目次
▶4月の前半までユーザーのお出かけ意欲は回復傾向だったが後半失速
▶コロナ感染への恐怖意識はそれほど強くはなっていないが、やはり大阪では「怖い」率が高め
▶ゴールデンウィークのお出かけは自宅内と近隣、そして未定が多数
4月25日から東京、大阪、兵庫、京都の4都府県でスタートした3回目の緊急事態宣言により、今年のゴールデンウィークのお出かけ状況が大きく変化しました。今月は、そんなお出かけ市場の3~4月時点のおでかけ市場の状況と今年のゴールデンウィークのお出かけ意向について調査・分析をおこないました。
▶4月の前半までユーザーのお出かけ意欲は回復傾向だったが後半失速
▶コロナ感染への恐怖意識はそれほど強くはなっていないが、やはり大阪では「怖い」率が高め
▶ゴールデンウィークのお出かけは自宅内と近隣、そして未定が多数
以下グラフは、この1年のいこーよサイト(お出かけ施設ページ)の閲覧数が、コロナ前(2019年)と比べどのくらい変化したのか?を表したものです。2月28日に首都圏以外、3月21日に首都圏の緊急事態宣言が解除された後、4月に入ってから回復傾向が見られたのですが、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に再度緊急事態宣言が発令され、現在では再びお出かけ意欲が低迷するという状況になっています。
※直近4月のデータは、分析時点の4月中旬までのデータと同時期の2019年データと比較。
※2021年3月以降は、昨対比ではなく、新型コロナの影響を受けていない2019年3月~2020年2月のデータをベンチマークとして比較。
出典:Google Analyticsより
以下グラフは、この1年のいこーよサイト内の回遊率(サイト内の複数のページを巡って閲覧する率)がコロナ前(2019年)と比べてどのくらいだったのかを表したものです。回遊率が高いほどユーザーのお出かけ意欲が高く、複数の施設からお出かけ先を積極的に検討していることを表します。この回遊率においても、4月の途中まではお出かけ意欲の回復が見られたのですが、この後の緊急事態宣言発令とともに回遊率も伸び悩みました。ただし、先ほどの閲覧数データと比べ回遊率の落ち込みは低く、この状況下でお出かけしようといこーよサイトを訪問したユーザーは、複数の行先を比較しながらお出かけ先を検討している様子が伺えます。
※直近4月のデータは、分析時点の4月中旬までのデータと同時期の2019年データと比較。
※2021年3月以降は、昨対比ではなく、新型コロナの影響を受けていない2019年3月~2020年2月のデータをベンチマークとして比較。
出典:Google Analyticsより
Google Trends(ある単語がどのくらいGoogleで検索されたのかの推移データ)で、「コロナ」の検索数の推移を見たのがこのグラフです。第3波後にコロナに対する意識はかなり低下しましたが、やはり緊急事態宣言発令の話題が浮上し始めた3月末頃から再び上昇しています。
出典:Google Trendsより
同じく「自粛」の検索数推移をみると、第3波後に低下していた自粛意向が4月に入り少し上昇しており、ユーザーの意識も自粛方向にシフトしてきているのがわかります。
出典:Google Trendsより
続いては「旅行」についてのグラフです。ゴールデンウィークを前に「旅行」を検索する人が増加していたにも関わらず、4月中旬に入り急に低下。ここにもユーザー意識の自粛モードへのシフトが表れています。
出典:Google Trendsより
そんな中、「ワクチン」の検索数が大きく増加しています。ワクチンへの期待と接種の進捗状況に対する関心が非常に高まっているためと思われます。
出典:Google Trendsより
いこーよユーザーに時系列で聞いている「新型コロナウィルスへの感染リスク」に対する考えの推移を表したのが以下のグラフ。コロナを「とても怖い」と思う人の割合こそ減ってきていますが、「とても怖い」「少し怖い」を合わせた「怖い」と思う割合は75%程度と非常に高いままです。感染収束の目処が立つまで、しばらくこの状況は続いていくと思われます。
出典:いこーよお出かけに関する4月のアンケートより
「新型コロナウィルスへの感染リスク」への考えを大阪と東京とで比較したところ、大阪在住の方が「怖い」と思う割合が8割を超えるなど高く、感染拡大に対する恐れが強いことがわかります。このデータは4月時点のデータのため、今後の東京の状況によっては大阪と同じように「怖い」と思う割合が高くなっていくことが考えられます。
出典:いこーよお出かけに関する4月のアンケートより
4月前半の時期に、今年のゴールデンウィークのお出かけ予定を聞いたのが以下のグラフ。前半時点では宿泊を伴うお出かけに行くという人が14%おり、日帰りのお出かけ意向の人も加えると35%程度の人が積極的に出かける意向を示していました。ただし、この時点でも「まだ決めていない」という人が4割を超えるなど、感染拡大の状況や政府からの自粛要請の動向を見ている人が非常に多くなっています。
出典:いこーよお出かけに関する4月のアンケートより
以下、今年のゴールデンウィークのお出かけで注意したいと思うこと(自由回答から抜粋):
出典:いこーよお出かけに関するアンケートより
いこーよに掲載されている「イベント」に関するページへのアクセス数の推移を一か月単位で見たのが以下のグラフです。新型コロナウイルス感染拡大後、イベントページへのアクセス数が減少。昨年の中では感染状況が比較的収まっていた10月ごろがイベントへの参加意欲や関心がもっとも高い状況でした。
一方、オンラインイベントは、イベント全体に占める割合こそ小さいものの、昨年の9月くらいから閲覧者が増え始め、今年の1月以降にさらに大きく閲覧者数が伸びているのがわかります。主催者もユーザーもオンラインでのイベント開催や参加に慣れてきており、オンラインイベント自体が身近で日常的なものになり始めていること、さらに1月以降に再び感染が拡大し、オンラインイベントへの参加意欲が高まっていることなどが理由と思われます。
3月に2回目の緊急事態宣言が解除され、少しずつお出かけ需要が高まりつつあった中、ゴールデンウィーク直前に3回目の緊急事態宣言が発令される状況となりました。4月前半までは順調にお出かけ意向、旅行意向などが回復していましたが、4月後半から急激に失速。ゴールデンウィークは自宅で過ごすか近隣へのお出かけ、もしくは未定という人が非常に多くなっています。
緊急事態宣言の地域ではイベントの延期や中止などが相次いでいますが、そんな中、ユーザーのオンラインイベントへの関心・参加意欲は高まっています。このような状況下でもユーザーと接点を持ちたいという主催者側の意欲や、イベントや出かける楽しみを諦めたくないというユーザーの意向が強まっていることに加え、主催者側もユーザー側もオンラインイベントの開催や参加に慣れてきたということが、オンラインイベントページの閲覧者数が増加してきている背景なのではないかと推測されます。