水際対策緩和後3カ月で訪日客がコロナ前の50%超まで回復 ~韓国からの訪日が増加、中国はこれから~

2022年9月に海外からの訪日客の水際対策が緩和され、訪日客が少しずつ戻ってきています。そこで、現在コロナ前と比べて訪日客がどの程度戻ってきているのか、また国別の訪日客の数の状況などについてまとめました

ポイント

2022年9月以降外国からの訪日客数が急増、2022年末時点で5割を超える

特に韓国からの訪日が増加、中国はこれから

2022年9月以降外国からの訪日客数が急増、2022年末時点で5割を超える

まずは訪日外客数の推移を見てみましょう。(訪日外客数とは、日本を訪れた外国人旅行者数のことで、法務省集計による出⼊国管理統計に基づき日本政府観光局が独自に算出しています。詳しくは日本政府観光局のサイトを参照ください)

以下は、2019年1月から2022年12月までの訪日外客数をいこーよ総研がグラフにしたものです

2019年には毎月200~300万人程度の訪日外客が日本を訪問していましたが、コロナの影響で2020年以降激減しました。その後、昨年の2022年9月に日本政府の水際対策が緩和され、現在急激に増加してきています

出典:日本政府観光局(JNTO)発表のデータをもとにいこーよ総研でグラフ作成

注:2022年10月以前の数値は訪日外客数のうち観光客数で作成
2022年11月以降は訪日外客数総数の推計値で作成

このグラフは、2022年の訪日外客数を2019年の同月と比べた割合をグラフにしたものです。
9月以前は2019年比0~2%程度でしたが、10月以降に急増し、12月には2019年同月比で50%を超えるレベルにまで回復してきています

出典:日本政府観光局(JNTO)発表のデータをもとにいこーよ総研でグラフ作成

注:2022年10月以前の数値は訪日外客数のうち観光客数で作成
2022年11月以降は訪日外客数総数の推計値で作成

特に韓国からの訪日が増加、中国はこれから

次に、国別の訪日外客数の推移を見てみましょう。
2019年と2022年の年間で国別の訪日外客数を見てみたグラフがこちらです。
2019年には、中国、韓国、台湾の順で訪日外客が多かったのですが、2022年では中国からの訪日がまだ少なく、韓国からが最も多くなっています

出典:日本政府観光局(JNTO)発表のデータをもとにいこーよ総研でグラフ作成

続いて、月ごとにどの程度訪日外客数が変化しているかを見ていきます。
2022年9月以降、韓国の訪日外客数が大きく伸び、次いで台湾、香港からも増加しています。

一方、中国からの訪日外客数はほぼ増えていない状況です。これは、中国で訪日観光ビザの発行を富裕層のみに制限していることに加え、日本側でも現在臨時的に中国からの入国時検査、出国前検査陰性証明書の提示を求めるなどの水際対策をしていることが影響しています。

それでも、2月の春節時には中国国内の旅行客数はコロナ前の9割程度に回復したとの情報もあり、制限が取り払われれば訪日観光客も大幅に増加することが予想されます。

   

出典:日本政府観光局(JNTO)発表のデータをもとにいこーよ総研でグラフ作成

まとめ

国内のみならず、国外からの訪日客もコロナ前の状況に少しずつ戻りつつある様子が見られます。2022年12月には、2019年同月比の5割を超えるレベルにまで回復してきています。
特に韓国からの訪日が増加しており、現在インバウンド需要の牽引役となっています。

中国に関しては、観光ビザの発行制限や中国からの入国者に対する水際対策などの影響もあり、ほとんど訪日数が増えていません。しかし、中国国内の旅行需要が回復してきていることから、今後制限などが取り払われれば一気に訪日客が増加することが予想され、その時期が7月以降ではないかという予測もされています。

今後もインバウンドなどの状況を含め、お出かけ市場の動向を注視していきたいと思います。