2021年2月公開(1・2月分データ) 「お出かけ意欲の回復状況及び春休みのお出かけ意向について」

緊急事態宣言も延長され、お出かけ市場においては厳しい状況が続いている一方、感染者の減少やワクチン承認など明るいニュースも少しずつ増えてきています。今月は、そんなお出かけ市場における2月時点の状況および、今年の春休みのお出かけ動向について調査・分析してみました。

目次

2回目の緊急事態宣言でお出かけ意欲再低下も2月に少し回復

春休みのお出かけ意欲が非常に高まっている

コロナに対する恐怖意識低下。ワクチン摂取による効果期待へ

コロナ禍に堅調だった屋外施設も季節要因と緊急事態宣言発令で低下

2021年2月のお出かけ市場レポート総括

2回目の緊急事態宣言でお出かけ意欲再低下も2月に少し回復

この1年のいこーよサイトの閲覧数が昨年と比べてどのくらいだったかを表したグラフが以下です。1回目の緊急事態宣言が発令された4月に昨対比27%とかなり低下していましたが、その後順調に上昇し、9月に62%まで回復しました。しかし、徐々に感染者が増加したことも影響し昨対比が少しずつ下降、更に1月に発令された2回目の緊急事態宣言の影響で昨対比33%と昨年5月くらいのレベルにまで落ち込みました。

しかし、感染者の増加が抑えられてきたことを受けて、2月に入りまたお出かけ意欲の回復が見られてきています。(※2月のデータは、分析時点の2月中旬までのデータを同期間昨年データと比較)

いこーよのサイト閲覧数の推移グラフ

出典:Google Analyticsより

ユーザーのお出かけ意欲の一つの指標であるいこーよサイトの回遊率のデータでも、2月に入ってお出かけ意欲の回復が見られます(※回遊率とは、いこーよサイト内の複数のページを閲覧した割合。ユーザーは、お出かけ意欲が高いと複数のお出かけスポット情報見る傾向があることから、お出かけ意欲指標として参照)。昨対比のデータをみるとセッション数と同じく、4月に落ち込んだ回遊率が9月に最も回復し、そこから1月にかけて下降しています。その後2月に再度回復しており、お出かけ意欲の回復が進んできていることがわかります。(※2月のデータは、分析時点の2月中旬までのデータを同期間昨年データと比較)

いこーよのサイト回遊率昨対比のグラフ

出典:Google Analyticsより

ユーザーアンケートで聞いている、新型コロナウィルスへの感染リスクに対する考えの推移を表したグラフが以下です。

4月時点では、新型コロナウィルスを「とても怖い」と思う率が最も高く7割を占めていますが、その後その割合が減少し、8月では3割程度まで減少しました。感染者数が再度増加していた12月には「とても怖い」の割合が再び増加しましたが、1月には再び減少しています。第3波の新規感染者増加数がピークアウトし、安心感が広まってきていることなどが影響していると思われます。

新型コロナウイルス感染リスクに関するグラフ

出典:いこーよお出かけに関するアンケートより

春休みのお出かけ意欲が非常に高まっている

2月のユーザーアンケート(速報値)で3~4月の春休みのお出かけ意欲を聞いた質問では、「すでに予定している」が5%、「予定は決めてないが出かけると思う」が59%と非常に多く、「出かける予定はない」の36%を大きく上回りました。緊急事態宣言が春休み前には解除されることを期待しての回答だと思われます。

今年の春休みのおでかけ予定に関するグラフ

出典:いこーよお出かけに関するアンケートより

比較的お出かけに慎重な意見が多い屋内施設への3~4月でのお出かけ意向を聞いた質問でも、「遊びに行きたい」が57%、「積極的に遊びに行きたい」が10%と、合計70%近くの人がお出かけの意欲を示しています。

屋内施設へのおでかけ意向に関するグラフ

出典:いこーよお出かけに関するアンケートより

屋外施設について同じ内容を聞いた質問では、屋内施設よりさらにお出かけ意向が高く、「遊びに行きたい」「積極的に遊びに行きたい」の合計が94%となっています。第三波の収束を願い、春休みにはお出かけしたいという意欲が表れていると思われます。

屋外施設へのおでかけ意向に関するグラフ

出典:いこーよお出かけに関するアンケートより

コロナに対する恐怖意識はやや低下、気持ちはワクチン摂取スタートによる効果期待へ

Google Trends(ある単語がどのくらいGoogleで検索されたのかの推移データ)で、「コロナ」の検索数の推移を見たのがこのグラフです。一回目の緊急事態宣言時に大きな検索実施の山があり、7~8月の第2波、11月からの第3波でもいくつか山がありますが、2月にかけて大きく検索数が少なくなっています。コロナに対する新たな関心が少しずつ減ってきていることを表していると思われます。

「コロナ」の検索数の推移グラフ

出典:Google Trendsより

同じく「自粛」を検索している推移を見たところ、3~4月の第1波、7~8月の第2波、11月以降の第3波とそれぞれ「自粛」という単語が多く検索されていますが、1月の2回目の緊急事態宣言の発令をピークに2月以降減っています。自粛の情報を検索する意識もやや収まってきていることがわかります。

「自粛」の検索数の推移グラフ

出典:Google Trendsより

反対に検索数が上がってきているのが「ワクチン」で、1月末から急激に上昇しています。第3波の感染拡大がピークアウトし、日本でもワクチン摂取がスタートしたことによる安心感が、前述した3月以降のお出かけ意欲の上昇に大きく影響していると推測されます。

「ワクチン」の検索数の推移グラフ

出典:Google Trendsより

新型コロナで公園やアスレチックなど屋外施設が堅調だったが、季節要因と緊急事態宣言発令で低下

お出かけ施設のジャンル別に、セッション(ページ訪問数)数を昨年と比べたのが以下のグラフです。まず、公園やアスレチックなどの屋外施設は、昨年比のセッション数が70~80%で推移しており、比較的新型コロナの影響を受けにくかったことがわかります。それでも、1月以降は冬という季節性と緊急事態宣言発令の影響もあり、セッション数が減少しました。

公園・アスレチック等のセッション数の推移グラフ

出典:Google Analyticsより

一方、季節性要因やGoToの影響を大きく受けたのが、テーマパークや温泉、体験施設などです。これらの施設は、セッション数が昨年比で40~80%程度(月によっては100%超)となっており、新型コロナウィルスの影響を大きく受けたものの、6月頃と10月頃に一時期回復しているのがわかります。それでも、1月にはGoToの停止や緊急事態宣言発令の影響を受けて昨年比20%ほどに落ち込んでいます。

テーマパーク・温泉等のセッション数昨対比の推移グラフ

出典:Google Analyticsより

年間を通じて大きくマイナスの影響を受けているのが工場見学や博物館、カフェ・レストラン、室内遊び場などです。昨年比5~30%程度で推移しており、回復した時期がほぼない状況となっています。1月でもそのまま、20%程度の非常に低い状況のままとなっています。(※室内遊び場は11月以降に定義変更をしたため、11月以降のデータはグラフには非掲載)

工場見学・博物館等のセッション数昨対比の推移グラフ

出典:Google Analyticsより

2021年2月のお出かけ市場レポート総括

この1年、新型コロナ感染拡大防止のためにお出かけが控えられる中、換気やソーシャルディスタンスが比較的取りやすいという観点から、屋外施設はお出かけ控えの影響を比較的受けにくかった傾向がありました。しかし、12月以降、季節要因や1月の緊急事態宣言発令により、屋外施設であってもお出かけする人の減少が見られます。

その後ワクチン接種開始や、第3波のピークアウトのニュースなど明るい話題に後押しされ、12~1月に低下していたお出かけ意欲も現在回復傾向にあります。「春休みにはそろそろお出かけしてもいいのでは?」と思う人も多く、3~4月のお出かけ意向も、非常に高くなっています。これから季節は春を迎えますが、今年の春休みは、感染防止の対策を講じながらお出かけできるような状況になっていることを、多くの人が期待しています。