いこーよチラシの配信内容によるCTRの傾向について
「いこーよ」は、おでかけ先を探すファミリーが集まるおでかけ情報メディアです。登録されているおでかけスポットは86,000件以上(2021年6月現在)、年間7,000万 UB(2019年度実績)を超えるユーザーがいこーよに訪れます。今回は、そんないこーよを閲覧しているユーザーを自施設の紹介ページへと誘導し、効率的に実集客へと繋げる事ができる「いこーよチラシ広告」にフォーカスを当て、「CTR(クリック率)」について調査・分析をおこないました。
いこーよチラシ概要
前述の通り、いこーよチラシとは、「いこーよ」内でおでかけ先を探しているユーザーを集客へとつなげる「クリック課金型」の広告です。エリアや施設ジャンルなど、配信範囲も出稿(施設)側で自由に指定できますので、無駄のない効率的なファミリー集客を実現する事ができます。

いこーよチラシの成果指標
いこーよチラシの最終的な成果指標は、クーポン着件数(率)、公式HPへの誘導数(率)、予約成立数(率)、「行きたい」獲得数など、出稿施設によって様々です。一方、どのような成果指標を見据えていたとしても、多くの施設様がまず最初に重視するのは「指定した期間でいかに予算分のクリック(誘導)を獲得出来たか」という点になります。
いこーよチラシの場合、配信内容(広告枠に掲出される画像や文言)がユーザーにフィットせずCTR(クリック率)が低いと、想定していたよりもクリック数が伸びず、期待していた来場者数アップにつながらなかった、なんて事になりかねません。つまり、いこーよチラシにおいてCTRの良し悪しは、最終的な成果指標を左右する非常に重要な要素であり、決して軽視する事のできない指標と言えます。
ここからは、いこーよチラシにおいて、どのような画像、どのような文言がCTRにポジティブな影響を与えるのか、過去の実績データをもとに分析した結果を紹介します。
CTR(クリック率)に影響する要素
では、いこーよチラシのCTRを上げるためにはどのような工夫が必要なのでしょうか?過去の実績データをもとに整理してみると、CTRに特に大きな影響を与えている要素は、「画像」「タイトル」「クーポン有無」の3点であると言えます。いずれもユーザーの目につきやすく、興味を惹く重要なポイントになります。

それでは、チラシ配信内容(広告枠に掲出される画像や文言)について、要素毎にもう少し詳しく見ていきましょう。
画像(写真)によるCTRへの影響
まずは「画像」部分から。過去の実績データから「画像タイプ」をいくつかに分類し、どのような画像がクリックされやすく、どのような画像がクリックされにくいのかを調べてみました。
■画像の分類パターン

・躍動感 :全身を使って遊んでいるような画像
・作業風景 :工作のような、手元もしくは上半身のみを使って遊んでるような画像
・記念写真風 :「ハイ、チーズ」と声をかけ、ボーズや表情を固めた画像
・動物 :水族館や動物園が中心の、動物単体や動物とのふれあい画像
・コンテンツ単体:人物の入っていない、遊具などの施設コンテンツのみの画像
・幻想的 :デジタルアートや水族館、イルミネーションなどの幻想的な画像
・加工画像 :複数の画像を組み合わせたり、文字を入れたりした画像
・キャラクター :人気キャラクターをはじめとした、キャラクター中心の画像
・飲食物 :食べ物、飲み物の画像
・外観 :屋内・屋外問わず、施設の外観画像
以下は、過去のいこーよチラシ広告の配信内容(画像)を上記の10パターンに分類し、それぞれCTRの数値によって「上中下」の3段階に振り分け、その分布状況(比率)を表したグラフになります。

まず、過去の実績において、下位(CTRが低い)実績が少ないもの、つまり比較的安定度の高い画像パターンは、「幻想的」「記念写真風」「躍動感」の3つが挙げられます。この3つのパターンで画像素材を用意出来るのであれば、積極的に活用していって良いのではないでしょうか。
一方、過去の実績において、上位(CTRが高い)実績が多い、つまり伸びしろ(爆発力)の期待値が高い画像パターンは、「動物」「幻想的」「記念写真風」の3つ。「幻想的」「記念写真風」に関しては、「安定度」の面でも高い実績が出ており、失敗しにくい上に爆発力も期待出来る画像パターンと言えます。
また、比較的上位・中位・下位の割合の差が大きくない「躍動感」「コンテンツ単体」あたりは、同一タイプの画像の中でも均等に上中下にブレている事から、「画像」の影響よりも「タイトル(テキスト文)」による影響が出やすい画像パターンと言えるかしれません。
なお、「加工画像」「キャラクター」「飲食物」画像のCTRが低い理由として考えられる要因をまとめたものが下記となります。
・加工画像
初見の印象として広告感が強く、ユーザーに抵抗感を与えてしまうのかもしれません。また、画像枠はスマホで見た場合、およそ2cm×3cm程度のサイズになるので、複数の画像を加工したものや画像内に文字を入れたデザインは単純に見ずらく、目が滑ってしまうのではないかと考えられます。
・キャラクター
物品や番組の広告と思われてしまう可能性があります。人気キャラクターであっても単純なキャラクター推しは避けた方が良いかもしれません。
・飲食物
いこーよは「おでかけ先(主に遊ぶところ)」を探すファミリーが集まるサイトになりますので、飲食物の訴求は弱い傾向にあります。これはいわゆる映え系のスイーツやフードであっても同様です。
家族でのおでかけ先を探す過程において、子供がその施設で遊んでいるイメージが沸きにくい画像は、ユーザーもあまり興味を示さないようです。
タイトル(文言)によるCTRへの影響
いこーよチラシにおいて、「タイトル」は配信内容の最上段、もっとも目につきやすいテキスト部分になります。ここでは、タイトル文言の内容を下記のパターンで分類し、どのようなテキストがクリックされやすく、どのようなテキストがクリックされにくいのかを調べてみました。
■タイトルの分類パターン

・施設名明記 :施設名が記載されている
・施設概要なし :なにができる施設なのか?の記載がない
・施設概要のみ :なにができる施設なのか?だけが記載されている
・施設概要×その他要素:なにができる施設なのか?+対象年齢・利用料金など複数の情報が記載されている
以下は、過去のいこーよチラシ広告の配信内容(タイトル)を上記の4パターンに分類し、それぞれのCTR数値を全体平均と比較したグラフになります。

いこーよチラシのタイトル部分に「施設名だけ」を掲出している施設様は意外と多いです。しかし、実はCTRは全体平均の半分以下と非常にクリックされにくい傾向にあります。おそらく、どれだけ新しい企画やアトラクションが追加されていたとしても、その情報がユーザーにまったく伝わらず、以前に来訪したイメージのままスルーされてしまう、また知名度があまり高くない施設の場合は、どのような施設かも分からずに見過ごされている可能性があります。
続いて、「その施設でどんなことができるのか?」がわからないタイトル、「その施設でどんなことができるのか?」のみが記載されたタイトルのパターンと続きますが、いずれも全体平均よりもCTRは低いです。
結果、全体平均を超えたのは、「施設概要×その他要素」のパターンのみ。「その施設でどんなことができるのか?」に加え、「駅から〇分」「〇才から遊べる」「1日中遊べる」「雨の日もOK」のような、立地情報や対象年齢、滞在時間など、プラスアルファの要素を記載すると、よりクリックされやすくなるようです。
クーポン有無によるCTRへの影響
続いて、いこーよチラシ内での「クーポン掲出有無」によってCTRに差異が出るのか?について調べてみました。

やはり、「クーポンあり」の方が「クーポンなし」に比べて明らかにCTRが高いです。いこーよチラシの枠ではありませんが、いくつかの施設において、クーポン掲出によって誘導率が上がった事例もあります。もしクーポン提供が出来るのであれば、なんであれ掲出しておいた方がベターと言えるでしょう。
一方、CTRの上がり幅については、画像やタイトル文による上昇率に比べて小さいようです。以前「おでかけ施設のクーポン活用に関するユーザーアンケート」でも紹介させていただいたように、ユーザーにとってクーポンは、「おでかけ先を決めるためのもの」ではなく、「既に決まっているおでかけ先を“よりお得に”楽しむためのもの」、という意識が強いためか、実はそこまで大きな差は出ていません。
CTRへの影響の大きさを考えると、「画像」「タイトル」でいかに施設の魅力を伝えられるか、が重要と言えます。
いこーよチラシの配信内容によるCTR傾向に関するまとめ
今回は、いこーよチラシの配信内容によるCTRの傾向について、新型コロナウイルスの影響をうけていない時期(2019年9月~2020年2月)のデータをもとに調査をおこないました。ユーザーのおでかけ意欲や人気ジャンルなどは季節によっても大きく変わりますが、今回のようなデータ(広告内の掲載要素等)については、時期による大きな変動もありません。
※コロナ禍においては少し傾向が異なるため、こちらをご覧ください。
既に「いこーよチラシ」をご利用の施設様は、今回のデータをもとに画像や文面を見直していただけると、より多くのクリックを獲得することができる(CTRが向上する)かもしれません。また、まだ「いこーよチラシ」をご利用でない施設様は、今後必要になった際には是非、積極的にご活用いただければと思います。
※いこーよチラシについて、より詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
※いこーよチラシのCTRデータは特定の条件・枠内で表示されたものを計測しています