2023年2月公開分(1・2月分データ)「物価の上昇に伴う節約志向がお出かけにも…一方で屋内施設への回帰見られる」

新型コロナウイルスの感染法上の分類が5月から「5類」に変更されるなど、ようやくコロナ禍の出口が見えてきました。また、観光地などで外国人客を見かけることが増えてきたことも実感します。

一方で、原油や食料品、日用品など様々な価格が毎月のように値上がりし、家計や企業の高ストを圧迫している状況が杞憂されています。

そこで、今月は現在のお出かけの状況が昨年と比べてどう変わっているか、海外からの旅行客がどの程度回復しているか、また、物価高がお出かけにどのような影響を与えているかについて調査・分析をしてみました。

ポイント

マスク着用の是非が話題

屋内遊園地の人気が上昇

訪日が順調に回復

総括物価高の影響が非常に大きく、お出かけはするも節約志向が高い

お出かけ市場レポート総括

マスク着用の是非が話題

まずはコロナ意識の状況を見てみましょう。

以下は、Google Trends(ある単語がどのくらいGoogleで検索されたのかを表した推移データ)で、「コロナ」の検索数の推移を見たものです。

1月に引き続き新規感染者数が日増しに減少していることを受けて、2月に入ってからは「コロナ」に関してほぼ関心を持たれていません

出典:Google Trendsより

一方で、3月13日からはマスクの着用は屋内・屋外を問わず個人の判断に委ねるとの政府の方針が決定されたことから、「マスク着用」が話題になっています。着用について、学校や個人などで様々議論、意見などが出されている状況と思われます

出典:Google Trendsより

屋内遊園地の人気が上昇

次に、お出かけ先のジャンルが現在どのように変化しているかを見てみたいと思います。

いこーよのアクセス数から、昨年2022年の1月と比べて今年の1月ではどのようなお出かけ先のジャンルが伸びているかを分析しました。
(まず、いこーよサイトの施設ページアクセス数を100%としてその中の各お出かけ先ジャンルのアクセス数のシェアを算出。そのシェアを2022年1月と2023年1月とで比較した増減をグラフにしています。)

まず最初に伸びているジャンルについて見ていきます。2023年1月では、昨年の1月よりも「屋内遊園地」が大きく伸びていることがわかりました。

昨年1月は第6波の到来に伴うまん延防止等重点措置が適用されており、屋内施設へのお出かけを控えようという風潮があった時期です。それに比べると今年はコロナの影響もかなり減少し、多くの人が「屋内遊園地」へのお出かけに回帰してきていることがわかります

出典:いこーよサイトアクセス解析より

次に、減っているジャンルについて見ていきます。

最も減っているのは「公園」でした。「公園」は屋外であることからコロナ禍では非常にアクセスが増え、多くの人が訪れていたジャンルです。お出かけ控えなどが減少するに伴って、「公園」以外のジャンルへのお出かけが増えてきたと推測できます。

出典:いこーよサイトアクセス解析より

訪日が順調に回復

インバウンドについても見てみましょう。

このグラフは、2022年の訪日外客数を2019年の同月と比べた割合をグラフにしたものです。(訪日外客数とは、日本を訪れた外国人旅行者数のことで、法務省集計による出⼊国管理統計に基づき日本政府観光局が独自に算出しています。詳しくは日本政府観光局のサイトを参照ください)

9月以前は2019年比0~2%程度でしたが、10月以降に急増し、12月には2019年同月比で50%を超えるレベルにまで回復してきています。現在は韓国からの訪日が多いですが、今後夏にかけて中国からの訪日が本格化することが予測されています。

詳しくは「水際対策緩和後3カ月で訪日客がコロナ前の50%超まで回復 ~韓国からの訪日が増加、中国はこれから~」をご覧ください

 

物価高の影響が非常に大きく、お出かけはするも節約志向が高い

昨今の物価高がどの程度お出かけ意欲に影響があるのかをアンケートで聞きました。

その結果、「非常に影響がある」と「少し影響がある」がそれぞれ4割ずつ、合計で約8割という多くのユーザーが「物価高がお出かけに影響がある」と回答しました

出典:いこーよ2023年2月ユーザーアンケートより

具体的にどのような影響があるのかを聞いたところ、最も多かったのは「有料の施設に行く場合は、クーポンや割引が適用される施設を利用するようにしている」でした。

注目されるのはその次の「有料の施設に行く頻度を減らして無料で遊べる施設、遊び場に行くようにしている」(51%)、「有料、無料に関わらず、食事代や交通費など1回あたりのおでかけ予算を減らすようにしている」(31%)です。少なからずのユーザーが有料の施設の頻度を減らしたり、行くにしても食事代や交通費などを減らして総額のお出かけ費用を抑えるという行動をしています。

お出かけ施設側にとっては、原油高や食料品などの値上がりがコストの増大となっていることに加えて、ユーザーからの支出が減少していることは大きな痛手と思われます。これ以上の物価の上昇が抑制されることを願うばかりです。

出典:いこーよ2023年2月ユーザーアンケートより

お出かけ市場レポート総括

コロナの出口が見えてきたり、主に韓国からの訪日がけん引役となっている訪日外国人の増加というお出かけ市場にとってのプラス要因がある一方で、物価高によるユーザーのお出かけ抑制という新たなマイナス要因が懸念されています。

物価高によるお出かけ抑制は「お出かけ自体はするが、お出かけにかける費用を減らす」というもので、無料の施設に行く、食事代や交通費などを減らして一回あたりの費用を抑えるなどの節約がされています。

お出かけ施設側にとっては自施設のコスト高に加えて、収入面でも客単価が下がるという状況ですが、来てくれたユーザーのリピート率を上げる、客単価の低下分を集客数増でまかなう、節約志向の中でも支払ってもいいと思われるサービスや商品を提供するなどで、この難局を一緒に乗り切っていきたいと思います。

■いこーよユーザーアンケートの調査概要査方法

調査方法/インターネットアンケート

調査地域/全国

調査対象/いこーよおよびいこーよアプリを利用したユーザー

調査期間/2023年2月6日~2月13日

サンプル数/340サンプル

調査分析/いこーよ総研