訪日客数250万人超でコロナ前を上回る! 国別動向や低迷が続く出国日本人数の変化は?

年末年始は、街中や観光地などで、賑わう訪日客の姿が多く見られました。前回につづき、今冬の訪日客の状況や、日本からの出国者の状況はどう変化しているかなどをまとめました。
(前回のインバウンドについてのレポート記事はこちら

ポイント

訪日客数は10月以降2019年を上回り、12月には120%と更なる超越傾向に

訪日客は韓国が大きく牽引

出国日本人数は低迷が続く

まとめ

訪日客数は10月以降2019年を上回り、12月には120%と更なる超越傾向に

まずは訪日外客数の推移を見てみましょう。(訪日外客数とは、日本を訪れた外国人旅行者数のことで、法務省集計による出入国管理統計に基づき日本政府観光局が独自に算出しています。詳しくは日本政府観光局のサイトを参照ください)

以下は、2019年1月から2023年12月までの訪日外客数をいこーよ総研がグラフにしたものです。

2023年の1年間で増加していた訪日外客ですが、10月から12月にかけてその推移はさらに勢いを増し、推計値で250万人を超えました。

出典:日本政府観光局(JNTO)発表のデータをもとにいこーよ総研でグラフ作成
注:2023年10月以前の数値は訪日外客数のうち観光客数で作成
2023年11月以降は訪日外客数総数の推計値で作成

つぎのグラフは、2022年~2023年の訪日外客数を2019年の同月と比べた割合をグラフにしたものです。

昨年の秋の行楽シーズン以降、訪日客はついにコロナ前の2019年比を上回る結果となりました。これは、昨今の円安の影響がとても大きいと推測されます。

インバウンドの影響だけではありませんが、地域によってはオーバーツーリズムが顕在化してきており、政府も対策支援に取り組み始めています。

出典:日本政府観光局(JNTO)発表のデータをもとにいこーよ総研でグラフ作成
注:2023年10月以前の数値は訪日外客数のうち観光客数で作成
2023年11月以降は訪日外客数総数の推計値で作成
2023年1月以降は2022年の同月ではなく2019年の同月と比較

訪日客は韓国が大きく牽引

次に、国別の訪日外客数の推移を見てみましょう。

2022年8月から、月ごとにどの程度、訪日外客数が変化しているかを見ていきます。

2022年9月以降、他国に大きく差をつけている韓国の訪日客ですが、昨年の11月から12月にかけてその数はさらに急激に伸びています。

続いて、注目の中国について見てみましょう。昨年の夏にかけて急増していた中国からの訪日客ですが、福島の処理水に対する中国政府側の対応などが影響し、9月~11月にかけてその勢いは鈍化してしまいました。もともと日本への観光意欲が高い中国。12月にかけて少しずつ回復してきているため、時間の経過とともにその影響も薄れていくと推測されます。2月は中国の大型連休である「春節」を迎えます。中国からの訪日客がどのように変化していくか、引き続き注目していきたいと思います。

出典:日本政府観光局(JNTO)発表のデータをもとにいこーよ総研でグラフ作成

出国日本人数は低迷が続く

続いて、出国日本人数を見ていきます。(出国日本人数とは、海外に渡航した日本人の数です。 当該月の翌月に、法務省の出入国管理統計からJNTOが独自に算出し、訪日外客数と併せて発表しています。詳しくは日本政府観光局のサイトを参照ください)

以下は、2019年1月から2023年12月までの出国日本人数をいこーよ総研がグラフにしたものです。

出国日本人数も昨年夏にかけて少し増えたものの、それ以降は低迷しています。さらに、11月よりも、時期的に海外旅行に向かうであろう12月の方が、低い数値を示しているのも注目されます。いこーよ総研で2023年年末年始の人気お出かけ先を調査したレポートでは、レジャー意欲よりも家族でゆっくり過ごす人が多いことが見受けられました。円安の影響も大きいと思われますが、そういった家族のお出かけ意向や傾向も、12月に出国日本人数が伸びなかった理由のひとつとして考えられます。

出典:日本政府観光局(JNTO)発表のデータをもとにいこーよ総研でグラフ作成
注:2023年12月は出国日本人数の推計値で作成

以下は、2019年の同月と比較した割合のグラフです。

12月で2019年比の6割弱にとどまっています。

出典:日本政府観光局(JNTO)発表のデータをもとにいこーよ総研でグラフ作成
注:2023年1月以降は2022年の同月ではなく2019年の同月と比較
2023年12月は出国日本人数の推計値で作成

まとめ

訪日外客数は2023年10月から12月にかけて勢いを増し、推計値で250万人を超え、コロナ前の2019年を上回りました。加速する円安の影響も大きいと考えられます。

国別で推移を見ると、韓国が依然として訪日客を牽引しており、2023年11月から12月にかけて訪日数が続伸していました。一方、中国は夏に急増したものの、福島の処理水問題などの影響もあり、9月から11月にかけて低迷。しかし、12月に回復の兆しが見られ、2月の春節にはさらに増えるのではないかと推測されます。

出国日本人数は昨年夏に一時増加したものの、低迷が続いています。12月も依然として伸びておらず、円安の影響をはじめ、年末は家族でゆっくり過ごす時間を重視する人が多かったことが考えられます。

年末年始の国際線の利用者数がコロナ前の7~8割程度だったとの報道があったことから、現在でもまだコロナ前ほどの出国数には至っていない様子です。

春にかけて、今後もインバウンドやアウトバウンドなどの状況を含め、お出かけ市場の動向を注視していきたいと思います。