2020年11月公開(10・11月分データ)「今冬のお出かけに関するユーザー意識と感染症対策について」
コロナ禍における初めての冬シーズンを前に、コロナ第3波への不安が急激に高まる中、戦略や対策に頭を抱えているお出かけ施設も少なくないのではないでしょうか。今回は、今冬のお出かけに関するユーザー意識と感染症対策について、いこーよのデータ等から分析・考察してみました。
コロナ第3波への不安増の兆し

出典:Google Trendsより
初めて緊急事態宣言が発令された2020年4月頃の感染拡大が第1波、7月末の感染拡大が第2波と定義づけられ、また新たに第3波が発生するのではないかと不安に思う人が増えていることがわかります。
10月のお出かけに関する市場データ・分析
続いて、以下グラフは2020年4月からのいこーよサイト閲覧数(お出かけ施設ページのみ)と、2019年(コロナ前)の閲覧数を比較したものです(2019年を100%として比較)。お出かけ意欲の増減をみるひとつの指標として活用しています。

※新型コロナの影響を受けていない2019年のデータをベンチマークとして比較。
出典:Google Analyticsより
こちらのグラフでは、9月時点では昨対比60%程度まで回復していたのに対し、10月が多少減少しています。これは、連休のあった昨年の10月に比べ、2020年はオリンピックの影響で10月の祝日が7月にスライドしたことによりその分減っていると考えられ、それを加味すると9月と同程度には回復していると予想できます。
1~2月の寒い時期の屋外施設のお出かけニーズ
以下は、いこーよユーザーに対してアンケートをおこなった調査結果です。

出典:いこーよ11月ユーザーアンケート
寒い時期の屋外施設とはいえ、「積極的におでかけしたい」が31%、「どちらかといえばおでかけしたい」が55%と86%ものユーザーがかなり前向きにおでかけしたいと思っていることがわかります。
寒い時期にもかかわらず屋外施設に出かけたい理由について自由回答で尋ねてみました。その回答から、出かけたい派は「冬ならではを楽しみたい」と考えていることがわかりました。一部抜粋して紹介します。
- 季節を問わず外で遊ばせたい
- 家の中だと、遊ぶことも限られているから
- 外で体を思い切り動かしたいから
- 寒いのは私は苦手ですが、冬ならではの遊びや自然に子ども質には触れ合ってほしいと思うからです
- 寒くても子供とイベントを楽しみたい
- 子供はもちろん、親もそろって楽しめるイベントなら、屋外でもお出かけしたいです。例えば、雪で遊べるとか、かまくら体験とか、凧作りをした後その凧で凧上げとか
- 自宅ではなかなか思い切り身体を動かせるスペースがありません。外に出て、風の冷たさや、葉っぱが紅葉する色、冬のキーンとした空の感覚などを、身体いっぱいに感じて育って欲しいと思っています
なお、出かけたくない派は「とにかく寒さが屋外お出かけを阻害」していることがわかりました。こちらも一部抜粋します。
- 寒いから(多数)
- 寒いから荷物がかさばる
- 風邪を引いたり調子を崩すことが心配であることと、子供に無理をさせそうで出来れば屋内で快適に過ごしたいため
- 寒さが気になるので、長時間は外にいられないかなと考えてます
では、どのような対策がされていれば寒い時期でも屋外施設に出かけたいと思うのでしょうか。こちらも自由形式で回答してもらいました。「新型コロナウイルスへの対策と暖が取れること」を求めているようです。一部抜粋します。
- 暖かい休憩スペースなどが設けられている場所なら行きたいと思います
- 寒くなく子供を見守れる場所
- 暖房設備の整った待機(見守り)室
- 寒さよりも「楽しそう」が勝るイベントなら
- ソーシャルディスタンス
- 三密対策
- 人がいないなら行きたい
1~2月の寒い時期の屋内施設のお出かけニーズ
続いて、屋内施設へのお出かけについてはどうでしょうか。

出典:いこーよ11月ユーザーアンケート
「積極的におでかけしたい」が32%、「どちらかといえばおでかけしたい」が50%でこちらもかなりポジティブな結果となりました。しかし、寒さを気にせず遊ぶことができる屋内施設が屋外施設と比べて若干低い数値となっています。その理由としては、やはり今年ならではの新型コロナウイルスの影響が関係していると考えられます。
屋外施設同様、出かけたい理由、出かけたくない理由について自由回答で尋ねています。まずは出かけたい派の意見から。
- ずっと自宅では気分転換もできず子供もストレスになるため、寒さの気にならない屋内施設に外出したい
- 寒いけど、走り回りたいため
- 予定が立てやすい。天気に左右されない
- なるべく人が多くならない場所なら検討する
やはり天候に左右されず、冬でも暖かく過ごせるという理由から屋内施設に出かけたいと思う方は多いようです。
では、出かけたくない派の意見はどうでしょうか。
- コロナやインフルエンザが怖い(多数)
- 感染症になりやすい時期だから
- 室内はいつでも行けるから別に冬じゃなくてもよく、冬にしかできないことをさせたい
やはり、多く見られたのがウイルスに対しての恐怖心でした。
では、親はどのような対策を屋内施設に求めているのでしょうか。
- 密の対策など(換気や人数・時間調整、定期的な清掃)がされていれば行きたいです
- 入場制限の徹底で密の回避
- 人がいなければ行きたい
- 寒いけど換気。こまめな消毒、、、できればどのくらいのペースで消毒しているかとか知りたい
- 対策を提示して欲しい
- 混雑状況の表示
世間で提示されているウイルス対策の“密”の回避や消毒を徹底する、対策の見える化がされていれば、より屋内施設に出かけたいと思えるとのことでした。
その感染予防対策のニーズについての調査結果がこちら。

出典:いこーよ10月ユーザーアンケート
70%の親が求めているのが「混雑情報の配信」。“密”を避けたい思いからリアルタイムの混雑状況を見て人が少ない時間帯に遊びに行きたいと思っている親が多いようです。
次点で「店内換気の頻度UP」「定期消毒の頻度UP」が続き、夏~秋よりも冬のほうがウイルスに対する警戒心があがっていることがわかります。
また「加湿器の設置・増設」を求めている声もありました。まだ未導入のものがあれば、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
屋外型遊園地の感染症対策の実施の認知
とはいえ、すでに多くの施設が感染症の対策を実施されていると思います。そのことはユーザーにちゃんと届いているのでしょうか。今回は屋外型の遊園地に対しての認知率で調査してみました。

出典:いこーよ11月ユーザーアンケート
結果、93%が「知っている」と回答。今回は屋外型遊園地に限定して調査しましたが、ジャンル問わず多くの施設さんがきちんと感染症対策を行っていることを、ほとんどの親が認知していると言えます。
ただ、感染対策にもコストはつきもの。感染対策実施による料金の値上げは理解されるのでしょうか。その調査結果がこちら。

出典:いこーよ11月ユーザーアンケート
約8割の親が「値上げしてもいい」と回答。親にとっては子供が第一。安心安全に遊べる対策がきちんと実施されるためであれば、多少の負担は仕方がないと考えてもらえているようです。
お出かけ市場レポート総括
以上について、簡単にまとめると
- 11月になり新型コロナウイルス拡大への不安増の兆し
- 1~2月のお出かけはコロナ対策と寒さ対策が求められている
- 冬ならでは、冬を楽しむイベントなどがあれば出かけたい
- 感染防止対策の認知は意外と高く、ある程度の値上げも納得している
- 混雑情報配信や換気・消毒頻度UPのニーズ
といったお出かけ市場となりました。