いこーよにおける閲覧ページ(地域別)と在住地域の相関性について

おでかけ施設への集客を考える際、ターゲット属性の選定はとても重要なポイントになると思います。一言で属性と言っても、「年齢」「性別」「人数」など、様々な要素が考えられますが、ユーザーの「在住地域」もそのひとつではないでしょうか。自施設への来訪を検討可能なユーザーがどのエリアにどれだけいるのか。知りたくない施設さんはいないと思います。そこで今回は、いこーよのアクセス数値から、おでかけ先(閲覧ページ)と在住地域(IP情報)の相関性や傾向について調べてみました。

目次

いこーよのアクセス数と在住地域の相関性

自県の閲覧率(都道府県別)について

他県の閲覧率(都道府県別)について

自県からの閲覧率・他県からの閲覧率比較

都道府県別のおでかけ意欲の差異について

都道府県別アクセス数と在住地域別の閲覧率(人口比率排除)

近隣県からの閲覧状況について(人口比率排除)

閲覧ページ(地域別)と在住地域の相関性に関するまとめ

いこーよのアクセス数と在住地域の相関性

まず、いこーよのアクセスデータを都道府県ページ毎に分け、それぞれのアクセス数をアクセス元の地域(IPから算出)で分解してみます。すると、どの地域の情報ページをどの地域の(在住)ユーザーがどれだけ閲覧しているのかが分かります。

以下は、コロナ前(2019年)のいこーよの都道府県別アクセス数(セッション数)と在住地域別の閲覧率を表したグラフ(表)になります。

横列:閲覧されているページ(都道府県別)
縦列:閲覧しているユーザーの所在県

赤背景:閲覧率20%以上
黄背景:閲覧率10%~20%
緑背景:閲覧率5%~10%

2019年のいこーよの都道府県別アクセス数(セッション数)と在住地域別の閲覧率
2019年のいこーよの都道府県別アクセス数(セッション数)と在住地域別の閲覧率

グラフが細かく内容が分かりにくいと思いますので、一部分を拡大してみます。

2019年のいこーよの都道府県別アクセス数(セッション数)と在住地域別の閲覧率の一部拡大

横列が「閲覧されているページ(都道府県別)」で、縦列が「閲覧しているユーザーの所在県」になります。つまり、北海道のページを見ているユーザーの46.54%が北海道在住、青森のページを見ているユーザーのうち、11.68%が北海道在住のユーザーという事を示しています。

ちなみに、赤く背景が塗られたセルが閲覧率20%以上、黄色が10%から20%、緑が5%から10%なので、それぞれ色の付いたセルが特に閲覧率の高いエリアという事になります。

以上を踏まえて、改めてグラフ(表)を見てみましょう。

自県の閲覧率(都道府県別)について

自県の閲覧率(都道府県別)について

まずは、左上から右下に向かって斜めに引かれた赤背景のセルについて。

この部分は、各県ともに自県からの閲覧率が高い事を示しています。やはり、自身の在住県のおでかけ施設の情報を調べて出かける事が多くなりますので、当然どの県においても自県からの閲覧率がもっとも高く、赤背景(20%以上の閲覧率)のセルが斜めに引かれる形のグラフ(表)が出来上がります。

他県の閲覧率(都道府県別)について

他県の閲覧率(都道府県別)について

上のグラフで赤線を引いてある部分は、「東京・神奈川・愛知・大阪・福岡」の5地域。見て分かる通り、色のついたセルが横に長く伸びています。これは、上記5県の在住ユーザーが他県の情報を多く見ているという結果を表しています。傾向として、都市部のユーザーほど他県の情報を見る率が高い(他県の情報を見るユーザー数が多い)という事が分かります。

上記の結果から、地方県のおでかけ施設が、都市部のユーザーに対して情報訴求(プロモーション)する意味や効果の高さがご理解頂けるのではないでしょうか。東日本は「東京・神奈川・愛知」、西日本は「大阪」、九州エリアは「福岡」が主ターゲットと言えるでしょう。

自県からの閲覧率・他県からの閲覧率比較

ちなみに、自県からの閲覧率、他県からの閲覧率を都道府県別でまとめると以下の通り。

自県からの閲覧率、他県からの閲覧率の都道府県別まとめ
>自県からの閲覧率・他県からの閲覧率比較2

特に、自県からの閲覧率が低く(20%未満)他県からの閲覧率が高いのは、山梨、鳥取、佐賀。山梨に関しては、自県15.3%に対して東京からの閲覧率が35.2%、神奈川が15.0%。他県に比べ、関東からの閲覧率が飛びぬけて高く、相対的に自県閲覧率が下がっている状況と言えます。様々な要因が考えられますが、やはり関東勢にも人気の高い「富士急ハイランド」の存在が大きいのかもしれません。

逆に、自県比率が高く(40%以上)他県比率が低いのは、北海道、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡と、都市部が中心となっています。

ちなみに、上記データは県別の人口比を考慮していないので、当然人口の多い都市部からの閲覧数は人口の少ない地方県に比べて大きくなり、結果的に閲覧率(占有率)も高くなります。

都道府県別のおでかけ意欲の差異について

続いて、人口数と在住地域別閲覧数(IPから算出)から、県別のおでかけ意欲を数値化して比較してみます。こちらは人口比に関係なく、おでかけ意欲という軸でフラットに比較した都道府県別のグラフとなります。もっともおでかけにアクティブな都道府県はどこなのでしょうか?

都道府県別のおでかけ意欲の差異について

東京、神奈川、愛知、大阪、福岡などの都市部が分かりやすく突き抜けています。人口数の差を取り払っても、やはり都市部のユーザーほどおでかけにアクティブ(人口数に対してのアクセス数(比率)が高い)であるという結果になりました。

都市部におでかけ施設が集中している事から、頻繁におでかけしやすい環境が整っており、結果的におでかけ頻度や意欲が高まっているのかもしれません。

都道府県別アクセス数と在住地域別の閲覧率(人口比率排除)

都道府県の人口比率から県毎の1アクセスの価値を平準化し、改めて先ほどのグラフを再集計したグラフが以下となります。

都道府県の人口比率から県毎の1アクセスの価値を平準化したグラフ
都道府県の人口比率から県毎の1アクセスの価値を平準化した場合

人口数の差異による影響がなくなった事で、グラフに多少変化はありますが、おおまかな傾向は変わってなさそうです。

都道府県の人口比率から県毎の1アクセスの価値を平準化したグラフ2

人口数による影響を取り払っても、やはり他県の情報を閲覧する率が高いのは都市部で、東京・大阪・福岡あたりは顕著にその傾向が表れています。

近隣県からの閲覧状況について(人口比率排除)

続いて、近隣県からの閲覧状況について見てみましょう。

近隣県からの閲覧状況について(人口比率排除)のグラフ

近隣県からの閲覧率が特に高いエリアは東北で、色付きのセルが固まっています。「青森・岩手・宮城・秋田・山形」の5県は、互いの県の行き来が比較的多いエリアと言えるのではないでしょうか。同様に「富山・石川・福井」、「滋賀・京都・大阪」、「島根・鳥取」、「福岡・佐賀・長崎」あたりも互いの情報閲覧率が高く出ています。該当エリアの施設は、自県だけでなく近隣県からの集客にも力を入れると良いかもしれません。

閲覧ページ(地域別)と在住地域の相関性に関するまとめ

今回はいこーよの都道府県別アクセスデータから、地域別閲覧ページと居住地域の相関性について調査・分析してみました。既にいこーよをご活用頂いているおでかけ施設もそうでない施設も、今回紹介させて頂いた調査データが、各施設の集客戦略に少しでも参考になると幸いです。