無料招待券付きチケットの配布により、来場者数と売上が増加した施策事例

おでかけ施設が抱える様々な課題に対して、施設さんが実際におこなった具体的な施策と成果について紹介させて頂く事例紹介。今回の事例は、「ストーンミュージアム博石館」さんの「次回入館が無料になる入館券の配布により、来場者数と売上が増加」した事例となります。今後の貴施設の施策検討の参考にされてみてはいかがでしょうか。

目次

施設:今回の事例を紹介してくれたおでかけ施設

状況:入場者数が横ばいの状況が続く

課題:リピーターの再来場の間隔を短くしたい

施策:入場券を次回入館が無料になる招待券付きに

工夫:次のシーズンも来場いただけるよう、期限を3か月間に設定

成果:来場者の15~20%が無料招待券での来場だが付帯売上が向上

今後:フリマアプリでの転売が課題

【施設】今回の事例を紹介してくれたおでかけ施設

ストーンミュージアム博石館

ストーンミュージアム博石館施設内部

約7,000坪の敷地内に、世界の貴重な鉱物と蛭川産の鉱物の展示館を中心とした、高さ約15mのみかげ石のピラミッド、各鉱石の体験コーナー、石の小美術館が点在する石のテーマパーク。ピラミッド地下には博石館の中でも大人気の総延長360mの大理石の迷路があります。ほか、宝石探しや鉱山体験、宝石を使った手作り体験等、様々な体験メニューも。

【状況】入場者数が横ばいの状況が続く

Q:まず、今回の施策を実施されるまでの状況について教えてもらえますか?

当施設は昭和61年にオープンし、運営を続けています。平成7年に入場者数がピークをむかえ、平成12年以降は入場者数が横ばいの状況が続いていました。

【課題】リピーターの再来場の間隔を短くしたい

Q:その状況の中で、何を一番の課題として捉えたのでしょうか?

会員制ではないので正確な数字はとれていないのですが、もともとリピーターの多い施設で、リピーターの再来場の間隔をもっと短くできたらいいな、と考えていました。

【施策】入場券を次回入館が無料になる招待券付きに

Q:今回、実施された施策内容について詳細を教えてください。

来場時にご購入いただく入場券の半券を、次回の入館が無料になる招待券にしました。日付も入れ、入館された翌日から3ヶ月後の同日まで有効のものです。

【工夫】次のシーズンも来場いただけるよう、期限を3か月間に設定

Q:この施策を実施するにあたり、工夫したことはありますか?

期限を3ヵ月間にすることによって、次のシーズンにもご来場いただけるようにしました。

【成果】来場者の15~20%が無料招待券での来場だが付帯売上が向上

Q:この施策を実施したことによる、具体的な成果について教えてください。

当施設は1995年頃が来場者数のピークだったのですが、それに迫る勢いで来場者数が伸びています。2015年頃からのパワーストーンブームとSNSのおかげもあってか、有料での来場者数が年々伸び、ピークに近い数値に回復しています。

そこに無料招待券でのご来場者様が上乗せされている状態のため、無料招待券施策を実施したことによる売上のマイナスは出ておらず、むしろ大きく伸びている状況です。平均して全来場者の15〜20%が無料招待券でのご来場となっています。

当施設は有料の体験メニューも多くあり、大半のお客様が有料の体験メニューをお申込みされます。そのため、無料で入場いただいても有料体験やカフェなどのご利用で売上が上がりました。現在、入場料と有料体験の売上比率は大体半々ぐらいです。

【今後】フリマアプリでの転売が課題

Q:今後考えられている展開や打ち手は何かありますか?

打ち手については悩んでいるところなのですが、無料招待券をフリマアプリ等で転売されるケースが増えてきました。「入口がわからない」等、明らかに初回来場の方が無料招待券を持って来場されるケースが見られるようになっています。

そのような場合でも特に入場を止めたりはしていないのですが、現状「転売禁止」と呼びかけることしかできないので、今後の対応について何か良い方法がないか検討中です。