おでかけ施設での写真・動画撮影に関するユーザーアンケート
家族でおでかけ施設に遊びに行った際、施設で楽しむお子様の様子などを写真に撮り、家族の想い出として残されるお客さんも少なくないと思います。SNSへの写真投稿も当たり前となった昨今、施設さんにとってお客さんに素敵な写真をたくさん撮ってもらう事は、SNSを通じてさらなる集客に繋がったり、客単価アップも狙える重要な要素のひとつと言えます。そこで今回は、おでかけ施設での「写真・動画撮影」に関する動向について、いこーよおよびいこーよアプリを利用した364名のユーザーを対象にアンケートを実施し、調査・分析してみました。
今回のアンケートに答えて下さった364名の回答者は、すべて「小学生以下の子供を持つ親」となっています。以降の数値やデータに関しては、上記属性のユーザーによる回答である事を前提にご覧いただければと思います。
おでかけ施設での写真・動画撮影習慣の有無
そもそも、家族でおでかけ施設に遊びに行った際、どのくらいのユーザーが施設内で写真・動画撮影をおこなっているのでしょうか。まずは、おでかけ施設での写真撮影習慣の有無について聞いてみました。

明確に「撮らない」と答えたユーザーは僅か1%。逆に「毎回撮る」74%、「時々撮る」25%と、合わせて99%のユーザーが、おでかけ施設での写真・動画撮影習慣があると答えています。
おでかけ施設での写真・動画撮影の方法
続いては、その撮影方法について。ほとんどのユーザーが何らかの方法で家族の写真や動画を撮影している事は分かりましたが、皆さんどのような方法で撮影をおこなっているのでしょうか。ここでは、ユーザーがよく撮影する方法について聞いてみました。

95.6%とほぼすべてのユーザーが「スマホ(携帯)」を使って写真を撮影しているとの回答。また、78%とほぼ8割のユーザーは「写真」だけでなく「動画」も撮影していると答えています。今のパパママ世代にとって、動画はもはや当たり前。「映えスポット」なんて言葉も流行りましたが、いまや施設側は「動画撮影」を見据えた「映えスポット」作りを意識しないといけないようです。
なお、スマホ以外の機器を使っての撮影は、もっとも多い「デジカメ」でも20%程度。施設側は、スマホのカメラ機能の状況をもとに戦略を練るのが良さそうです。
写真・動画撮影時に良く利用するアイテム
続いて、撮影時にユーザーがよく利用するアイテムについて聞いてみました。世の中には、より良い写真や動画を撮影するための便利アイテムがたくさんあります。世のパパママたちは、いったいどのようなアイテムを利用して撮影をおこなっているのでしょうか。

圧倒的に多かった回答は「特になし」で全体の85%。スマホ用の自撮り棒やミニ三脚など、テレビやネットで見かける事もだいぶ増えましたが、パパママ世代にはほとんど利用されていないようです。
小さなお子様を連れてのおでかけは、ただでさえ荷物が増えるもの。写真のために余計な荷物が増えるより、多少不便でも身軽におでかけしたい、そんな気持ちが強いのかもしれません。
おでかけ施設での写真・動画撮影時の被写体
お次は、撮影の被写体について。ファミリーでのおでかけ写真・動画撮影の際、いったい誰を被写体として撮る事が多いのでしょうか。

やはり圧倒的に多いのが「子供」。87.1%のユーザーが被写体として選んでいます。そして大きく間を空けてパパ24.2%、ママ22.5%と続きます。今回のアンケート対象者が小学生以下の子供を持つ親だからか、特にその傾向が分かりやすく表れています。
おでかけ施設での写真・動画撮影は、とにもかくにも「子供」の楽しんでいる姿をカメラに収める事、目的はこれ一択と言って良いでしょう。前の設問で「自撮り棒」や「三脚」へのニーズが低いのも納得です。
おでかけ施設での写真・動画撮影時の撮影者
では、その子供の写真・動画はいったい誰が撮影しているのでしょうか。続いては撮影者について聞いてみました。

全体の7割近くの回答者が「ママ」と回答しています。「たくさん写真はあるけど、どこにもママが写っていない」なんて話を、家族のおでかけあるあるとして良く耳にしますが、こういう事なのですね。
この結果を見ると、施設側が提供する撮影サービスをもっとも欲しているのは「ママ」なのかもしれません。多少割高な印象のある撮影サービスですが、ママに向けてママに響く言葉にアプローチを変えてみるだけで、施設さんにとってより良い結果に結びつくのではないでしょうか。
おでかけ施設で撮影した写真・動画のSNS投稿
続いては、撮影した写真や動画の活用方法について。ここでは「SNSへの投稿」に絞って聞いてみたいと思います。

加工あり、加工なし含め、半数のユーザーが投稿経験が「ある」と答えています。ほぼ全ての来場者がスマホで我が子を撮影、さらにその半分がSNS投稿をおこない、その写真や動画が世界中に拡散されていくわけですから、施設の集客に及ぼす影響力は決して小さいものではないでしょう。
先ほど、写真だけでなく動画も見据えた「映えスポット戦略」を、なんて話をしましたが、SNSが当たり前となった昨今、来園者にいかに写真や動画を撮ってもらうかだけでなく、いかにその写真や動画をSNSで拡散してもらうか、そこまで見据えて戦略を考える必要があるのかもしれません。
おでかけ施設の写真・動画撮影サービスの利用経験
さて、お次は施設側が提供する撮影サービスについて。比較的規模の大きな施設で良く目にする撮影サービスですが、ユーザーには実際どれくらい利用されているのでしょうか。アトラクション中に自動で撮られた写真を出口付近で購入する、なんてパターンもありますね。

半数以上の回答者が「利用経験あり」との事。実は結構お高い印象もあって、利用率はそんなに高くないのでは?なんて思っていたのですが、むしろ利用経験者の方が多いのですね。
先ほどのデータにもあったように、自分たちで撮影する写真の目的は「子供」で、特に自撮り棒や三脚も使わないとなると、家族全員が写った「集合写真」は意外と撮る機会が少ないのかもしれません。とはいえ、せっかくですから家族全員の写真も1枚くらいは欲しい、そんなニーズが顕著に現れた結果ではないでしょうか。
今までのアンケート結果を踏まえると、こういった施設側からの撮影サービスにおいても、写真として渡すだけではなく、データとしてお客さんのスマホに送る事が出来ると、その先のSNS拡散に繋がりやすくなるかもしれません。
プロカメラマン出張撮影サービスのニーズについて
旅行などでは時々目にする「プロカメラマンの出張撮影サービス」を、日常のファミリーお出かけで利用するユーザーも増えてきているようです。続いては、そんな「プロカメラマンの出張撮影サービス」の利用意向について、価格帯に分けてニーズを聞いてみました。(※サービス内容は「撮影時間90分程度/写真枚数100枚程度/写真+データ納品」を前提としています)

もっとも多かった回答は「無料(であれば)」の40%。次点は「1円~5,000円(であれば)」の32%。そして「無料でも利用しない」と答えたユーザーが12%となりました。
現在の一般的な既存サービス料金(数万円)とはだいぶ乖離する結果となっており、日常おでかけにおいて利用するサービスとしてはまだまだハードルが高そうですが、逆に5,000円程度であればニーズがあるとも考えられます。一定時間お客さんに付き添って家族写真を撮ってあげる、そんなサービスを施設側が安価で提供出来たら意外とハマるのかもしれません。
おでかけ施設での写真・動画撮影で困った経験
お次は、ユーザーがおでかけ施設での写真・動画撮影の際、実際に困った経験談を自由回答の形で答えてもらいました。
色々な「困った体験談」が寄せられましたが、その中で圧倒的に多かったのが「家族写真が撮れない問題」「他人の映り込み問題」「手ブレ問題」の3点。さらにこのコロナ禍特有のお悩みなどもありました。具体的な回答をいくつかテーマ毎に抜粋して紹介します。
- ■家族写真が撮れない
- 私(ママ)が撮る係なので、私の写真がほとんどない。
- 荷物は増やさず家族写真が手軽に撮影できるいい方法はないかといつも考えています
- 家族みんなで撮りたいのに三脚などがないと全員で写真を撮るのが難しい
- ■他人の映り込み
- 周りの人が映らないようなタイミングで撮ることが難しい
- 人が多い場所でどうしても他の人が映ってしまい気づかずその人に警告された
- 気をつけてはいるがどうしてもよその人が写り込んでしまう
- ■手ブレ
- 子供がじっとしてくれなくて写真が上手く撮れない
- 子供は自由に動くので何枚も撮らないと良い写真が撮れない
- せっかくいい撮影ポイントを見つけても子どもが動き回って困った
- ■コロナ
- コロナの影響で人に撮ってもらうのが頼みずらくなった
- マスク着用が日常化したので、写真を撮りたい時にすぐに携帯のロックを開けない
- マスクを長く付けている事でメイクが落ちてしまっていて写真に困る
おでかけ施設での写真・動画撮影に関する要望
続いて、施設内の写真・動画撮影に関する「施設に対しての要望」を、同じく自由回答の形で聞いてみました。
こちらも多数のご意見・要望が集まりましたが、特に多かったのが「スタッフからの声掛け」「フォトスポット・カメラ台の設置」「撮影可否の明示」の3点。お客さんの生の声として、施設側が対策を練るにあたり参考になるのではないでしょうか。
- ■スタッフからの声掛け
- 家族写真をスタッフさんが快く引き受けてもらえると助かります
- 家族写真を撮るのに係の人が自分達のスマホで撮ってくれるとありがたい
- 気軽に「撮影しますよ!」と声を掛けてもらえるととても頼みやすくて嬉しい
- 家族写真を撮ってくれるサービスがあったら嬉しい
- ■フォトスポット・カメラ台の設置
- 顔パネルとか、その施設の記念になる写真撮影場所があると嬉しい
- セルフタイマーで撮る時のカメラの台をもっと増やして欲しい
- スマホを固定する物があると家族写真が撮れる
- 写真のオススメスポットがあるなら自撮りの台などを置いてくれるとありがたい
- ■撮影可否の明示
- 撮影がOKなのかNGなのか大きく表示してほしい
- 撮影OKとかお断りなど看板があるといい
- 撮影禁止なのであればわかりやすく公示してほしい
- 動画禁止区域とか気付かず撮影していた際に優しく教えてほしい
おでかけ施設での写真・動画撮影に関するまとめ
というわけで、今回はおでかけ施設での写真・動画撮影に関するユーザー動向について調査してみましたがいかがでしたでしょうか。以下、今回のアンケート結果のまとめとなります。
- 99%のユーザーはおでかけ施設での写真・動画撮影習慣・経験がある
- 95.6%とほぼすべてのユーザーが「スマホ(携帯)」を使って写真を撮影している
- 78%と、ほぼ8割のユーザーは「写真」だけでなく「動画」も撮影している
- 撮影時の利用アイテムは「特になし」が85%。自撮り棒・三脚もほぼ利用していない
- おでかけ施設での写真・動画撮影時、87.1%と大半のユーザーの被写体は「子供」
- おでかけ施設での写真・動画撮影時、7割近くは「ママ」が撮影者。「パパ」は28%
- 半数のユーザーは、おでかけ施設で撮った写真・動画をSNSに投稿した経験「あり」
- 施設の提供する撮影サービスを利用(購入)した経験があるユーザーは全体の53%
- プロカメラマン出張撮影サービスの利用ニーズは、「無料」40%「1円~5,000円」32%
- 写真撮影時、特に困るのは「家族写真が撮れない」「他人の映り込み」「手ブレ」の3点
- 施設への要望は「スタッフからの声掛け」「フォトスポット・カメラ台の設置」など
改めて、おでかけ施設での写真・動画撮影に関するアンケート結果を見てみると、施設側が特に重視すべきポイントは、「スマホ」「動画」「ママ」「SNS」の4点と感じました。
おでかけ施設では、写真だけでなく動画を撮るのはもはや当たり前。撮影している多くはママのスマホ。さらにその半数は撮った写真や動画をSNSに投稿している。そんなママの悩みは「家族写真が撮れない・いつも私が写ってない」。一方、施設の提供する撮影サービスの利用率は半数以上と割と高く、ニーズも十分。
このあたりのママニーズに応える「撮影サービス施策」を的確に打つ事ができれば、客単価アップ、SNSからの周知・集客、顧客満足度の向上など、様々な指標に対して大きな成果を生み出せる可能性を感じました。
貴施設の今後の写真・動画撮影に関する戦略や施策実施に少しでも役立てて頂ければ幸いです。
調査方法/インターネットアンケート
調査地域/特に地域の限定はなし
調査対象/いこーよおよびいこーよアプリを利用した小学生以下の子供を持つユーザー364名
調査日程/2021年6月1日~6月10日