子どもは不安や悩みを言葉でうまく伝えられないことも多く、ちょっとした行動や表情の変化にサインがあらわれることがあります。そこで今回は、不安を抱える子どもへの保護者の関わり方や、サポートするうえでの悩みなどについて、ユーザーアンケートをもとに調査・分析しました。
子どもの「不安やストレスのサイン」は、感情や生活リズムの変化にあらわれやすい
まず、子どもが不安やストレスを感じているサインとして、どのような変化を感じることがあるかを尋ねました。
保護者が気づくサインとして最も多かったのは「感情の起伏が激しくなった」(39%)でした。次いで「急に小さなことで怒ったり、泣いたりすることが増えた」(30%)が続き、子どもの感情面の変化を気にかけている保護者が多くいます。
3位は「睡眠の変化」(27%)でした。眠れない、眠りが浅いといった生活リズムの乱れも多く見られます。そのほか、「学校・園に行きたがらない」「体調の変化」「食欲の変化」など、行動や身体の変化を通じて不安を感じ取っているケースも少なくありません。
このように、子どもの不安は一つの形に限らず、感情・行動・生活面など、さまざまな形であらわれていることがわかります。
出典:いこーよ2025年3月ユーザーアンケートより
不安やストレスのあらわれ方は年齢によっても違いがある
子どもの不安やストレスのサインは年齢によってあらわれ方にも違いがあります。
■「感情の起伏が激しくなった」「急に怒ったり泣いたりすることが増えた」
すべての年齢層で上位にあがっていますが、とくに3~5歳、13歳以上で高い割合に。3~5歳は、まだ言葉で感情をうまく伝えきれない年齢であり、感情の爆発として不安が出やすいことが考えられます。13歳以上は思春期の時期で、心の不安定さが、激しさとなって表れることもあるのではないでしょうか。一方で、この時期は感情を外に出すことを避ける様子も見られるため、気持ちの揺れがより大きく感じられるのかもしれません。
■「睡眠の変化」
0~2歳で最も高い割合となっており、生活リズムの乱れが不安のサインとして出やすいことがわかります。言葉での訴えが難しい時期だからこそ、眠りの変化が一つの指標になるようです。
■「学校・園に行きたがらない」「体調の変化」「食欲の変化」
6歳以上になるとこれらの項目が目立ち始めます。とくに13歳以上では「体調の変化」が他の年齢に比べて高く、心身の不調としてあらわれる傾向が強まっています。
■「元気がなくなった」「口数が減った」「学校や友だちの話をしなくなった」
年齢が上がるほど多くなり、とくに9歳以上でやや高めです。言葉や表情を表すのではなく“自分の殻に閉じこもる”というかたちで不安が出る可能性もあり、さりげない変化への気づきが大切といえそうです。
出典:いこーよ2025年3月ユーザーアンケートより
保護者の寄り添い方は年齢が上がるにつれ「距離感の配慮」も
では、不安を感じている子どもに、保護者はどんなふうに寄り添っているのでしょうか。自由回答で寄せられた声を、年齢別にご紹介します。
0~2歳の保護者の声
- まだ小さいので、抱きしめたり抱っこしたりするようにしてます
- 気が紛れるようにおもちゃを渡したりする
- 抱っこ
- なるべく要求に応じてあげる
- 本人が落ち着くまで抱きしめたりします
- 安心させる言葉として「大丈夫」「安心」などを多用する
- どうしたの?と言ってハグする
- スキンシップを多くして、時間がある時は側にいるようにしている
- 少し甘やかす
3~5歳の保護者の声
- 「何か困ってることとかある?」「最近楽しいことあった?」などそっと聞いてみる
- 保育園にいけばお友達とおもちゃで遊べるよ、早めにお迎え行くねなど前向きな声かけ
- 「今日はどんな1日だった?」「困ったことがあったら言ってね!」と声をかける
- 抱きしめたりそばに寄り添って、「大丈夫だよ」「ママがいるよ」と声をかける
- 話せないときは「こういう気持ちかな?」と気持ちを代弁する
- 絵本を読んだりで外遊びをする
- 「どんな気持ちでも大丈夫だよ」と伝える
- お風呂に一緒に入って気持ちを和らげる
- まずは話に同意して、後で一緒に考えるようにしている
6~8歳の保護者の声
- 話を聞いてハグ
- 自分が忙しくても子どもが話してくれそうなタイミングがあれば向き合う
- 「何かあれば話してね!」「いつでも聞くよ」と伝えている
- 本人の感情は否定せず、できるだけポジティブな言葉をつかうようにしています
- 少しずつ学校で何があったか聞いてみる
- 急に泣き出したりすることがあるので、その時は一通り泣いてから「どうしたの?」と聞いて、紙に書いて分かりやすく本人が納得できるようにしている
- 不安に感じてることを無理に聞かず、そばにいて「どんなあなたでも大事」と伝える
- お休みの日は楽しいことをして遊ぶ
- ストレートに「どうした?」と聞く
9~12歳の保護者の声
- 子どもから話すまで普通に接し、寝る前に言いたい事があるなら聞く
- 休みの日にリフレッシュできるようなイベントに連れ出したりする
- 一緒にいる時間を増やし、子どもの行きたい場所や食べたいものを用意して楽しむ
- 「何か困っていることはないか?」と声をかける
- あえて学校の話題をしない
- 様子を見守る
- とにかくゆっくりする時間を設ける 落ち着いたら好きなことを好きなだけさせる
- 親の焦りや不安は見せず、ありのままを受け入れるよう心がける
- 共感して寄り添いながら、一緒にどうすればいいかを考えるようにしている
13歳以上の保護者の声
- 話を聞いてあげる
- 親にはあまり話したくない年頃なので、美味しいご飯と「家族は味方だよ」と伝える
- はっきりと「今思っていること」を真正面から聞く
- カフェなど、普段と違う場所で会話して「何かあったら話してね」と伝える
- 思春期なので、しつこく話しかけないようにしている
- 「なんかあったら、お話してね」と一言伝える
- 気に触りそうなことにはあえて触れず、子どもから話しかけてきた時に聞くようにしている
- 外出して気分転換をするようにしている
- 普段から雑談をしておくことで、話したくなった時に自然に話せるようにしている
保護者に話してくれるという子どもは7割以上
子どもが不安や悩みを抱えたとき、保護者にその気持ちを話してくれるのでしょうか。「よく話してくれる」が29%、「時々話してくれる」が46%と、約75%の子どもが話してくれるという結果でした。
一方で、「あまり話してくれない」(14%)、「ほとんど話してくれない」(11%)と、気持ちをうまく伝えられない、伝えない子どもも一定数いることがわかります。
出典:いこーよ2025年3月ユーザーアンケートより
年齢別に見ると、0~2歳では「ほとんど話してくれない」が5割を超え、気持ちを言葉で伝えるのが難しい時期であることがわかります。
3~5歳では「よく話してくれる」「時々話してくれる」が8割を超え、保護者との会話の中で不安や悩みを表現できている様子が伺えます。
小学生以降も「話してくれる」割合は高く、6~8歳で83%、9~12歳で78%、13歳以上でも78%と、思春期に入っても一定の信頼関係が築かれている家庭が多い様子です。
ただし、年齢が上がるにつれて「話してくれない」と答える割合も徐々に増加しており、やはり思春期の子どもの一定数は保護者に「話すのをためらう」「話したくない」といった気持ちを抱えているようです。
出典:いこーよ2025年3月ユーザーアンケートより
子どものサポートで保護者が抱える悩みは「つい感情的になってしまう」が最多
子どもの悩みや不安をサポートするうえで、困っていることや悩んでいることはあるか尋ねたところ、「ある」と答えた保護者は61%にのぼりました。
出典:いこーよ2025年3月ユーザーアンケートより
悩みの内容について見てみましょう。
最も多かったのは「子どもを叱ったり、感情的になったりしてしまう」(44%)でした。子どもを思うあまり、つい強く反応してしまうなど、うまく対応できずに悩む保護者が多いことがわかります。
次いで、「子どもがどのように感じているのかわからない」(39%)、「どんな言葉をかければいいかわからない」(33%)など、気持ちの受け止め方に悩む声も多く見られました。
また、「友だちのことにどのくらい介入していいかわからない」「過干渉になっていないか不安」など、関わり方の距離感に悩む声も目立ちます。
出典:いこーよ2025年3月ユーザーアンケートより
保護者の悩みには「子どもとのコミュニケーションの難しさ」「友だちとの関係」など多様な声
子どもの悩みや不安をサポートするうえで、困っていることや悩んでいることはどんなことか、具体的に自由回答で伺いました。一部抜粋してご紹介します。
子どもを思うからこそ、感情的になってしまうという悩みが多く見られました。
感情的な対応になってしまう
- サポートしようと前のめりになることで、かえって子どもにプレッシャーを与えていないかが心配
- 癇癪を起こされるとたまに怒鳴ってしまうことがあるので反省します 癇癪を起こした時の対応や自分自身の精神的安定を図るための対応を教えてほしいです
- イライラしてしまった
- 注意ばかりになってしまう
- 納得してうなずいたとき、我慢をさせてしまったのではないか、もっといい声かけがあったのではないかと考え続けてしまう
- 子どもの気持ちに充分寄り添えきれてない気がする
子どもとの意思疎通や、本音の把握が難しいと感じる保護者の声も多く見られました。
子どもとのコミュニケーションの難しさ
- 何に不満を感じたり不安になっているのかまだ言えないのか言いたくないのか伝えてこないのでわからず、声のかけ方も分からないし気持ちがわからない
- 素直に話してくれない
- 自分の言葉が私達に伝わらないと(言葉自体あまり多くない)泣いてしまったり、話すのを諦めてしまう時がある
- 話を片手間で聞いていたり、返事をしなかったり、適当に聞き流していたりする
- 言葉で上手く本当の気持ちを伝えられない子なので、本当はどう思っているのかをわかってあげられるまでに時間を有する場合があること
- 言いにくさがあるのではないかと感じている
- 子どもの話なので、お互いの話が食い違っていてどのくらいが本当の話かわからず、うやむやになることがある
- 子どもが悩んでいる内容を些細に感じてしまい、大事になる前に気づけないことがある
友達とのトラブルや関係性について、どこまで親が関わればいいか迷う声が多く寄せられました。
友人関係・トラブル対応
- 友だちに「今日は遊びたくない」と言われたなど友だちとのやりとりは対応に悩みます
- 友だち作りが下手くそなので1人でいることが多い かといって友だちの輪に入ったとしても浮いている感じがする
- お友だちがあらっぽいことをして我が子が痛い思いをした時の対応、我が子や相手の子への対応にとくに悩んでいます
- 子どもの悩みが、友だちを絡めたようなもの(友だちとケンカした、仲良くできない等)の場合、子どもの話だけでは状況がわからないため、慎重に対応するようにしている
- 子ども自身が「やめてほしい」「こうしたい!」など、お友だちに言わないといけないことをどうしたら自分で自信を持って言えるようになるのかと、気をもんでしまう
- 子ども同士の交流に干渉しないようにしているが、実際はどこまで加入していいのかわからない
学校とのやりとりや、登校しぶりの理由が見えにくいことへの戸惑いの声も見られます。
学校の悩みや連携
- 学校に行きたがらず、理由を聞いても毎回違うことばかり言うので本当の理由が何かはわかりません 学校を休んでもテレビやゲームを見るだけなので休ませたくもありません
- 学校などに連絡をする際、こんなことで連絡していいのかと不安になる
- 学校嫌いでもなく、先生が苦手なわけでもなく、友達とトラブルがあったわけでもなく、授業も理解出来ないわけではないのに登校しぶりの理由が分からない
- クラスでの人間関係の不安から行きしぶりがあるが、学校側に相談するべきか迷う
- 担任の先生に相談しづらい雰囲気があると感じることがある
- 学校側や先生の方針と家庭の方針がずれていて、どうすり合わせるべきか悩む
言葉での説明が難しい年齢だからこそ、園での様子や小さな変化に不安を感じる保護者も多く見られました。
未就学児、保育園や幼稚園での不安
- 登園で幼稚園バスに乗る時に緊張からなのかトイレに頻繁に行きたがり、バスに乗せるべきか迷う時があります
- お迎えの時間に同じクラスの子が少なくなってしまい寂しい様子 先生はたくさんフォローしてくれていますが、年少で泣いて待ってるので今後も不安
- 4歳になりお友だちと遊ぶようになったからこそ、おもちゃの取り合いや悲しかったことなど起こるようになり、しくしくと泣いて話すことがあった
- 先生が子どもにかけた言葉に違和感があったが、園に意見を伝えるのは気が引けた
- 園での出来事をうまく言葉で説明できず、何があったのか保護者側で把握しきれない
- クラス替えや担任変更による不安が強く出てしまっている
- 園での集団行動が苦手で、なじませようとするかそのまま見守るか悩む
- 我が子はまだ4才なので「今日は園の友だちとなにしたの?」など、きっかけとなる話題を出せば「そうそう!〇〇がね?」と話し出す 自分から出来事を話さないので私と先生との会話が鍵です
発達や特性に関する理解と対応についての悩みも寄せられました。
子ども自身の特性・発達に関する悩み
- 多動症気味でデイサービスにも通っています とても優しい子なのですが他のことの距離感がとても近いので驚かせる事があります 出かけ先で気をつけなければいけないのでストレスになることがあります
- なかなか読み書きができなく、理解がおそい
- 上の子は、俗にいう繊細さんのようで、集団行動をすると、色々な事に気がつき過ぎて疲れてしまう傾向にあるよう。そのせいか、現在5年生ですが、幼稚園の時から登園、登校に行き渋り有り
- 衝動的な行動が多く、注意してもすぐ忘れてしまうので改善の糸口がつかめない
- 子どもの感情コントロールが未熟で、急な癇癪や泣き出しにどう対応するのがよいかわからない
- 知的には問題ないが、場の空気が読めず他の子とズレてしまうのが心配
- 感覚過敏があり、特定の音や匂いに過剰に反応してしまう場面があるため、集団生活で苦労している
時間的・精神的な余裕のなさなどからくる悩みも少なくありません。
保護者の時間や余裕のなさ・家庭環境
- 仕事が忙しい時期は余裕なく怒ってしまうこともあるので、そこが悩みです
- 仕事でほとんど一緒にいられないので時間がなくて困っている
- 家事や仕事に追われて、子どもの話をじっくり聞く余裕がない
- 兄弟姉妹がいるため、それぞれに十分な対応ができないことが多い
- 子どもにとって最善の対応をしたいが、自分の疲れやイライラが影響してしまうことがある
- 金銭的な余裕がなく、必要な支援や習い事を我慢させているのではと不安になる
誰に相談すればよいのか、どこに頼ればよいのか分からないという声もありました。
支援の情報不足・相談先がわからない
- 悩みを相談できる専門的な場所を知らない
- 相談相手を誰にするのか適切なのか悩みます
- どのくらいの期間、様子を見たほうがよいのか悩む(先生への相談のタイミング)
- 担任の先生に言ってよい内容なのか、もっと専門的な相談機関に行くべきなのか判断がつかない
- 行政の子育て支援窓口などの存在は知っているが、利用方法がわからない
- ママ友が欲しい
まとめ
今回の調査からは、子どもの不安やストレスは「感情の起伏の変化」や「生活リズムの乱れ」として表れやすく、年齢によってそのあらわれ方も異なることがわかりました。
不安を感じた子どもに対して、保護者は「話を聞く」「そばにいる」「抱きしめる」など、それぞれの子に合わせた関わり方を日々工夫していることも印象的でした。とくに年齢が上がるほど、「無理に聞き出さず、話したくなったら話せるようにする」といった「距離感への配慮」が見られました。
一方で、子どもを支えたいと思うからこそ、「つい感情的になってしまう」「子どもの気持ちがわからない」「どんな言葉をかければいいかわからない」といった悩みを抱える保護者も多く見られました。とくに「子どもとのコミュニケーションの難しさ」や「友人関係への対応」「園・学校との連携」など、戸惑いの声も多く寄せられています。
子どもの不安は見えにくく、対応に迷うこともあります。しかし、寄り添おうとする気持ち自体が、子どもの安心につながる一歩になるのかもしれません。
■いこーよユーザーアンケート調査概要
調査方法/インターネットアンケート
調査地域/全国
調査対象/いこーよ及びいこーよアプリを利用したユーザー
調査期間/2025年3月3日~3月24日
サンプル数/348サンプル
調査分析/いこーよ総研