2020年9月公開(8・9月分データ)「コロナ禍の夏休みのお出かけに関する市場データ分析」

本来であれば、お出かけ市場がもっとも活性化するはずだった8月。今年の夏は過去に誰も経験した事のない環境の中で迎える事となりました。コロナ、猛暑、自粛など、様々な逆風を受けたお出かけ市場について、いこーよのデータ等から分析・考察してみました。

目次

新型コロナウイルス発生以降の世間の動き

2020年の夏休みの状況

2019年と2020年での検索ワードの違い

2020年の夏のお出かけ状況

お出かけ動向・お出かけ意識の推移

お出かけ施設に求めるウイルス対策

お出かけ自粛に対する意識の変化

お出かけ市場レポート総括

新型コロナウイルス発生以降の世間の動き

新型コロナウイルス流行以降、感染防止対策として外出や越県の自粛要請が出されました。以下は、コロナウイルスが発生してからの動きを時系列でまとめたデータです。

1月28日 日本人の初感染が発表
2月26日 イベントの中止、延期、規模縮小を要請
2月27日 全国の小中高校などを臨時休校
3月24日 東京五輪・パラリンピックの延期
4月7日  東京、大阪、福岡など7都道府県を対象に緊急事態宣言
4月16日 緊急事態宣言の対象を全国に拡大
5月4日  緊急事態宣言を5月31日まで延長
5月14日 政府 緊急事態宣言39県で解除。8都道府県は継続
5月21日 緊急事態宣言関西解除。首都圏と北海道は継続
5月25日 緊急事態の解除宣言。全国で解除
6月2日  東京アラート。都民に警戒呼びかけ
6月19日 都道府県をまたぐ移動の自粛要請、全国で緩和
7月4日  東京都が越県自粛を要請
7月22日 Go To トラベルキャンペーン始まる
8月1日  沖縄県緊急事態宣言発出
8月21日 政府感染症対策分科会が第2波ピークは7月末と見解発表
9月4日  沖縄県緊急事態宣言終了
9月10日 東京都コロナ警戒レベル引き下げ 23区飲食店営業短縮15日終了
9月19日 イベント5000人以上解禁予定(9/18時点)
10月1日 Go To トラベル 東京追加予定(9/18時点)

※青字が事態好転、赤字が事態悪化

2020年の夏休みの状況

2020年の7月は第2波真っ只中でした。その影響で子どもたちの夏休みが短縮された地域が多くありました。

夏休み日数別の学校数

文部科学省のデータによると、夏休みの短縮がなかった公立学校は73校とかなり少なく、もっとも多かったのが16日に短縮した学校でした。

また、2015年以降の8月の平均気温データがこちら。

2015年以降の8月の平均気温データ

この6年を比較しても、2020年の8月はかなり高い気温となりました。

コロナウイルス流行の影響によって子どもの夏休みが短縮され、気温も高かった2020年の8月、ファミリー層のお出かけ動向にどのような変化があったのか見ていきましょう。

2019年と2020年での検索ワードの違い

まずは、いこーよのサイト流入上位20ワードを2019年と2020年で比べてみました。

2019年と2020年のいこーよサイト流入ワードトップ20

出典:Google Analyticsより

すると、2019年では1位、14位、17位と複数挙がっていた「夏休み」×「お出かけ」というワードが2020年では9位にひとつだけという結果に。これは、2020年がコロナウイルスの影響で様々な施設が営業を自粛していたり、人数制限をおこなっていた影響で、漠然と夏休みに出かける場所を探すのではなく、遊ぶ場所・施設を決め、特定の施設名や施設ジャンルで検索したユーザーが多かった事による影響と思われます。

また、2019年は「場所」×「プール」ワードが多く検索されていた一方、2020年は「場所」×「川遊び」のワードが多く検索されました。こちらもコロナウイルスの影響で多くのプールが営業を自粛していたり、海開きがおこなわれなかった事で、プールや海といった選択肢のなくなった多くのファミリーユーザーが、暑い夏を少しでも涼しく楽しく過ごすために、自然の中で遊べる「川遊び」を選択した結果といえるでしょう。

また、別角度からの検証として、Google Trendsで「キャンプ」「川遊び」「夏休み」「プール」の検索推移を見たところ

Google Trendsによる「キャンプ」「川遊び」「夏休み」「プール」の検索数推移

出典:Google Trendsより

2020年は、アウトドアの「キャンプ」や「川遊び」ワードの検索数が前年までと比べてかなり増加している一方で、「夏休み」や「プール」ワードは大きく減少している事が分かります。

2020年の夏のお出かけ状況

実際の夏休みのお出かけ状況を調べるために、いこーよユーザーにアンケートを採ってみました。

まずは、日帰りのお出かけから。

2020年夏の日帰りおでかけ頻度

出典:「いこーよ」ユーザーアンケートより

2019年は、「ほぼ毎日」「2~3日に1回ほど」と回答したユーザーが約30%いたのに対し、2020年は10%にも満たない結果となりました。また「2週間に1回ほど」「1ヶ月に1回ほど」と回答した、比較的お出かけ頻度の低いユーザーの数は、2019年に比べて2020年は倍に増えています。この事からも、やはり2020年の夏休みは多くのファミリーがお出かけ自粛傾向にあったという事が分かります。

続いて、宿泊を伴ったお出かけの状況について。

2020年夏休みの宿泊おでかけの有無

出典:「いこーよ」ユーザーアンケートより

2019年は「行っていない・予定はない」と答えたユーザーが28%だったのに対し2020年は50%に増え、旅行をした場合でも「国内(居住都道府県外)」に行ったファミリーが2019年の54%から2020年は32%と減少しています。

2020年夏休みの宿泊日数

出典:「いこーよ」ユーザーアンケートより

さらに、距離だけではなく宿泊日数に関しても大きな影響があったようで、旅行に行ったユーザーも「1泊」に留めたファミリーが60%。「3泊以上」はいずれも大きく減っています。

また、自身の所在地域の情報閲覧ページ割合をいこーよサイトのアクセスデータで見てみると

自分の所在都道府県内のお出かけ情報を閲覧する割合

出典:「いこーよ」ユーザーアンケートより

すべての地域において、所在都道府県の閲覧数が2019年よりも伸びていました。やはり別の角度から検証してみても、2020年、多くのファミリーは、県外ではなく所在県内を中心にお出かけしていた事が読み取れます。

お出かけ動向・お出かけ意識の推移

続いて、全体のお出かけ動向に関して分析してみます。

いこーよサイトセッション数推移

出典:Google Analyticsより

上記は、いこーよにアクセスしたセッション数の推移です。2020年4月は緊急事態宣言が発令された影響により大きく落ち込んでいます。しかし、5月以降少しずつ回復している事が分かります。

新型コロナウイルスの感染リスクに対する考え

出典:「いこーよ」ユーザーアンケートより

また、上記はいこーよのユーザーアンケートにてコロナウイルスの感染リスクに対する考えについて調査した結果です。2020年4月に「とても怖い」もしくは「怖い」と回答したユーザーが96%だったのに対し、月日が経つごとに徐々に減り、8月には79%となりました。

屋内施設と屋外施設のお出かけ意向の比較

出典:「いこーよ」ユーザーアンケートより

さらに、お出かけ意向の調査として「屋内施設に行きたいと思うか」「屋外施設に行きたいと思うか」について尋ねたところ、屋内屋外拘わらず2020年4月から8月にかけて、「遊びにいきたくない」から「遊びにいきたい」へ大きくユーザーの気持ちが変化している事が分かります。

お出かけ施設に求めるウイルス対策

同時に、どんな対策がされたらおでかけ施設に遊びに行きたいと思うか?についても屋内屋外それぞれ尋ねてみました。

屋内施設にどんな対策がされたら行きたいか

出典:「いこーよ」ユーザーアンケートより

屋外施設にどんな対策がされたら行きたいか

出典:「いこーよ」ユーザーアンケートより

屋内・屋外両方で同様の結果に。「対策されていても行きたくない」と答えたユーザーの割合が4月に比べ段々減少し、「遊具の除菌」や「除菌グッズの設置」がしてあれば「遊びに行きたい」と考えているファミリーが増えています。

お出かけ自粛に対する意識の変化

最後に、ユーザーのお出かけ「自粛」に対する意識についてGoogle TrendsとYahoo!リアルタイム検索で見てみると

「コロナ」や「自粛」といったワードの検索数はピーク時に比べ8月以降はどんどん減っています。同時に、ツイート数に関しても右肩下がりになっている事が分かります。

お出かけ市場レポート総括

以上について簡単にまとめると、2020年の夏は

  • 「新型コロナウイルス」「大幅な夏休みの短縮」「過去5年で一番暑い夏」と、いつもと違う夏だった
  • キャンプや川遊びなどアウトドアのお出かけ先が人気となった
  • 日帰りのお出かけは低頻度に、宿泊を伴う旅行は日数を少なくして近くの場所へといったマイクロツーリズムがトレンドになった
  • ただし、9月時点でのお出かけ意欲は徐々に回復
  • 「自粛警察」的な動きも低下
  • 施設に求められているウイルス対策は「遊具の除菌」「除菌グッズの設置」「人数制限」

といったお出かけ市場となりました。

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