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▶状況:それぞれの業務に対して対応できるスタッフが限定されていた
おでかけ施設が抱える様々な課題に対して、施設さんが実際におこなった具体的な施策と成果について紹介させて頂く事例紹介。今回の事例は、「ボウリング リネア24」さんの「業務の属人化脱却とフローの見直しによって、経費と人件費削減に成功」した事例となります。今後の貴施設の施策検討の参考にされてみてはいかがでしょうか。
ボウリング リネア24は株式会社プロバックスが運営する、広島市安佐南区唯一の複合型施設のボウリング場です。大人1名につき小・中学生のゲーム代無料や定期的なイベント開催など、ファミリーに人気のサービスを展開しています。ボウリングのほか、ゲームコーナーもあり、“誰でもお得に楽しく遊べる施設”を心がけています。
Q:まず、今回の施策を実施されるまでの状況について教えてもらえますか?
ボウリング場には、データ集計を行う管理業務のほか、ボールに穴を開けるドリル業務、機械の故障に対応するメカニック業務、ボウリングが初めての方にレクチャーするインストラクターなど、様々な特殊業務があります。そのような特殊業務も含め、それぞれの業務に対して対応するスタッフが限定されている状態でした。
Q:その状況の中で、何を一番の課題として捉えたのでしょうか?
「この業務はこのスタッフだけが対応」という属人的な形にしてしまうと、その日にそのスタッフが出勤していないと処理ができないといった状況が発生してしまいます。そうなると特定のスタッフが休めなくなってしまったり残業が多くなってしまったりと、個人に負担がかかってしまいます。
また、当日にそのスタッフがいないと即対応できない事によって、お客さまにご迷惑をかけてしまう事もあるのを課題に感じていました。
Q:今回、実施された施策内容について詳細を教えてください。
転機は会社が取り組んでいる人財循環による人事異動と新型コロナウイルス感染拡大によって四囲の環境が変わった事でした。
「誰がいつ何を、どのようにやっているのか分からない」という、業務の属人化体制を脱却するため、一つの業務に対して3名がその業務に対応できるように個々のスタッフが新たな業務習得に向けてチャレンジできる役割分担に設定し、人財育成を行いました。具体的取り組みとして、それぞれのスタッフが携わっている業務を、他のスタッフにレクチャーする「店舗内実習」を実施しました。
Q:この施策を実施するにあたり、工夫したことはありますか?
業務が属人化していた事により、非効率な進め方になってしまっているものもありました。それをそのままのやり方で他のスタッフにレクチャーするのではなく、改めてフローを見直して業務の進め方を変更しました。
一例を挙げると、ペーパーレス化の促進です。それまで、データ管理業務は担当者が紙で管理していましたが、PCで管理する事によって業務の効率化を図りました。
Q:この施策を実施したことによる、具体的な成果について教えてください。
人件費と経費の削減が実現しました。また、特殊業務を複数のスタッフが対応できるようになった事によってお客さまの満足度の向上、お客さま視点での環境改善に繋がったと思います。
この施策を実施する前は、在籍アルバイトスタッフが18名で運営していました。現在は計12名になりましたが、個々のスキルがUPした事で今は滞りなく業務を進める事ができています。今回の業務効率化を進めた事で、スタッフ数が減っても売上向上策の考動や清掃も以前よりしっかり行えています。また、業務フローの見直しによるペーパーレス化の促進などにより、経費の削減もできました。
お客さま満足度については、それまでは当日に該当のスタッフがいないと「明日までに対応します」という形で即対応ができない状態でした。例えばボウリングのピンの立ち位置が少しずれたりした際、メカニック業務ができる人が当日いないと、お客さまにレーンを移動してもらったり、空きレーンがない場合はお待ちいただいたりと、満足に楽しんでいただけなかった事もありました。それが、複数のスタッフが特殊業務を担えるようになった事で、即対応ができるようになり、お客さまをお待たせする事なく、楽しんで頂けるようになりました。
Q:今後考えられている展開や打ち手は何かありますか?
業務効率化についてはまだまだ満足しておらず、もっと効率的にできるのではないか?と思っています。色んな方から意見を聞いたりして改善している最中です。
複数業務を担えるスタッフの増員はお客さま満足度の向上に繋がるので、今後も継続して進めていきたいと思っています。自社グループ内でボウリング場は当施設1店舗だけなのですが、今後も売上総利益を上げていき、成長と拡大を進めて行く為にも人財育成を進めていきたいと思っています。