2021年6月公開(5・6月分データ) 「3回目の緊急事態宣言後のお出かけ意欲について」

6月20日をもって、沖縄県を除く3回目の緊急事態宣言が解除されました。これから夏休みに向け、ユーザーのお出かけ需要もどんどん高まってくるのではないでしょうか。そこで今回は、緊急事態宣言解除前後のお出かけ状況や意欲、また、今後どのようになったら自由にお出かけするようになるのか?等のユーザーアンケート結果から、お出かけ市場の状況について分析してみました。

目次

ユーザーのお出かけ意欲が急激に回復傾向に

新型コロナ感染リスクへの恐怖意識も低下

お出かけ意欲上昇も、旅行等遠出のお出かけはまだ様子見

旅行等の遠出のお出かけに自由に行くのは、全体的に新型コロナ感染状況が落ち着いてから

今年度も学校行事の延期や中止は多いが、状況を見極めて判断しようとしている様子が見られる

2021年6月のお出かけ市場レポート総括

ユーザーのお出かけ意欲が急激に回復傾向に

以下グラフは、昨年4月からの1年間のいこーよサイト閲覧数(お出かけ施設ページのみ)と、2019年(コロナ前)の閲覧数を比較したもの(2019年を100%として)です。

5月に3回目の緊急事態宣言が発令され、いこーよサイト閲覧数が再び大きく落ち込んでいましたが、その後5月6月と大きく回復してきています。6月20日をもって沖縄県を除く都道府県の緊急事態宣言が解除されたことも後押しし、今後夏に向けてお出かけ意欲が上昇していくと思われます。

いこーよの月次セッション数の推移グラフ

※直近の6月のデータは、分析時点の6月中旬までのデータと同時期の2019年データと比較。
※2021年3月以降は、昨対比ではなく、新型コロナの影響を受けていない2019年3月~2020年2月のデータをベンチマークとして比較。

出典:Google Analyticsより

続いては回遊率データについて。以下グラフは、この1年のいこーよサイト内の回遊率(サイト内の複数のページを巡って閲覧する率)を、コロナ前の2019年と比較したもの(2019年を100%として)です。

回遊率が高いほどユーザーのお出かけ意欲が高く、複数の施設からお出かけ先を積極的に検討していることを表します。この回遊率のデータにおいても、緊急事態宣言の影響により4月に落ち込みが見られたものの、5月6月と順調に回復してきています。

いこーよの月次回遊率の推移グラフ

※直近の6月のデータは、分析時点の6月中旬までのデータと同時期の2019年データと比較。
※2021年3月以降は、昨対比ではなく、新型コロナの影響を受けていない2019年3月~2020年2月のデータをベンチマークとして比較。

出典:Google Analyticsより

新型コロナ感染リスクへの恐怖意識も低下

定期的に調査を実施している「新型コロナウィルスの感染リスクに対する考え」のデータが以下となります。ワクチン摂取が進んできていることも影響しているのか、6月の速報値では新型コロナウィルスが「とても怖い」と回答した人が過去もっとも少なくなり、明らかにユーザーの意識が変化している事が分かります。

新型コロナウイルス感染リスクに対する考えの推移グラフ

出典:いこーよお出かけに関する6月のアンケートより

屋内施設へのお出かけ意向に関するアンケート結果が以下。「遊びに行きたくない(決して+なるべく)」が減ってきており、調査をスタートしてから初めて3割を切りました。

屋内施設へのおでかけ意向に関するアンケート結果の推移グラフ

出典:いこーよお出かけに関する6月のアンケートより

同様に、屋外施設へのお出かけ意向を聞いた結果が以下となります。屋外施設へのお出かけ意向は、屋内施設と比べてもともと高い傾向にありますが、6月は梅雨時期ということもあり、4月と比べるとそれほどお出かけ意欲の上昇は見られません。

屋外施設へのおでかけ意向に関するアンケート結果の推移グラフ

出典:いこーよお出かけに関する6月のアンケートより

お出かけ意欲上昇も、旅行等遠出のお出かけはまだ様子見

Google Trends(ある単語がどのくらいGoogleで検索されたのかを表した推移データ)で、「コロナ」の検索数の推移を見たのがこのグラフです。4月頃に第4波で上昇したコロナに対する意識が、6月になり急速に低下してきています。

「コロナ」の検索数の推移グラフ

出典:Google Trendsより

一方、「自粛」の検索数推移をみると、4月の緊急事態宣言頃にやや上昇した意識が、6月に入り急速に低下してきており、ユーザーの自粛意識は非常に低くなっています。

「自粛」の検索数の推移グラフ

出典:Google Trendsより

そして、「お出かけ」の検索については非常に顕著に伸びています。今後更に伸びることがGoogle Trends上でも予測されています。

「お出かけ」の検索数の推移グラフ

出典:Google Trendsより

一方、「旅行」に関してはまだ明確な上昇は見られず、前述の「近場のお出かけ」意欲が回復しているグラフとは対照的な結果です。旅行は県をまたぐような遠出のお出かけになることが多く、まだ多くの人が様子見している状況であると考えられます。

「旅行」の検索数の推移グラフ

出典:Google Trendsより

旅行等の遠出のお出かけに自由に行くのは、全体的に新型コロナ感染状況が落ち着いてから

新型コロナウィルスの感染状況がどのようになったら自由にお出かけや旅行に行くのか?について聞いたところ、比較的近いお出かけに関しては、6割近いファミリーが「緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが解除されたら」と回答しており、自粛要請がなくなったら、すぐにお出かけしようと考えていることがわかります。

一方、宿泊を伴う旅行や帰省、遠出のお出かけに関しては、緊急事態宣言が解除されたらすぐに、という感じではなく、「ステージ1になったら」、「集団免疫を獲得したら」など、全体的に新型コロナ感染状況が落ち着いたら、という回答が多く見られました。気兼ねなく自由に旅行等に行くようになるのはもう少し先のようです。

どのような状況になったら自由におでかけするかのグラフ

出典:いこーよお出かけに関する6月のアンケートより

今年度も学校行事の延期や中止は多いが、状況を見極めて判断しようとしている様子が見られる

続いて、今年度の学校行事の延期や中止について聞いたところ、日帰り、宿泊の両方で「中止になった」「延期になった」「行き先が変更になった」等、何かしらの変更があったと答えた回答者が、「変更なく実施予定」と答えた数よりも多く、今年も新型コロナの影響により、多くの学校で行事の計画が変更になっている様子が見受けられます。

ただ、日帰り、宿泊ともに「まだわからない」との回答も多く、学校側も新型コロナ感染状況をギリギリまで見極め、予定通り実施できる方法や時期を模索していると推測されます。

2021年度の学校行事についてのグラフ

出典:いこーよお出かけに関する6月のアンケートより

2021年6月のお出かけ市場レポート総括

6月20日をもって、沖縄県を除く3回目の緊急事態宣言が解除されました。解除される以前からも、ユーザーのお出かけ意欲の回復は見られていましたが、今後夏にかけてさらにお出かけ意欲が高まっていくことが予想されます。ユーザーアンケートの回答等を見ても、県をまたぐような遠出のお出かけや、旅行などに自由に行く雰囲気にはまだなっていませんが、国民のワクチン摂取も日々進んでいく中、徐々に状況も変わっていくと思われます。

学校行事の中止や延期についての質問に対して、「まだわからない」という回答が多いのも、刻々と変わる状況をぎりぎりまで見極め、なるべく変更等しないで対処していきたいという学校側の意向が表れているのではないかと思います。

昨年から続くコロナ禍も、いよいよ出口が見えかけてきているという状況になってきました。ここから状況が悪化することなく、夏を乗り越えていけることを願っています。