2022年9月公開分(8・9月分データ)「今年の夏休みは予定通りに旅行、帰省した人が多数」
新型コロナ第7波が直撃した今年の夏休み。一方でコロナ禍以降、行動制限を伴わない初めての夏休みでもありました。そこで、第7波の中、家族での旅行や帰省の実施状況やお出かけ意欲の推移等について調査・分析をしてみました。
第7波の影響で夏休みの旅行や帰省を縮小したり、中止した人は少数
まず、夏休みに旅行に行ったかどうかについて聞いてみました。
2020年、2021年では、夏休みに「予定通り旅行した」という人が20%前後しかいなかったのに対し、2022年は45%と大幅に増加しています。その分、2022年は「行き先を変更して旅行をした」、「旅行の予定を中止して自宅で過ごした」など、予定を変更、中止した割合が減っています。
また、2020年、2021年には半数近くいた「旅行の予定を立てずに自宅で過ごした」という人が、2022年では30%程度になり、自粛などを理由に自宅にいたという人が今年は減ったと思われます。

※2021年、2020年の夏休みについては、それぞれ2022年6月、2021年3月の調査時に昨年の夏休みという聞き方で質問しています
※「日数や回数を減らして旅行した」は2021年、2020年分は非計測
出典:いこーよユーザーアンケートより
夏休みに帰省したかどうかについても聞きました。「いつもどおり帰省した」という人は、2020年には12%しかいなく、2021年では25%でしたが、2022年には約3割まで増加、反対に「帰省をあきらめた」という人は2020年には4割もいましたが、2022年は17%に減っています。旅行と同じく帰省に関しても、今年は、通常通りの行動が戻りつつあることがわかります。

出典:いこーよユーザーアンケートより
旅行や帰省の際の交通手段については、「自家用車」がもっとも多い傾向は変わりませんが、「公共交通機関」を利用したという人が2022年から少し増加しています。今までは「感染対策の観点から公共交通機関を使わないで自家用車で移動する」という行動がよく見られましたが、今年の夏では通常時の行動、意識に戻ってきている傾向が見られます。

※「その他」は2021年、2020年分は非計測
出典:いこーよユーザーアンケートより
9月になりお出かけ意欲はコロナ前の水準までほぼ回復
こちらのグラフは、2020年4月からの「いこーよ」サイト閲覧数(お出かけ施設ページのみ)と、2019年(コロナ前)の閲覧数を比較したものです(2019年を100%として比較)。お出かけ意欲の増減をみるひとつの指標として活用しています。
第7波が落ち着いてきた影響で、8月に2019年比83%と落ち込んだお出かけ意欲も、9月にはほぼ100%近くまで回復してきています。あいにくシルバーウィークの3連休は台風や雨となりましたが、天候に恵まれていたらもう少し伸びていたのではないかと推測されます。

※直近の9月のデータは、分析時点の9月中旬までのデータを使用。
※2021年3月以降は、昨対比ではなく、新型コロナの影響を受けていない2019年3月~2020年2月のデータをベンチマークとして比較。
出典:Google Analyticsより
旅行への意欲が非常に高まる
以下は、Google Trends(ある単語がどのくらいGoogleで検索されたのかを表した推移データ)で、「コロナ」の検索数の推移を見たものです。9月でも引き続き検索数は減っており関心が薄くなってはいますが、なかなか検索数がゼロにはならない状況です。

出典:Google Trendsより
「自粛」についても同じく関心が低下していますが、こちらも全く関心がなくなるという状況にはなってはいません。

出典:Google Trendsより
一方、「旅行」への関心が非常に高くなってきており、第7波が落ち着いてきたことと、今秋からスタートする全国旅行支援への期待が反映されていると思われます。

出典:Google Trendsより
「おでかけ」に関しては第7波の時期でも大きな影響がなかったこともあり、旅行と比べるとそれほど大きく関心が高まっているわけではない状況です。

出典:Google Trendsより
お出かけ市場レポート総括
第7波が直撃した今年の夏休みでしたが、一昨年、昨年と比較すると、旅行や帰省の予定を変更、縮小したり、中止したりするのではなく、多くの人が予定通りに旅行、帰省をしていました。コロナ禍も3年目となり、波が来たとしても一律に自粛したりするのではなく、感染対策をしながらも各々の状況や意向に合わせて行動をしていくという方向にシフトしてきている様子が見られます。
9月以降のお出かけ意欲もコロナ前にほぼ戻ってきており、旅行意欲も非常に高まってきています。一昨年、昨年以上に、秋の行楽シーズンの盛り上がりが見られることを期待しています。