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▶6月になり、コロナ禍以降初めて、おでかけ市場がコロナ前のレベルにまで回復
▶屋内、屋外ともに「遊びに行きたくない」という割合が1割未満に低下
6月後半となり、沖縄に続き関東でも、今週早くも梅雨明けの予測がされています。また、新型コロナの感染状況に関しては落ち着きを見せており、東京都民割の「もっとTokyo」をはじめ、旅行やおでかけ支援のキャンペーンの話題がニュースを賑わせています。一方、厚生労働省から公共の場のマスク着用が必要ない場面についての指針が出されるなど、新型コロナ感染対策の緩和が少しずつ進んでいるのが感じられます。そこで今回は、6月に入りおでかけ意欲がどの程度回復したのか、また、マスクの着用に対する意識が現状どうなっているのかなどについて調査・分析をしてみました。
▶6月になり、コロナ禍以降初めて、おでかけ市場がコロナ前のレベルにまで回復
▶屋内、屋外ともに「遊びに行きたくない」という割合が1割未満に低下
以下グラフは、2020年4月からのいこーよサイト閲覧数(おでかけ施設ページのみ)と、2019年(コロナ前)の閲覧数を比較したものです(2019年を100%として比較)。おでかけ意欲の増減をみるひとつの指標として活用しています。
6月の現時点で対2019年比が102%と、コロナ禍になって初めて2019年と同じレベルにまで回復しました。
※直近の6月のデータは、分析時点の6月中旬までのデータを使用。
※2021年3月以降は、昨対比ではなく、新型コロナの影響を受けていない2019年3月~2020年2月のデータをベンチマークとして比較。
出典:Google Analyticsより
以下は、Google Trends(ある単語がどのくらいGoogleで検索されたのかを表した推移データ)で、「コロナ」の検索数の推移を見たものです。ゴールデンウィーク前から下がり始めていた「コロナ」への関心が引き続き低下しており、上昇の気配はありません。
出典:Google Trendsより
「おでかけ」のワードの検索回数は、6月に入り梅雨の影響もあり5月よりやや低めですが、順調に推移しています。
出典:Google Trendsより
夏休みを前に、「旅行」ワードが非常に多く検索されており、関心が非常に高くなっていることがわかります。
出典:Google Trendsより
続いて、新型コロナウィルスの感染リスクに対する考えを時系列で比較したデータがこちらです。「とても怖い」という割合が計測し始めてから一番低く、11%にまで縮小しました。「全く気にしていない」、「あまり気にしていない」の合計も23%とこの2年間で最も高くなり、感染リスクに対する恐怖意識が低くなってきているのがわかります。
出典:いこーよ6月ユーザーアンケートより
同じく時系列で見ている屋内施設へのおでかけ意欲に関するデータでも、「積極的に遊びに行きたい」と「遊びに行きたい」の割合が過去2年で最も多く、「なるべく遊びに行きたくない」、「決して遊びに行きたくない」も8%と1割を切りました。
出典:いこーよ6月ユーザーアンケートより
屋外施設へのおでかけ意欲についても、92%以上が「積極的に遊びに行きたい」「遊びに行きたい」と回答しており、コロナを理由に屋外施設に「行きたくない」という人はほぼいないという状況と思われます。
出典:いこーよ6月ユーザーアンケートより
おでかけ施設での、回答者自身(大人)のマスク着用状況について聞いてみました。「人の有無にかかわらず屋内でも屋外でも着用している」という人が62%と最も多くなり、状況にかかわらずとにかくマスクをしている人が多数いるという結果に。実際の行動とは別に、マスクの着用に関して「どうしたいか」についても聞いたところ、「人の有無にかかわらず屋内でも屋外でもまだ着用したい」は36%と非常に低くなり、本音では周りの様子を見ながらマスクを外していきたいと考えている人が多くいることがわかりました。
出典:いこーよ6月ユーザーアンケートより
続いて、子どものマスク着用についても聞いたところ、大人と比べて子どもの方がマスク着用の比率は低く、「人の有無にかかわらず屋内でも屋外でも着用させている」という人は30%でした。「屋外で人が少ない場合は着用させてない」、「屋内でも屋外でも人が少ない場合は着用させていない」という割合が大人よりも高く、周りの様子をみながら子どものマスクをつけ外しさせている保護者が多くいることがわかりました。そのため、実際の行動と本音の意見との差も大人ほどは大きくなく、すでに状況をみながら保護者の判断で子どものマスクを外させるようにしている様子が見られます。
出典:いこーよ6月ユーザーアンケートより
おでかけ意欲の増減をみるひとつの指標としている「いこーよ」サイトの月次セッションが、コロナ禍になってから初めて2019年比で100%を超えました。新型コロナに関する恐怖意識もこの2年の中では最も低くなり、順調におでかけ市場の回復が見られます。
マスクに関しては、大人は屋内でも屋外でも着用していると回答している人が多いのですが、子どものマスクに関しては屋内や屋外、周りにいる人の数などで保護者が判断し、着用させたり外させたりと調整している様子が見られます。
夏休みに向けておでかけや旅行の計画を立てている家族が多くいると思われますが、今年の夏休みはコロナ禍以前もしくはそれ以上におでかけ市場が盛り上がることを期待しています。