コロナ禍における閲覧ページ(地域別)と在住地域の相関性について
以前、「都道府県別の閲覧エリアと在住エリアの相関性」調査結果について紹介させて頂きました。どこの県のユーザーがどこの地域の情報をどのくらい閲覧しているのかなど、都道府県別の傾向を分析した記事がこちらになります。今回はその視点にさらに「コロナ禍」を加えて深掘ってみました。通常時とコロナ禍では、一体どのような差異が表れるのでしょうか。
ちなみに今回紹介する表(グラフ)ですが、いこーよのアクセスデータを都道府県ページ毎に分け、それぞれのアクセス数をアクセス元の地域(IPから算出)で分解したものになります。今回はこの表(グラフ)を通常期(2019年)とコロナ期(2020年)で比較してみたいと思います。
通常期における閲覧ページと在住エリアの傾向
通常期(2019年)における閲覧ページと在住エリアの傾向に関する詳細は、こちらの記事をお読み頂ければと思いますが、簡単にまとめると以下の通り。
横列:閲覧されているページ(都道府県別)
縦列:閲覧しているユーザーの所在県
赤背景:閲覧率20%以上
黄背景:閲覧率10%~20%
緑背景:閲覧率5%~10%

・基本的に各都道府県それぞれ自県からの閲覧率がもっとも高い
・東京・神奈川・愛知・大阪・福岡等、都市部のユーザーほど他県の情報を見る率が高い
・人口比率を取り払っても、都市部のユーザーほどおでかけ意欲や頻度が高い傾向あり
コロナ期における閲覧ページと在住エリアの傾向
通常期の傾向については前述の通りですが、これがコロナ禍になると一部変化が表れます。以下は2020年を対象とした表(グラフ)ですが、違いが分かるでしょうか。

おおまかな傾向としてはそんなに変わっておらず、やはり都市部の他県閲覧率は地方に比べて高いです。注目すべきは「東京」「神奈川」エリアの横に長く伸びたライン。変化は限定的ですが、確実に差が表れています。
2019年の通常時は、各県における「東京」の占有率は「赤背景(20%以上)」と「黄背景(10%以上)」で埋まっています。これが2020年のコロナ期になると、赤背景は限定的となり、黄・緑背景が増加します。これはつまり、コロナ期に入り明らかに東京在住ユーザーの他県閲覧率が減少した事を示しています。東京の閲覧率が下がった事で相対的に神奈川の閲覧率(占有率)が上がり、2019年では色のついていなかった神奈川のラインが軒並み色付きに変化したと考えられます。
通常期とコロナ期の閲覧率の差について
上記の表ですと少し分かりにくいので、2019年と2020年を比較して、「閲覧率が下がった部分」に色を付けてみました。緑背景が「少し減少」、黄背景が「そこそこ減少」、赤背景が「大きく減少」と捉えて頂ければと思います。

減少しているエリアはたくさんありますが、特に東京、大阪、福岡のラインに黄背景「そこそこ減少」や赤背景「大きく減少」が固まっているのが分かると思います。これは他県に比べてこの3都市の在住ユーザーの閲覧率が、コロナ期に大きく下がっている事を示しています。
この3都市は日本を代表する大都市。陽性者数などから特に非難されやすい都市部(の在住ユーザー)ですが、このデータを見てみると、実は都市部のユーザーほど自粛している(通常期からの減少率が高い)という状況が伺えます。もちろん、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象になるケースが多かった事も影響しているのでしょうが、そういった環境や感染者数の多さが逆に、都市部のユーザーの意識や危機感を他県よりも高めていたのかもしれません。
閲覧ページ(地域別)と在住地域の相関性に関するまとめ
という事で、今回はいこーよの都道府県別アクセスデータから、地域別閲覧ページと居住地域の相関性を、通常期とコロナ期を比較して調査・分析してみました。コロナについてはこれから必ず収束していくでしょうから、今回の調査結果は今後に活かせるデータではないかもしれませんが、おでかけ市場が経験した稀有な事例のひとつである事は間違いありません。
既にいこーよをご活用頂いているおでかけ施設もそうでない施設も、今回紹介させて頂いた調査データが、各施設の集客戦略に少しでも参考になると幸いです。