2020年10月公開(9・10月分データ)「秋のお出かけに関する意識変動とGoToトラベル活用意向について」

夏のお出かけ特需も終わり、多くのレジャー施設が秋冬の閑散期へと近づいていく9月。今年はコロナ禍で迎える初めての秋レジャーシーズンとなりました。ユーザーのお出かけ意欲の変動や4連休での行動、またGoToトラベルの活用意向について、いこーよのデータ等から分析・考察してみました。

目次

9月のお出かけに関する市場データ・分析

2020年9月の4連休について

Go To トラベルの利用意向について

お出かけ市場レポート総括

9月のお出かけに関する市場データ・分析

以下グラフは、2020年4月からのいこーよサイト閲覧数(お出かけ施設ページのみ)と、2019年(コロナ前)の閲覧数を比較したものです(2019年を100%として比較)。お出かけ意欲の増減をみるひとつの指標として活用しています。

いこーよのサイト月次セッション比較

※新型コロナの影響を受けていない2019年のデータをベンチマークとして比較。

出典:Google Analyticsより

2020年の4月5月は緊急事態宣言が大きく影響し、昨年の4分の1から3分の1程度のセッション数にとどまりました。しかし、6月以降は50%を超え、徐々に回復してきています。

続いて、いこーよサイトの回遊率について。以下グラフは、2020年4月からのいこーよサイト内の回遊率(サイト内の複数のページを巡って閲覧する率)を、コロナ前の2019年と比較したものです(2019年を100%として比較)。回遊率が高いほどユーザーのお出かけ意欲が高く、複数の施設からお出かけ先を積極的に検討していることを表します。

いこーよのサイト回遊率比較

※新型コロナの影響を受けていない2019年のデータをベンチマークとして比較。

出典:Google Analyticsより

4月5月が通常期比60%前後まで落ち込んだのに対し、9月には84%まで戻っています。つまり、4月5月頃よりもユーザーは積極的にお出かけ先を探している(お出かけ意欲が回復している)と言えます。

続いて、新型コロナウィルスの感染リスクに対する考えを時系列でみたデータがこちらです。まずは屋内施設へのお出かけ意向について。

屋内施設のお出かけ意向推移

出典:いこーよユーザーアンケートより

4月時点では「決して遊びに行きたくない」が40%、「なるべく遊びに行きたくない」が47%と「遊びに行きたくない」と思っている親子が90%近くもいました。それに対して、最新のデータでは「決して遊びに行きたくない」が5%、「なるべく遊びに行きたくない」が25%、あわせて30%という結果に。反対に、「積極的に遊びに行きたい」が4%、「遊びに行きたい」が37%であわせて41%となり、「遊びに行きたくない」層より「遊びに行きたい」層が上回るまで状況が回復しました。

同様に、屋外施設について尋ねた結果がこちら。

屋外施設のお出かけ意向推移

出典:いこーよユーザーアンケートより

こちらも4月時点では「決して遊びに行きたくない」が15%、「なるべく遊びに行きたくない」が43%であわせて60%近くだったものが、最新のデータでは4%と12%に。合わせても20%にも満たない結果となっています。「積極的に遊びに行きたい」「遊びに行きたい」に関しても、4月時点では17%だったものが63%まで跳ね上がり、回復傾向が見られます。

屋内施設と屋外施設のお出かけ意欲推移

出典:いこーよユーザーアンケートより

屋内施設と屋外施設を比較した場合、屋内施設の方がよりネガティブな傾向が残っている事が分かります。しかし、どちらも回復傾向にある事は間違いなさそうです。

2020年9月の4連休について

4連休となった2020年の9月。ファミリーはどのように過ごしたのでしょうか。

9月の4連休のお出かけ有無

出典:いこーよ10月ユーザーアンケート

55%が「出かけた」と回答。「出かけた」割合が少し上回るものの、「出かけた派」と「出かけなかった派」が大きく2分する形となりました。

次に、「出かけた」と回答した家族に「出かけた回数」について尋ねたところ、75%のユーザーが2回以上出かけていた事が分かりました。

9月の4連休のお出かけ回数

出典:いこーよ10月ユーザーアンケート

「出かけた派」と「出かけなかった派」が半々にはなったものの、出かけたファミリーの多くは連休中に複数回、積極的に出かけていたようです。

さらに、4連休のお出かけ内容についても尋ねてみました。

9月の4連休のお出かけ内容

出典:いこーよ10月ユーザーアンケート

結果、「県内へ日帰りで出かけた」という層がもっとも多くなりました。しかし、少ないながらも県外へのお出かけや宿泊を伴ったお出かけをした家族もおり、徐々に遠出のお出かけをする層も増えてきている事が分かります。

では、具体的なお出かけ先はどのような施設だったのでしょうか。

9月の4連休のお出かけ先

出典:いこーよ10月ユーザーアンケート

多かった回答が「動物園・サファリパーク・牧場」「遊園地・テーマパーク」「水族館・植物園」でした。8月の市場データでは「川遊び」などの“自然の中で遊ぶ事”を選択するファミリーが多かったのに対し、9月には上記のようなお出かけ施設に遊びに行くファミリーも増えてきているようです。

Go To トラベルの利用意向について

続いて、政府が2020年7月からスタートしたGo To トラベルキャンペーンの利用状況・利用意向について調査した結果を紹介します。

※Go To トラベル事業とは、旅行需要の回復やウィズコロナ時代における「新しい生活様式」に基づく旅のあり方の普及、定着を目的で実施する事業。国内旅行の旅行代金の35%を割り引くとともに、15%分の旅行先で使える地域共通クーポンの配布を行なう。上限は1人1泊2万円(日帰りは1万円)で、利用回数の制限はない。

※第1弾が2022年7月22日~9月30日まで。地域共通クーポンなし。東京は対象外。第2弾が2022年10月1日~12月28日に一時停止。地域共通クーポンあり。

GoToトラベルキャンペーンの利用意向・状況

出典:いこーよ10月ユーザーアンケート

25%が「利用した」、37%が「今後利用する予定が既にある」、28%が「今利用予定はないが利用したい」と回答。つまり、90%のユーザーがGo Toトラベルキャンペーンに意欲的である事が分かります。

続いて、先程のグラフを東京都とそれ以外の都道府県に分けて見てみました。

GoToトラベル利用意向の東京とそれ以外の比較

出典:いこーよ10月ユーザーアンケート

すると、東京都はキャンペーン開始が遅れた事もあり、「利用した」割合は他都道府県に比べて低くなりました。しかし「今後利用する予定がある」「利用したい」の合計が8割となり、今後東京住まいの方がキャンペーンを利用して積極的にお出かけする事が予想されます。

はたして、このGo To トラベルキャンペーンはファミリー層のお出かけの後押しとなったのでしょうか。

GoToトラベルキャンペーンの旅行後押し状況

出典:いこーよ10月ユーザーアンケート

もともといこーよにはお出かけ意欲の高いユーザーが集まっている事もあってか、約半数は「Go Toトラベルがなくても出かけた」と回答していますが、それでも半数が「Go To トラベルがなければ日帰りお出かけにした」「Go To トラベルがなければ出かけなかった」と回答している事からも、このキャンペーンは、十分ファミリーお出かけの後押しになったと言っても良いのではないでしょうか。

Go To トラベルは通常の値段より格安で宿泊や買い物が出来るお得なキャンペーンです。そこで浮いた費用はどのように使用されたのでしょうか。

GoToトラベルを利用したからこそ奮発したこと

出典:いこーよ10月ユーザーアンケート

多かった回答は「宿のランクを上げた」「部屋のランクを上げた」などの宿泊施設のランクアップでしたが、注目したいのは「なかなか行くことのない場所を旅行先に選んだ」「現地の飲食店での食事を豪華にした」など、旅行先で宿泊料金ではない他の部分に費用を使用したファミリーが多くいたという点です。

併せて、Go To トラベルキャンペーンを利用した旅行先で出かけた施設ジャンルについても聞いてみました。

GoToトラベルキャンペーンの旅行先で利用した施設

出典:いこーよ10月ユーザーアンケート

「水族館・植物園」「遊園地・テーマパーク」「プール・海水浴場」「動物園・サファリパーク・牧場」が上位に入り、自然遊びだけでなく様々なお出かけ施設が利用された事が分かりました。

お出かけ市場レポート総括

以上について、簡単にまとめると2020年の秋は

  • お出かけ意欲がさらに回復
  • 複数のお出かけ先から行き先を検討するファミリーが復活
  • 4連休は出かけた派と出かけなかった派に2分したが、出かけた派は複数回お出かけ
  • まだ県内お出かけがメインではあるものの、動物園・サファリパーク、遊園地・テーマパークなど自然以外の屋外施設に訪問したファミリーも
  • Go To トラベルの利用状況と利用意向は高く、東京は今後の予定が大!
  • Go To トラベルで予算が浮いた分、他の費用を奮発
  • 旅行先でも水族館、遊園地、動物園・サファリパークなど多くの施設に訪問

といったお出かけ市場となりました。

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