施設も多いことから、ほとんどのお出かけ施設において、徹底した感染対策がおこなわれていると言えそうです。

入場者数の制限

感染対策のひとつとして「入場制限をしている」という施設に対し、通常時の何割程度に制限しているのか、について伺いました。

入場制限の割合

もっとも多かったのが通常時の5割程度で42.3%。続いて通常時の6割程度が18%、通常時の7割程度が12.8%でした。これらの対応をしている施設は、すべての項目において屋内・屋外やジャンル、施設規模に大きな偏りはありませんでした。それぞれ、所在地の自治体の方針等に従い、個々の施設の判断で対応されているようです。

スタッフの定期消毒の頻度

続いて、感染対策のひとつとして「スタッフの定期消毒」をおこなっている施設に対し、消毒の頻度について伺いました。

スタッフの定期消毒の頻度

すると、「1回利用ごとに都度」「1~2時間に1回」の2つで半数以上を占め、さらに18.7%が「3~4時間に1回」消毒をおこなっています。つまり、全体の約70%がかなり高い頻度で定期消毒をおこなっていることが分かります。

お客様の感染対策

次に、施設側ではなくお客様におこなってもらっている感染対策について聞いてみました。

お客様の感染対策

スタッフの実施状況と同様、「マスク、フェイスシールドの着用」「入場時の検温・消毒」については9割以上の施設がおこなっていると回答。次点で「ソーシャルディスタンスの確保」が74%、「コイントレーでの金銭の授受等、極力直接接触を回避」「叫び声や大声での会話の制限」が半数程度で続き、「キャッシュレス決済の利用増加」は3割程度と意外に少ない結果となりました。

感染対策でうまくいっていること

現在までにおこなった感染対策で、「うまくいっていること」について伺ったところ、「オンラインでの事前予約決済」や「非接触型決済」、「検温システムの導入」といった回答が多くあがりました。一部、抜粋します。

  • 【オンラインでの事前予約決済】
  • 予約時にクレジット決済を導入、接触時間の短縮につながった
  • オンライン予約フォームを導入したことで、精算のリスクが少なくなったほか、予約数で、その日の入り込み想定ができるようになった
  • オンライン予約フォームを導入したことで、予約間違いが激減した
  • 【非接触型決済】
  • 電子マネーの導入:感染リスクも減り来館者の利便性も上がり好評。両替の頻度も減らせた
  • QR決済利用率の向上と、1件当たりの受付・会計に掛かる時間が減った
  • キャッシュレス決済を導入し、決済の幅が広がったことで顧客満足に貢献できた
  • 発券機の活用により、受付がスムーズになった
  • 【検温システムの導入】
  • サーモグラフィーの設置で検温の手間が省けた
  • AI搭載型検温システム導入によるスムーズな入園
  • 非接触型の検温器を導入しスタッフとの接触が減った

オンラインでの事前予約決済や非接触型決済に関しては、前述の「お客様におこなってもらっている感染対策」としては3割程度と少ない結果ではあったものの、実施している施設の満足度は非常に高く、受付の密を避けられるといった利点以外にも、予約数の把握や予約間違いの軽減、顧客満足度の向上など、様々な利点があり、「うまくいっている」と感じているようです。

システム導入には初期費用や運用費用などがかかり、難しい点もあるかもしれませんが、以前いこーよユーザーにとった「おでかけ施設へのキャッシュレス化に対する意向」でも、半数以上の親がキャッシュレスを希望しているという結果も出ていますので、対応されていない施設は前向きに検討されてみてはいかがでしょうか。

感染対策の課題や問題点とその対策

最後に、感染対策の課題や問題点として捉えていること、そしてその対策について伺いました。多くあがった回答が「密の発生」「手間とコスト」「感染対策への意識の違いによるルール違反」の3点でした。また、多くはないですが「子供の感染対策」に関しても複数の回答があがりました。それぞれに対し、その対策と合わせて一部抜粋してみます。

【密の発生】

  • (課題)
  • 来店と退店が重なる時間帯で一部エリアが密集する場合がある
  • 屋外施設のため、寒い日は室内にお客様が集中することがある
  • 人気エリアに集中してしまうあまり、園内での隣同士でのディスタンスが守られにくい
  • (対策)
  • 館内放送で空きスペースを案内
  • 室内の前後の扉を開放し換気を徹底している
  • ウェイトラインを物理的に長くすることにより少しでも広くスペースを取る
  • 密になっている時には、距離をとってもらうよう声掛けをしたり、掲示をふやした

【手間とコスト】

  • (課題)
  • 人手不足で、一日に何度も消毒できない
  • 人手間が増えてる
  • スタッフ数に限りある中、作業量が増えた
  • (対策)
  • 人員を補充している
  • 自動検温機の設置
  • 消毒液を複数個所設置し、お客様が気になったタイミングで消毒できるように工夫

【感染対策への意識の違いによるルール違反】

  • (課題)
  • マスク着用をお願いしているが、マスク着用しない方もいる。ルールを守っているお客様に不快感を与える恐れがある
  • 利用者により考え方が多様でトラブルになることがある
  • マスクを外したままのお客様が多く、都度注意が必要となる
  • (対策)
  • マスク着用のポスターを増やした
  • 放送等で注意喚起
  • 不織布マスクを用意、販売する

【子供の感染対策】

  • (課題)
  • 小さいお子様のマスク着用が難しい
  • 子どもの利用が多く、対策の徹底が難しい
  • 子ども同士の距離を取ることは難しい
  • (対策)
  • 極力マスクの着用を入口で依頼。着用の難しいお子様には他のお客様と距離をとるよう保護者の方にお願いしている
  • 注意喚起の表示を増やし、責任者にも協力をお願いしている

施設やスタッフの感染対策は徹底できても、お客様に対してはどうしてもお願いベースとなり、注意喚起のポスターや園内放送、口頭でのお願いといった対応を取っている施設が多いようです。

おでかけ施設の感染対策に関するまとめ

  • 「マスク、フェイスシールドの着用」「検温機器、消毒液の設置」が95%以上、「定期消毒の実施」「飛沫防止パネル・シートなどの設置」「コイントレーでの金銭の授受等、極力直接接触を回避」「換気の頻度を上げている」「ソーシャルディスタンスの距離の目印の設置」が6割以上と多くの施設が感染対策を徹底
  • 入場制限をおこなっている施設のうち42.3%が「通常時の5割程度」、「通常時の6割程度」が18%、「通常時の7割程度」が12.8%
  • 入場制限をおこなっている施設に、施設ジャンルや屋内屋外等の偏りはなし
  • スタッフの定期消毒の頻度は「1回利用ごとに都度」「1~2時間に1回」で半数以上。「3~4時間に1回」が約20%
  • 客側におこなってもらう感染対策は「マスク、フェイスシールドの着用」「入場時の検温・消毒」が9割以上、「ソーシャルディスタンスの確保」が約7割、「コイントレーでの金銭の授受等、極力直接接触を回避」「叫び声や大声での会話の制限」が半数程度。「キャッシュレス決済の利用増加」は3割程度と意外に少ない結果に
  • 感染対策でうまくいっていることは「オンラインでの事前予約決済」や「非接触型決済」、「検温システムの導入」
  • 感染対策の課題は「密の発生」「手間とコスト」「感染対策への意識の違いによるルール違反」と「子供の感染対策」

という事で、今回はおでかけ施設の感染対策をテーマに調査・分析してみましたがいかがでしたでしょうか。新型コロナウイルスに対する感染対策は、今後も当分は対応していかなければならないでしょう。中でも、キャッシュレス決済やデジタル化などは、ウイルス対策関係なく取り入れてもいい設備改善と言えます。これをひとつの機会と捉え、コストではなく先行投資、戦略のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

ひとつのアンケート結果からの分析ですので、あくまで参考程度ではありますが、貴施設の今後の戦略・対策・施策に少しでも役立てて頂ければ幸いです。

調査方法/インターネットアンケート

調査地域/特に地域の限定はなし

調査対象/全国169のおでかけ施設

調査日程/2022年1月31日~2月6日