2022年4月公開分(3・4月分データ)「GWに向けてお出かけや旅行への関心がますます高まる傾向」

一部の地域では第7波の到来を懸念する動きも見られますが、都市部を中心に新型コロナウィルス感染者は減少が続いています。大手旅行会社ではゴールデンウィークに向けて海外旅行のパック商品の予約が開始されるなど、コロナ禍になってから久しぶりに通常生活に戻りつつある様子も見られます。そこで今回は、ゴールデンウィークに向けてお出かけ意欲がどのように変化しつつあるのか、また、3月にスタートした5~11歳向けの新型コロナワクチンの接種状況などについて調査・分析をしてみました。

目次

オミクロン株への関心は低下、お出かけや旅行への関心がますます高まる傾向

お出かけ意欲は回復しつつも、昨年12月のデルタ株終焉時期のレベルまでには未達

新型コロナ感染リスク不安はまだ完全払拭されていないが、屋内、屋外ともにお出かけ意欲回復傾向

ゴールデンウィークも積極お出かけ予定、お出かけしないと答えたユーザーは僅か7%

新型コロナ小児ワクチンへの接種対応が大きく分かれる

お出かけ市場レポート総括

オミクロン株への関心は低下、お出かけや旅行への関心がますます高まる傾向

以下は、Google Trends(ある単語がどのくらいGoogleで検索されたのかを表した推移データ)で、「オミクロン」の検索数の推移を見たものです。春休み前から下がり始めていた「オミクロン」への関心が引き続き低下しています。

GoogleTrendsでの「オミクロン」の検索数推移

出典:Google Trendsより

それに伴い、「自粛」のワードも低下しています。

GoogleTrendsでの「自粛」の検索数推移

出典:Google Trendsより

ただし、「コロナ」への関心については、昨年11~12月頃のもっとも低下していた時期と比べるとまだまだ下がり切ってはおらず、世間一般でコロナ不安等が完全に払しょくされているとは言えない状況です。

GoogleTrendsでの「コロナ」の検索数推移

出典:Google Trendsより

3月に続き、「おでかけ」と「旅行」のワードが多く検索されるようになり、お出かけ意欲がますます高まってきている状況です。

GoogleTrendsでの「おでかけ」の検索数推移

出典:Google Trendsより

GoogleTrendsでの「旅行」の検索数推移

出典:Google Trendsより

お出かけ意欲は回復しつつも、昨年12月のデルタ株終焉時期のレベルまでには未達

以下グラフは、2020年4月からのいこーよサイト閲覧数(お出かけ施設ページのみ)と、2019年(コロナ前)の閲覧数を比較したものです(2019年を100%として比較)。お出かけ意欲の増減をみるひとつの指標として活用しています。

2月以降にオミクロン株の感染がピークアウトし、現時点では対2019年比約80%まで回復してきています。昨年末の11~12月頃の、デルタ株終焉時期のレベルと比べるとまだ回復の余地がある状況ですが、今後夏に向けてさらに回復していくことが期待されます。

いこーよのサイト月次セッション比較

※直近の4月のデータは、分析時点の4月中旬までのデータを使用。
※2021年3月以降は、昨対比ではなく、新型コロナの影響を受けていない2019年3月~2020年2月のデータをベンチマークとして比較。

出典:Google Analyticsより

新型コロナ感染リスク不安はまだ完全払拭されていないが、屋内、屋外ともにお出かけ意欲回復傾向

続いて、新型コロナウィルスの感染リスクに対する考えを時系列で比較したデータがこちらです。2月にオミクロン株の影響で再び増加していた「とても怖い」という割合が、4月になり大きく減少しました。ただし、「怖い」という人はまだ5割を超えており、昨年12月のレベルにまで回復するにはもう少し時間がかかりそうです。

新型コロナ感染リスクについての意識

出典:いこーよ4月ユーザーアンケートより

同じく時系列で見ている屋内施設へのお出かけ意欲に関するデータでも、「積極的に遊びに行きたい」と「遊びに行きたい」の割合が増加し、順調に回復していきているのがわかります。

屋内施設へのおでかけ意欲について

出典:いこーよ4月ユーザーアンケートより

屋外施設へのお出かけ意欲についてはコロナ禍になってからはもっとも高く、「積極的に遊びに行きたい」「遊びに行きたい」を合わせると90%近くに達しています。

屋外施設へのおでかけ意欲について

出典:いこーよ4月ユーザーアンケートより

ゴールデンウィークも積極お出かけ予定、お出かけしないと答えたユーザーは僅か7%

ゴールデンウィークのお出かけ予定について聞いた質問では、「まだ決めていない」が42%と多いものの、「日帰りのお出かけをする」が33%、「宿泊を伴ったお出かけをする」が29%で、「お出かけをしない」と答えたユーザーの割合はわずか7%でした。

GWのおでかけ予定について

出典:いこーよ4月ユーザーアンケートより

続いて、ゴールデンウィークにお出かけしたい」と回答したユーザーに、予定しているお出かけ先について聞いてみました。もっとも多いのは「公園」ですが、その他「遊園地・テーマパーク」、「動物園・サファリパーク」など、多くの施設ジャンルがお出かけ先としてあがっています。

さらに、2年前の2020年3月上旬にゴールデンウィークのお出かけについて同様の質問した際の結果と比べてみました。2020年3月上旬は、日本で新型コロナの感染が拡がり始めた時期で、その時点ではその年の春休みやゴールデンウィーク、更にはその後2年におよんで新型コロナの影響を受け続けることになるとは想像もしていなかったこともあり、比較的通常時の感覚でその年のゴールデンウィークのお出かけ先について回答がされていた時期です。それを踏まえると、今回の結果と2020年3月の結果を比べてお出かけ先のジャンルに大きく違いがないことは、コロナ禍になって2年以上経過し、ようやくお出かけに関する意識や感覚が元に戻りつつあることを感じさせます。

一点、グラフでは2020年と比べて「ショッピング」のみ大きく減少していますが、今回の設問で「室内遊び場」を個別の選択項目に追加した事で、屋内キッズパークなど、大型ショッピングモールに入っている施設へのお出かけが、「ショッピング」と分散した可能性は否めず、「室内遊び場・ショッピング」を合わせた数値を踏まえると、実際は「微減」と捉えるべきかもしれません。

とはいえ、コロナ禍にオンラインで買い物をすることが習慣化したことや、お出かけが自粛されるなか、日常品の購入も含めたショッピングがコロナ禍の「お出かけ」の代わりとなっていたことで特別感が感じられなくなったことなどの背景も少なからずあるのではないかと推測されます。

GWのおでかけ予定(2020年との比較)

※1 2022年のアンケートでのみ質問
※2 2020年では「アスレチック・総合公園」として質問

出典:いこーよ4月ユーザーアンケートより

新型コロナ小児ワクチンへの接種対応が大きく分かれる

最後に、今後のファミリーお出かけに影響を与えるであろう、新型コロナの5~11歳向けの小児接種について聞いてみました。

該当する年齢の子どもがいる人だけに回答を絞って結果をみると、「接種済み」が13%で、「今後接種する予定」の18%と合わせて31%が接種に前向きでした。一方、「検討中」は38%、「接種しない」が31%となっており、ちょうどそれぞれの意見・状況が3分の1ずつに分かれるという結果となりました。

自由回答をみると、学校など集団生活を安全にすごさせたい、自由に遊ばせてあげたいので接種をさせたという意見や、反対に未知のワクチンへの不安が払しょくされないので接種しないことに決めたという意見など、それぞれ悩み考えながら決断した様子が伺えます。(詳細は5~11歳の新型コロナ小児ワクチンに関するアンケート結果

5~11歳の新型コロナ小児ワクチン接種状況

出典:いこーよ4月ユーザーアンケートより

お出かけ市場レポート総括

春休みに引き続き、ゴールデンウィークに向けてもお出かけ意欲が盛り上がってきました。各データを見る限り、コロナ不安を完全に払しょくというレベルまでは行かないまでも、だんだんコロナ前の状況に戻りつつあるのが確認できます。

第7波の懸念が心配される地域も見られますが、岸田首相は4月13日に参院本会議で、「直ちにまん延防止等重点措置が必要な状況とは考えていない」とコメントしています。また、山際経済再生担当相は4月19日の閣議後記者会見で、「新型コロナウィルスの感染が現在の状況のまま続けば、4月末からの大型連休で移動の自粛を呼びかけるなどの制限を求めない」と回答しており、2年超ぶりにお出かけ市場に通常の賑わいが戻ってくることが期待されます。