観光地の施設における「スタッフの顧客対応改善」による顧客満足度向上施策事例

おでかけ施設が抱える様々な課題に対して、施設さんが実際におこなった具体的な施策と成果について紹介させて頂く事例紹介。今回紹介させて頂く事例は、東海エリアのとある複合体験施設さんの「混雑緩和・顧客満足度向上」を狙った「スタッフの顧客対応改善」施策になります。今後の貴施設の施策検討の参考にされてみてはいかがでしょうか。

目次

施設:今回の事例を紹介してくれたおでかけ施設概要

状況:観光地ならではの顧客属性と施設の回遊範囲の広さでお客様が迷ってしまう

課題:顧客満足度の低下が懸念

施策:施設としての「おすすめの回り方」を決め、スタッフの対応を統一する

成果:施設回遊の効率化や満足度向上、スタッフの負荷軽減など様々な成果が

副次効果:クーポンページの閲覧率、利用率が増加

今後:より多くのお客様に情報を届けていく

【施設】今回の事例を紹介してくれたおでかけ施設概要

施設ジャンル:複合体験施設
施設エリア :東海エリア観光地
施設規模  :地下1階~6階
主な顧客属性:シニアからジュニアまで幅広い観光客層

【状況】観光地ならではの顧客属性と施設の回遊範囲の広さでお客様が迷ってしまう

Q:今回の施策を実施されるまでの状況をお聞かせください。

観光地という土地柄、新規のお客様が8割ほどで圧倒的に多い状況でした。当たり前ですが施設内の詳細コンテンツやそれがある場所、設備についてご存知ない方が大半です。加えて、当館は地下1階~6階まで、と回遊範囲が広いのでお客様が「どう回ったらいいのか」迷われることが多いです。

お客様が各階ごとに見て回った後、次は何階に行くのか迷って相談をされていたり、スタッフに「どう回るのがおすすめなのか?」と聞かれることも少なくありません。

【課題】顧客満足度の低下が懸念

Q:その状況下で、何を課題として感じていたのでしょうか?

お客様から「どう回ったらいいか?」と聞かれた際、スタッフによっては急な質問でうまく答えられなかったり、それぞれ違う回答をしていたりと、ご案内に差が出てしまっていました。このままでは顧客満足度にも影響が出てしまいますし、スタッフへも心理的負担がかかっていると気付きました。

上記を施設の抱える課題と捉え、どのお客様にも余すところなく施設内を見て楽しんでもらうこと、スタッフサービスの均質化を目指し、改善に向けて取り組むことにしました。

【施策】施設としての「おすすめの回り方」を決め、スタッフの対応を統一する

Q:どのような形に決められたのでしょうか。

まず、入場したら最上階にあがっていただき、順に1階ずつ回っていただくように決めました。「順に下がっていく」というシンプルなコースにしたことで、「次どこだっけ?」とお客様が迷う事もなくなり、最後までスムーズに進めるようになるのでは?と思いました。また、コースを決めることでどこか1つのコンテンツに人が集中してしまう事も防止できると考えました。

Q:スタッフへの周知はどのようにされたのでしょうか。

朝礼などで周知を実施しました。スタッフへの周知も「上から順に下る」というシンプルなコースのため、大きな教育コストをかけることなく、スムーズに浸透させる事ができたと感じています。

Q:スタッフからお客様への案内を統一する以外、他に課題解決のため実施されたことはありますか。

4月からいこーよのお知らせページでも「おすすめの回り方」を掲載しました。あまりファミリー向けではないコンテンツの箇所は思い切って省き、ファミリー層に特化した回り方とコンテンツの概要説明を合わせて記載しています。

【成果】施設回遊の効率化や満足度向上、スタッフの負荷軽減など様々な成果が

Q:おすすめの回り方を決め、スタッフの対応を統一したことによる成果について、具体的に教えて下さい。

厳密に数字をとっていたわけではないのですが、お客様が施設内を余すことなく見てまわって頂けていると感じています。また、案内を統一することにより、高い水準でのサービスの均質化も実現でき、今後顧客満足度の向上につながるのではないかと思っています。

スタッフに対しても、こちらからあらかじめ答えを用意してあげることによって、気持ちの面での負担が軽減でき、従業員満足度の向上にもつながることを期待しています。

【副次効果】クーポンページの閲覧率、利用率が増加

Q:この施策による、想定していなかった成果などはありましたか?

前述の通り、いこーよのお知らせページの内容を更新すると、4月のいこーよクーポンページの閲覧率が前年比126%、クーポンの利用率は155%に向上していました。お知らせページに「おすすめの回り方」を紹介したことにより、閲覧者の来場意欲をより促進することができたのではないかと思っています。

【今後】より多くのお客様に情報を届けていく

Q:今回の成果を受けて、今後考えられている施策や打ち手はありますか?

より多くのお客様にご案内できるよう、おすすめの回り方とコンテンツ説明資料を、ポスターと配布物に展開し、それぞれ反応を見ていきたいと思っています。

別件になるのですが、入場口にQRコード読み取り式のパンフレット設置についても動いておりましたので、そういったデジタル形式のインフォメーションも今後増えるかもしれません。