2022年12月公開分(11・12月分データ)「年末年始は帰省予定が増加、室内あそび場の人気復活」
3年ぶりに行動制限がない冬休みとなる2022年の年末年始ですが、家族のお出かけはどのように予定されているのでしょうか。また、冬になり増加傾向となっている新型コロナの影響も気になるところです。そこで今回は、年末年始にどこにお出かけする予定か、第8波へのユーザーの意識などについて調査・分析をしてみました。
第8波はほぼ意識されていない
まずは、Google Trends(ある単語がどのくらいGoogleで検索されたのかを表した推移データ)のデータで、「コロナ」や「旅行」、「おでかけ」の検索数の推移を見てみましょう。
最初に、コロナ関連ワードを見てみます。第8波以降で多少増加はしていますが、「コロナ」、「自粛」ともに大きく増える様子は見られません。

出典:Google Trendsより

出典:Google Trendsより
こちらは、コロナの「第6波」「第7波」「第8波」のワード自体で関心度を比較したものです。
これで見ても、第8波への関心が一時期高まったものの、今は低下していることがわかります。

出典:Google Trendsより
続いて、「旅行」と「おでかけ」ですが、全国旅行支援が後押ししていた旅行ブームも落ち着いてきています。
一方「おでかけ」は冬休みを前に少し盛り上がってきた様子が見られます。

出典:Google Trendsより

出典:Google Trendsより
新型コロナを「気にしない」人が増える
次に現在の新型コロナウィルスの感染リスクに対する考えを、時系列で比較したデータで見てみましょう。
今までの波が到来している時期と同じく、今回の第8波でも、新型コロナウィルスが「とても怖い」という人は増えていますが、「気にしていない」という人も同時に増えていることが今までと大きく違っています。

出典:いこーよ12月ユーザーアンケートより
同時期に施設向けに実施していた「第7波~第8波時期のお出かけ・宿泊施設の集客状況に関するアンケート」でも、お出かけユーザーの意識が変わってきている様子が見て取れます。

出典:第7波~第8波時期のお出かけ・宿泊施設の集客状況に関するアンケートより
第7波以前のコロナ禍と比べて現在のお客様のニーズや行動に違いを「感じる」という施設は56%と6割近くになり、自由回答には、「マスクをしない人が増えた」、「混雑(密)状態を気にする方が減った」、「消毒など感染対策に敏感な方が減った」など、新型コロナ対策に関する意識について変化を感じているという回答が多くあげられました。
(詳細は第7波~第8波時期のお出かけ・宿泊施設の集客状況に関するアンケートをご覧ください。)
(以下自由回答抜粋)
【マスクをしない人が増えた】
- マスク会食をお願いしていますが、外したままの方が増えました
- マスクをしていない人が増えた
- マスクをしてない、しないことを希望する人が増えた
- マスクの非着用者の増加
【混雑(密)状態を気にする方が減った】
- 密に対しての警戒心の減少
- イベントなど人が集まる催しを避けなくなってきている
- お店が混んでいても気にされている方が少なくなったように感じる
【消毒など感染対策に敏感な方が減った】
- 手指消毒をする人が減少したようだ
- アクリルパネルを希望する方が減った。体温を気にする人が減った
屋内施設へのお出かけ意欲も高まる
次に、時系列で見ている屋内施設へのお出かけ意欲に関するデータを見てみましょう。
今までは波が来るたびに屋内施設に「遊びに行きたくない」というユーザーが増えていましたが、今回初めて「積極的に遊びに行きたい」と「遊びに行きたい」と回答している人が増加しています。感染の波があるにもかかわらず、屋内であることを気にする人が減ってきていることが表れています。

反対に、屋外施設へのお出かけ意欲が今回少し減っているのも特徴的です。3密を避ける意味で今まで屋外施設にお出かけする機会が多かった傾向が、少し薄れてきたのではないかと推測されます。

お出かけ意欲の増減をみるひとつの指標として活用している、「いこーよ」のアクセス数のデータも見てみましょう。
こちらのグラフは、2020年4月からの「いこーよ」サイト閲覧数(お出かけ施設ページのみ)と、2019年(コロナ前)の閲覧数を比較したものです(2019年を100%として比較)。このデータで見ても、12月は11月に引き続き、2019年のレベルと同水準になっていることがわかります。

出典:Google Analyticsより
※直近の12月のデータは、分析時点の12月中旬までのデータを使用。
※2021年3月以降は、昨対比ではなく、新型コロナの影響を受けていない2019年3月~2020年2月のデータをベンチマークとして比較。
年末年始に帰省予定の人が増加
最後に、今年の年末年始の予定についてアンケートで聞いた結果を紹介します。
過去実施した結果と比較すると、今年は「国内旅行をする予定」という人が増えています。一方で、「年末年始に旅行の予定なし」という人も去年より多くいるのは、全国旅行支援の適用期間が年末年始前に終了することが影響しているのではないかと思われます。

出典:いこーよ12月(2019年、2020年、2021年)ユーザーアンケートより
一方、帰省については、過去の状況と比べて非常に増えています。新型コロナの流行で帰省を諦めていたという人も、今年は帰省する計画を立てていると推察されます。

出典:いこーよ12月ユーザーアンケートより
年末年始のお出かけ先として室内遊び場人気が復活
冬休みに遊びに行きたいお出かけ先についても聞いてみました。
最も多かったのは「室内遊び場」、次に「遊園地・テーマパーク」となっています。

実は、室内遊び場は昨年では6位だったところ、今年は大きく順位を伸ばし1位となりました。
次のグラフは昨年の順位と比較したものです(※昨年と今年と両方で計測している施設ジャンルのみ比較してグラフ化)。
昨年は「温泉・スパ」が最も多く、次に「遊園地・テーマパーク」となっており、今年最も多かった「室内あそび場」は昨年は6位、割合も21%と今年の半分以下という結果でした。
前述したとおり、屋内施設へのお出かけ意欲は新型コロナの波の有無に関わらず高まってきており、ようやく今年になって室内遊び場へのニーズが回復してきたと思われます。

お出かけ市場レポート総括
冬になり新型コロナの感染者も増加の傾向がありますが、年末年始のお出かけ先として、屋内遊び場が昨年より大きく伸びるなど、ユーザーの意識も少しずつ変化してきています。
また、今年は帰省したいという人も多く、久しぶりに祖父母や親戚に会うという家族もいらっしゃることでしょう。
少しずつコロナ禍前の行動が戻りつつある様子が見られることをうれしく思います。
※お出かけ・宿泊施設向けに聞いた「第7波~第8波時期のお出かけ・宿泊施設の集客状況に関するアンケート」も合わせてご覧ください。
■いこーよユーザーアンケートの調査概要
調査方法/インターネットアンケート
調査地域/全国
調査対象/いこーよおよびいこーよアプリを利用したユーザー
調査期間/2022年12月5日~12月19日
サンプル数/432サンプル
調査分析/いこーよ総研