いこーよクーポン活用の成果・事例について
ユーザー心理として「少しでもお得におでかけしたい」と思うのは至極当然の事。そんなユーザー心理を逆手に取り、集客効率向上に繋げる手法のひとつが「クーポン」ではないでしょうか。既に割引やプレゼントなど、様々な特典で多くのおでかけ施設がクーポンを活用し、集客効率をあげているかと思います。いこーよでも、一般ユーザーに向けたいこーよクーポン、会員だけが利用できるプレミアムクーポンなど、いくつかのお得クーポンを用意しており、こちらもたくさんの施設さんに活用して頂いています。
そこで今回は、おでかけ施設の「クーポン活用」をテーマに、さらに「いこーよ」内でのクーポン利用に焦点を絞り、おでかけ施設側の視点から調査・分析してみたいと思います。
いこーよクーポンとは?
前述の通り、「いこーよ」にはサイトを見たユーザーが、よりお得におでかけ施設を楽しめるたくさんのクーポンが掲載されています。クーポン登録は「いこーよ」管理画面で特典内容や期間などを各施設が自由に設定でき、いこーよ内に表示する仕組みとなっています。
施設さんがクーポンを設定すると、いこーよサイト内の個々の施設情報ページに、以下のようなクーポンが掲出され、多くのユーザーの目に触れる事になります。

また、個別の施設情報ページ以外に、施設一覧ページ(関東の水族館一覧ページ等)にも簡易的に「クーポン内容」と「クーポンページへの導線」が掲出されますので、施設の詳細情報を見る前のユーザー(複数施設で迷っているユーザー)に対しても自施設の「お得感」「特別感」を訴求する事が可能です。

おでかけ施設がクーポンに期待する成果は?
多くのおでかけ施設がいこーよクーポンを活用する目的。それはやはり、いこーよを見たユーザーの「施設への実来訪効率向上」ではないでしょうか。クーポンなしの状態では興味を持たなかったユーザーに対し、お得な割引や特別なプレゼント等で興味を引き、そこから施設への実来訪に繋げる事。それこそ、おでかけ施設が「いこーよクーポン」に求める成果であり目的と考えます。
なお、ユーザーがいこーよでおでかけ先を探す際、多くのユーザーは以下のようなフローでおでかけ施設を探し、施設への来訪を決めます。
⇒①いこーよトップ閲覧(エリア・ジャンル選択)
⇒②施設一覧ページ閲覧(施設選択)
⇒③施設詳細ページ閲覧(施設詳細情報確認)
⇒④施設来訪(実来訪)
このプロセスの中でいこーよクーポンが掲出されるのは、「②施設一覧ページ」と「③施設詳細ページ」になりますので、クーポン掲出によって実来訪効率を上げるとなると、いこーよ内で確認出来る成果指標は
①施設一覧ページから施設情報ページへの誘導率
複数のおでかけ施設のリスト(一覧ページ)から自施設の情報ページに誘導する(選んでもらえる)確率
②施設情報ページの離脱率
施設情報ページにアクセスしたユーザーがそこで離脱してしまう(見切られてしまう)確率
の2点となります。
「施設情報ページから施設への実来訪率」「施設来訪時のクーポン活用による満足度」など、クーポンによって影響を与えそうな指標は他にもありますが、これらはいこーよ内でのアクションではなく数値として追えないので、今回は上記①②の指標について、いこーよでの実績データをもとにクーポン掲出の成果を分析してみようと思います。
いこーよクーポンの活用成果事例
直近2年で「いこーよクーポン利用経験のある施設」からいくつかの施設をランダムで選び、クーポンを掲出していない時期と掲出していた時期の「誘導率」「離脱率」を比較してみます。クーポン特典によりユーザーの興味を喚起し、より深い情報(ページ)まで誘えるようになるはずなので、いこーよクーポンを掲出する事により「誘導率」が向上し「離脱率」が軽減する想定です。実際のところはどうなっているのでしょうか。
事例①
こちらは関西の屋内遊園地による入園料割引クーポン活用の事例となります。
エリア :関西
ジャンル:屋内遊園地
クーポン:入園料割引
対象時期:2020年1月~2020年5月

クーポンを掲出していた前半2ヶ月(緑の棒グラフ)と、クーポンを掲出していなかった後半3ヶ月(グレーの棒グラフ)を比較すると、誘導率が大きく減少している事が分かります。これはいこーよクーポンを活用する事によって「複数施設の中からこの施設が選ばれる確率」が上がっている事を示しています。
一方、赤い折れ線グラフが表しているのが、施設情報ページでの離脱率になります。クーポン掲出時の離脱率と比較し、クーポン無しの時期は大きく離脱率が上がってしまっています。これは、クーポンがある事で、ユーザーが表面的な施設情報だけでなく、より詳しい施設情報やクーポン情報を見る(確認する)為に、更に深いページまで遷移・閲覧している(離脱していない)事を表しています。
上記2点から、施設がいこーよクーポンを活用する事で、いこーよ内での「誘導率」「離脱率」に良い影響を与えている事が明確に分かります。
事例②
続いて、2つ目の施設のデータを見てみましょう。こちらも先ほどの施設と同じく「屋内遊園地」で「入園料割引」クーポンを活用した事例。対象期間は2019年7月~2019年11月です。
エリア :関東
ジャンル:屋内遊園地
クーポン:入園料割引
対象時期:2019年7月~2019年11月

こちらも誘導率が高いのはクーポンを活用している時期(緑)で、クーポン掲出を止めた月(グレー)から大きく誘導率が落ちています。離脱率の動きにしても同様で、クーポンがなくなった時期に離脱が大幅に増えてしまっています。
事例③
お次の施設は関西の有料の大型児童館。クーポン内容は入園料割引、対象期間は2020年1月~2020年5月です。
エリア :関西
ジャンル:児童館
クーポン:入園料割引
対象時期:2020年1月~2020年5月

こちらも大きく差が出ています。2月と3月を比較すると、誘導率はほぼ4分の1に。クーポンの力によって通常(クーポン無し)の時期の4倍近く誘導効率が上がっている事になります。
離脱率についても2倍ほどの差がついており、その効果は明らか。クーポンによって強い興味を持ったユーザーは、より詳しい情報を得るために施設情報ページ内を回遊しやすいと言えます。今回のデータでは検証できませんが、この数値変化を鑑みるに、ユーザーの熱量も通常時より高いと思われますので、おそらく施設への実来訪率にもポジティブな影響を与えているのではないでしょうか。
事例④
続いて4つ目の事例を見てみましょう。こちらは関東の博物館のケースとなります。対象期間は2019年5月~2019年9月。
エリア :関東
ジャンル:博物館
クーポン:入園料割引
対象時期:2019年5月~2019年9月

数値差の大きさでいうと少し幅は小さ目ですが、やはりクーポン有無での差は明白です。この施設は、最初の2ヶ月がクーポン無し、次の2ヶ月だけクーポンを活用し、最後の1ヶ月はまたクーポン無し。やはりクーポンを利用していた期間だけ誘導率が高くなっています。
ただ、離脱率の方は7月に多少軽減されているものの、今までの事例のような明らかな変化は見られません。
今回、どうしても当時の掲載内容の確認が出来なかったため、(離脱率に差が出なかった事の)明確な要因は分からなかったのですが、離脱率に関する成果の有無や大きさは、やはり施設情報量(写真枚数・くちこみ件数等)、施設ジャンル、クーポン内容等によって差異が出ますので、すべての施設が今回の検証結果のような大きな効果が出るとは限りません。あくまで総合的な視点からの傾向分析である事をご理解ください。
事例⑤
さて、以下が今回最後の事例。こちらは関西にある動物園の2020年1月~2020年5月のデータになります。
エリア :関西
ジャンル:動物園
クーポン:入園料割引
対象時期:2020年1月~2020年5月

クーポンを活用していた前半3カ月はやはり誘導率が高く、後半2ヶ月は大きく下がっています。同様に、離脱率もクーポン活用時とそうでない時期で2倍以上の差が見られます。
いこーよクーポン活用の成果・事例に関するまとめ
という事で、今回はおでかけ施設がいこーよクーポンを活用した際の数値変化や成果について、「誘導率」「離脱率」の2点から調査・分析してみました。クーポン活用時と未活用時の比較ができる、様々なジャンルの施設の事例をピックアップしてみましたが、きちんとクーポン活用による成果が表れていると言える結果だったのではないでしょうか。
いこーよ内において、施設ページへの誘導率が上がり離脱率が下がれば、実来訪の可能性があるユーザーの母数が上がりますので、結果的にクーポン活用の目的である「施設への実来訪効率の向上」に良い影響が出ていると考えられます。
いこーよ自体は利用しているものの、まだいこーよクーポンを活用されていない施設さんは、いこーよクーポンによって、よりいこーよの活用価値を上げられるかもしれません。是非積極的にご活用頂ければと思います。