2021年2月セミナー概要記事:「徹底接客と写真スポットで利用者がお客様を呼んでくれるエコマーケティング」新宿忍者からくり屋敷様
2021年2月のセミナーは、株式会社レガシー 代表取締役 湯本 智之 様にご登壇いただきました。

こちらの記事ではセミナーの概要をお伝えさせていただきます。
セミナー動画はこちらからご覧いただけます。
【株式会社レガシー】
⽉に24ヵ国以上のインバウンドゲストが訪れ、ファミリーからの人気も高い「⼿裏剣道場 新宿 忍者からくり屋 敷」を運営。レジャー施設の運営のほか、忍者体験施設の新規開業・運営に 必要な「忍者コンテンツの提供・忍者ノウハウの教育サポート」を⾏う『忍者体験施設スタートアッププラン』の販売もしています。
https://ninja-trick-house.com/
【セミナーテーマ:徹底接客と写真スポットで利用者がお客様を呼んでくれるエコマーケティング】
1:ブルーオーシャン戦略

前職のマネージャーの影響で「局地戦で勝つ」というのが沁みついていたんです。それで自分が事業をする時はそれを活かしていきたいと思って突き詰めて考えていくと、「戦わずして勝つ」というブルーオーシャン戦略になりました。実際、忍者体験は浅草等の土地柄に合ったところに多く、新宿歌舞伎町のような繁華街にはなかなか見られません。
なぜ忍者体験をやろうと思ったのかという点ですが、子どもの時に近隣に忍者施設があり、楽しくて何回も通っていました。自分に子どもができて連れていこうと思ったら閉店してしまっていて。代わりのところに行こうと思っても忍者体験ができる場所ってすごく遠くに行かないと無かったんです。
そして、その時ちょうどインバウンドが増加してきた時だったので、これはチャンスだと思いました。
また、「コト消費」という意識が高まってきた頃でもあったので、「体験」というワードがすごく伸びてきていたので、ショーではなく忍者体験にしました。体験時間も1グループあたり40分~60分ほどのプログラムにし、チェックイン前後の隙間時間を狙いました。
2:本質マーケティング

ある時から土日を中心に日本人のお子様連れのお客様が増えてきました。
それがトリップアドバイザーの口コミNo.1に選ばれた時だったんです。その後TVから取材が来てニュース番組等で流れてさらにドカーンと増えました。
当初、「忍者は外国人にうけるだろう」という甘い考えがあったのですが、そんなに簡単じゃないんですよね。オープンしてから7か月間苦しんで、日本人のお客様が来てくれて体験内容を日本人のお客様に満足していただけるようどんどんカスタマイズしていったら、口コミが伸びて外国人が来てくれるようになりました。日本人が満足できる忍者体験施設になったら、外国人も来てくれたんです。
―――口コミNo,1の秘訣をお聞きしました。
①写真スポット
通常、ご家族が一緒に撮るシーンってあまりないので、こちらでその機会を作るようにしました。年賀状に使えるような、子供の成長が見られる家族全員の写真ですね。体験の中で、その写真を撮るタイミングを決めています。もちろん、親御さんがお子様の写真を撮る時間も別にとっています。
いい写真を撮ってもらいたいので、タイミングだけでなく角度もお伝えしています。
「いい思い出を残してもらうためにいい写真を」と思っていたら、結果的に口コミやSNSでの拡散が増えてきました。
②顧客満足度の追及
お客様の素の感情が出るのがお店を出た直後なので、退店後のお客様の声を集めて、継続的に体験内容を改善していっています。体験時のお客様の表情等もしっかり見て、体験に満足しているかどうかを見極めています。
あとはお客様に合わせた内容を提供するようにしています。例えば子どもにはストレス発散、大人には忍者に関連する豆知識などを伝えたりしています。
安全対策についても、最悪の場合を想定して実施していますが、「あれはだめ」「これはだめ」とガチガチにしてしまうとお客様はおもしろくなくなってしまう。なので施設の雰囲気に合う衝立を自然に置いたり、子どもには腰につけた刀を振り回さないようにスポンジ製の刀を渡したりしています。「これならいいよ」を作ってあげることで、子どもが楽しくやりたいことができるんです。
正直、あまり口コミの数等を気にしていなかったのですが、顧客満足度を追及していったら満足度が上がり、口コミが増えていった感じです。
3:対外国人ノウハウ

多い時は来場比率が日本人と外国人が半々になるくらい外国人のお客様が多いです。1ヶ月間で24カ国から来場がある月もあります。
外国人の来場が多くて良かった、と思うのは国によって休みの期間がずれるので日本人が少なくなるタイミングを埋めてくれるという点です。外国人比率は月ごとであまり変わらないのですが、月ごとで国別の比率を見ると、月ごとに国が入れ替わっているんです。
―――対外国ノウハウを大きく3つお聞きしました。
①事前予約・決済
施設が狭いので、満員の時に来場されてもお断りするのが申し訳なくて予約システムを導入しました。そうしたら、予約は入っているのに連絡もなく来場もないということが多発しました。計算すると月平均で8万円ほど無断キャンセルがあったんです。
通訳ガイドさんに聞いてみたら、外国人は決済をしてはじめて予約が完了した、という認識を持つそうです。なのでお客様には「予約」という認識がなかったのかもしれません。
そして決済機能をつけたところ、キャンセルはほぼなくなりました。ちなみに決済機能は超低コストでつけられます。
②映像を活用
施設を楽しむポイントは2つあると思っています。1つは実際に体験すること、もう1つは新しい知識を得ること。それに対応するために、17カ国語対応の導入コンテンツを作りました。
5分ほどの「忍者ミッション」というストーリーで動作だけで伝わるセリフなしの映像を作り、パンフレットを17カ国語用意して、受付でお客様に合った言語のパンフレットをお渡しします。
例えば、手裏剣の時に「2」と映像に出るのですが、手元のパンフレットの「2」を見ると手裏剣の説明が書いてある、という感じです。
5分間の動画を子どもが見てられるかな?という不安もあったのですが、今のところ我慢できずに走り回っちゃったりする子は1人もいないです。みんな「おー!」とか声を出しながら見てくれています。
③外国語対応
僕は全然外国語が話せなくて英語もカタコトです。でもそれで問題ないと思っています。相手は非日常を味わいに来ているので、非日常を味わってもらえればいいんです。これは通訳ガイドさんに教えられました。
外国人と日本人の子どもが一緒に遊んだりしている姿も見られます。言葉がなくても、忍者という世界で繋がれるんです。
4:まとめ
コンテンツの継続強化が最高の施策だと考えています。随時進化し、1回1回のお客様に全力で向き合うことが大切です。

「有料出稿した広告媒体はどれが費用対効果がよかったか」「お客様の素の感情が出るポイント」「コロナ禍の状況」等、具体的な手法もお話しいただき、見どころいっぱいなのでぜひセミナー動画もご覧ください。