【2022年最新】おでかけ施設のSNS活用状況に関する施設アンケート
おでかけ施設にとって、ユーザーへの情報発信(拡散)やコミュニケーション、マーケティング、集客の為にとても重要な役割を果たしているSNS。いこーよ総研でも2021年2月に「おでかけ施設のSNS活用状況に関する施設アンケート」の結果を記事で紹介しました。日々の移り変わりが激しいSNS市場のその後を把握するため、全国のおでかけ施設を対象に同じ項目のアンケートを実施し、現在のSNSの活用状況について調査・分析しました。
おでかけ施設の現在のSNS運用状況について
前回同様、まずは今現在どのくらいのおでかけ施設が「公式SNS」を運用しているのかを見ていきます。
2021年2月時点では88%の施設が何らかのSNSを運用していましたが、2022年10月時点でも約88%と同割合となり、予想に反して増加している様子は見られませんでした。
施設が活用しているSNSの種類について
以下、SNSを活用している施設がどのSNSを活用しているのかを紹介します。
まずは、活用しているSNSの種類についてです。
2021年と比較すると、「Twitter」「Instagram」「Tik Tok」が増え、「LINE」「Facebook」「YouTube」が減っています。
2021年に調査した際は、「Facebook」がもっとも使われていましたが、現在は「Instagram」がもっとも使われています。また、昨年はどの施設も行っていなかった「Tik Tok」を活用する施設が9.3%と増えています。複数のSNSを活用する場合、時間も労力もかかるため、ターゲット層となる家族がどのツールを使っているのかに合わせ、どのSNSを活用するかを変化させていることが垣間見られます。
ひとつの参考値として、総務省が調査しているデータからユーザーのSNSの利用率を紹介したいと思います。今回は、全体の数値と小さなお子様をもつパパママ層の20代、30代、40代のデータを紹介します。
出典:令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省、令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省
こちらのデータによると、2021年より2022年のほうがすべてのツールで利用率があがっています。現在SNSを活用されていない施設は、どれかひとつから始めてみてもいいかもしれません。
全世代において利用率がもっとも高いのが「LINE」。LINEの様々ある使い方の中でも、いわゆる「友だち」とやりとりをする「トーク」のみを使用しているという方がほとんどではないでしょうか。この層のユーザーに対して施設がアプローチをしたい場合、まずはユーザーに「友だち」に追加してもらうことが必須条件となります。この「友だち追加」はユーザー自身でアクションを起こしてもらう必要があるため、少しハードルが高くなります。
もちろん、その他のツールにおいても「フォロー」をしてもらうことで、より強くユーザーにアプローチをすることができますが、各ツールに備わっている「レコメンド機能」によってフォローされていなくても、類似コンテンツに興味があるユーザーに対して、自動で表示してくれる場合があり、顧客になり得るユーザーにアプローチをすることができます。つまり、ユーザーからのアクションを待つ必要がないため、これらSNSの方がLINEよりハードルは若干低めとなります。
このように、ツールにはそれぞれで特色があるため、利用率のデータに囚われず、自施設のアピール方法としてもっとも適したツールを選択することも大切かもしれません。
おでかけ施設がもっとも成果を感じているSNS
数あるSNSのうち、施設がもっとも成果を感じているSNSはどのツールなのでしょうか。いこーよで実施した「おでかけ施設のSNS活用状況に関する施設アンケート」の結果を見てみましょう。こちらも昨年のデータと照らし合わせて見ていきます。

昨年同様、「Instagram」がもっとも高くなりました。「Instagram」は活用しているSNSとしても利用が増えており、多くの施設で成果を感じているツールとしてあげられているからこそ利用も増えていると推測されます。
次は、各SNSを利用している施設のうち、利用して満足と回答している割合がどのくらいかを表したグラフです。※( )内のn数は、1つ目が2021年、2つ目が2022年
昨年同様、「Instagram」の満足度は50%を超えています。活用している施設の半数以上が「もっとも成果を感じている」と回答していることになります。
昨年より大幅に伸びているのが「LINE」。国民の9割以上が利用しているツールということもあり、「友だち」を積み上げていくことで、年々効果が伸びてくることが推測されます。
おでかけ施設がSNS活用によって実感している成果
続いて、おでかけ施設が「SNS活用で実感している成果」についてです。昨年同様、フリー回答で尋ねたものを、テーマ別に分類して比較してみた結果がこちらです。
割合は変わっているものの、成果としてもっとも感じているのは昨年と同じく「集客」でした。情報発信をするにしても、コミュニケーションをとるにしても、多くの施設にとってのSNSを運営する目的はおそらく集客であり、「集客」を成果として実感できていることは、SNSを活用する価値をかなり感じていると言えるのではないでしょうか。
回答いただいた具体的な成果を一部抜粋して紹介します。
- 会員にLINE友達登録を必ず行ってもらい、伝えたいニュースなどを効果的に伝えられるようになった。Twitterなどの不特定多数への発信より反応も良い。
- 施策内容によるが販促の反響スピードが速くなった。
- 公式LINEを通じてリアルタイムでのお客様のお問い合わせやご予約に対応できる。
- ラジコンカーの動きが伝えられるYouTubeが最適でした。
- 企画展やイベントの情報が拡散される
- SNSを見た顧客様と話がはずむ
SNSを活用することで「反応が直にわかる」「ファンを獲得できた」と感じている施設も複数ありました。特に、コロナ禍で直接施設に訪れることが難しくなったときにも、絶えず最新情報を届けることができ、お客様と交流を図れたことで助けられた施設も多かったのではないでしょうか。
おでかけ施設が運営する公式SNSの会員数について
多くの施設が運用している公式SNS。その会員数はどの程度なのでしょうか。複数のツールを運用されている施設には、もっとも会員数が多いSNSで回答してもらいました。

2021年の取得時に比べて、2022年の方が公式SNSの会員数が増えています。
比較するデータが2年分ではありますが、SNSを続けることで、今後会員数が増える可能性を感じさせる結果となりました。
おでかけ施設が運用する公式SNSの運用体制・状況
続いて、施設の公式SNSの運用について、いくつかの項目に分けて尋ねてみました。
まずは「更新頻度」についてです。
昨年と比べても大きな変化はなく、「週に2、3回」の更新という施設が多いようです。
つぎに、「SNSへの発信内容」について見ていきましょう。
昨年と変わらず、もっとも多くの施設が発信しているのは「最新情報・お知らせ」でした。また、「混雑状況」と「設備やサービス」が大きく増えていることも注目されます。コロナ禍になってからは今まで以上に、施設にどれほどの人が集まっているのか、換気の頻度や消毒設備はどうなっているのかなどを気にする保護者が増えました。特に「混雑状況」はユーザーに尋ねた「おでかけ先(施設)を決めるポイント」でも上位にあがってきている項目で、重要なポイントとなっています。今回の調査で見られるように、公式SNSで混雑状況について発信する割合が昨年より大きく増加しているという結果はユーザーにとってはとてもうれしい状況と言えるでしょう。
最後に、公式SNSの運用に携わっている「スタッフの数」について紹介します。
昨年に比べて全体的にSNSに携わる人数が増えていることから、SNSの運用により力を入れる施設が増えていると考えられます。SNSといっても様々なツールが存在し、すべてを1人で対応するのはかなりの負担になることでしょう。複数人で対応することで、こまめな発信や顧客とのコミュニケーションなどにしっかりと対応しようという状況の表れではないかと思われます。
SNS運用をおこなっていない理由
いま時点で公式SNSを運用していない施設に対してその理由を尋ねた結果を紹介します。
多くの施設が懸念しているのが「手間がかかるから」でした。しかし、公式SNSを運営することで成果を実感できている施設が多くいることも確かです。まずは小さく運用することから初めて見るのも一つの手かもしれません
いこーよ総研では過去に事例紹介記事として、SNSによる施策で成功された施設の事例を紹介しています。ぜひこちらもご参考ください。
・特典内容を工夫してLINEキャンペーン利用率が大幅に向上した施策事例
・Instagramのインサイト機能活用でフォロワー数・来場者数が増加した施策事例
・Instagramの投稿数増加とキャンペーン実施でフォロワーが倍増した施策事例
おでかけ施設のSNS状況に関するまとめ
- 昨年同様、約9割の施設が公式SNSを運用
- 昨年より「Twitter」「Instagram」「Tik Tok」が増え、「LINE」「Facebook」「YouTube」が減った
- もっとも使われているツールは「Facebook」ではなく「Instagram」に
- もっとも満足度の高いツールも「Instagram」
- 4割以上の施設が公式SNS運用の成果として「集客できた」と実感
- 更新頻度は「週に2,3回」が多く、「最新情報・お知らせ」を発信
- 昨年より「混雑状況」や「設備・サービス」を発信する施設が増加
- 公式SNSを担当するスタッフの数が「1人」から「複数人」に
- 運用していない施設は「手間」を懸念
今回は、公式SNSの運用状況について再び調査し、分析してみました。全体としておでかけ施設が「SNS運用」に対して積極的になってきていることが感じられる結果でした。
調査方法/インターネットアンケート
調査地域/特に地域の限定はなし
調査対象/全国123のおでかけ施設
調査日程/2022年9月20日~9月30日