2021年7月公開(6・7月分データ) 「夏休みのお出かけ予定について~お出かけ意欲向上が顕著~」

7月になって発令された4回目の緊急事態宣言、少しずつ進むワクチン接種、無観客のオリンピック開催。おでかけや外出に関して、ユーザーも施設側も少なからず混乱をきたす中、はたしてユーザーのお出かけ意欲や予定はどのようになっているのでしょうか。今回は、今年の夏休みのおでかけ、旅行や帰省の予定について、いこーよサイトへのアクセス状況やユーザーアンケート結果を踏まえ、分析してみました。

目次

6月に引き続き、7月もおでかけ意欲が大きく上昇。4回目の東京の緊急事態宣言の影響は小

夏休みに向けて旅行などへの意欲も上昇

昨年とは異なり、今年の夏は日帰りのお出かけや旅行、帰省の予定者が多く、自粛派は少数

2021年7月のお出かけ市場レポート総括

6月に引き続き、7月もおでかけ意欲が大きく上昇。4回目の東京の緊急事態宣言の影響は小

以下グラフは、昨年4月からのいこーよサイト閲覧数(お出かけ施設ページのみ)と、2019年(コロナ前)の閲覧数を比較したもの(2019年を100%として)です。6月に全国10都道府県で出されていた3回目の緊急事態宣言が解除され、いこーよサイトへのアクセスが顕著に伸びました。その後、解除から約3週間経った7月12日に、東京都で4回目の緊急事態宣言が発令となり、お出かけ意欲に影響が出ると思われましたが、アクセスはその後も減速することなく現在も伸びており、お出かけ意欲増の流れは止まっていません。

昨年4月以降のいこーよサイト閲覧数と2019年の比較グラフ

※直近の7月のデータは、分析時点の7月中旬までのデータを使用。
※2021年3月以降は、昨対比ではなく、新型コロナの影響を受けていない2019年3月~2020年2月のデータをベンチマークとして比較。

出典:Google Analyticsより

続いては回遊率データについて。以下グラフは、2020年4月からのいこーよサイト内の回遊率(サイト内の複数のページを巡って閲覧する率)を、コロナ前の2019年と比較したもの(2019年を100%として)です。回遊率が高いほどユーザーのお出かけ意欲が高く、複数の施設からお出かけ先を積極的に検討していることを表します。この回遊率のデータからも、4回目の緊急事態宣言が発令された後もユーザーのお出かけ意欲が減退していないことがわかります。

2020年4月以降のいこーよサイト内回遊率と2019年の比較グラフ

※直近の7月のデータは、分析時点の7月中旬までのデータを使用。
※2021年3月以降は、昨対比ではなく、新型コロナの影響を受けていない2019年3月~2020年2月のデータをベンチマークとして比較。

出典:Google Analyticsより

夏休みに向けて旅行などの意欲も上昇

Google Trends(ある単語がどのくらいGoogleで検索されたのかを表した推移データ)で、「緊急事態宣言」の検索数の推移を表したのがこのグラフです。4回目の緊急事態宣言が発令されても、「緊急事態宣言」という言葉自体がもう注目を集めておらず、大きなトレンドにはなっていません。

「緊急事態宣言」のGoogleでの検索数

出典:Google Trendsより

また、6月の3回目の緊急事態宣言解除後に低下しているコロナに対する意識は、4回目の緊急事態宣言後も低いままとなっています。

「コロナ」のGoogleでの検索数

出典:Google Trendsより

同じく、「自粛」の検索数も4回目の緊急事態宣言後、低下しています。

「自粛」のGoogleでの検索数

出典:Google Trendsより

その背景の一つとして、ワクチンに対する期待感があると思われます。以下のグラフで見られるように、ワクチンへの関心は非常に高まっており、医療従事者や高齢者だけでなく、少しずつ現役世代へと順番が回ってきている状況や、ワクチン効果で高齢者の死者や重傷者等が減少してきていることなどから、明るい兆しへの期待感が出てきていると推測されます。

「ワクチン」のGoogleでの検索数

出典:Google Trendsより

そのようなワクチン期待による後押しか、「夏休み」のワードが非常に多く検索されており、今後さらに伸びていくことが予測されます。

「夏休み」のGoogleでの検索数

出典:Google Trendsより

また、6月に続き、「お出かけ」の検索もなだらかに伸びてきており、今後夏休みに向かってさらに伸びていくことと思われます。

「お出かけ」のGoogleでの検索数

出典:Google Trendsより

さらに、「お出かけ」に比べて立ち上がりが遅く、6月時点ではそれほど多くなかった「旅行」が、7月になってから大きく伸びてきています。夏休みに向かって旅行の計画を立てている人が急激に増えてきていることが推測されます。

「旅行」のGoogleでの検索数

出典:Google Trendsより

昨年とは異なり、今年の夏は日帰りのお出かけや旅行、帰省の予定者が多く、自粛派は少数

いこーよユーザーに、今年の夏休みの予定についてアンケートをおこなったところ、日帰りのお出かけをすると回答したユーザーは6割、宿泊を伴うお出かけをする予定という人も45%程度という結果になりました。一方で、お出かけを自粛すると回答した人は16%とそれほど多くなく、アンケートの結果からもお出かけ意向がかなり上昇してきていることがわかります。

4回目の緊急事態宣言が発令される前と後で、ユーザーのおでかけに関する意識・予定に変化があったかどうか、回答を分けて見てみたところ、ユーザーに意識の変化はほぼなく、宣言が出ていてもお出かけ意向が低下するという状況にはなっていません。

今年の夏休みのお出かけ予定に関するグラフ

出典:いこーよ7月お出かけアンケートより

この夏に、日帰り、宿泊を含めてお出かけをすると回答した人に、どのような場所に行きたい(行く予定)かを聞いたところ、「プール・温浴施設」がもっとも多く、「水族館」、「動物園」などが続いています。「屋内キッズパーク」も4位となっており、屋外だけでなく屋内の施設に対するお出かけ意欲も回復してきている様子が見られます。

今年の夏に行きたいおでかけ先のグラフ

出典:いこーよ7月お出かけアンケートより

夏休みに宿泊(旅行)や帰省をすると回答した人に、行った先でどのように過ごしたいと思っているかを聞いたところ、宿泊(旅行)先では、ホテルなどの館内で過ごすことに加え、「近隣のレジャー施設も楽しむ」と回答した人が6割います。

帰省先では「帰省先の家でゆっくり過ごす」という人が若干多いものの、それでも「帰省先の近隣のレジャー施設を楽しむ」という人も約3割おり、自粛が主流だった昨年夏の状況とはだいぶ違ってきています。

夏休みの宿泊・帰省先での過ごし方についてのグラフ

出典:いこーよ7月お出かけアンケートより

2021年7月のお出かけ市場レポート総括

7月になり、東京に4回目の緊急事態宣言が発令されましたが、今回の調査では、緊急事態宣言によるお出かけ意欲への影響は極めて少なく、これから夏休みに向けてお出かけや旅行、帰省を予定している家族が多く見られます。また、旅行先や帰省先でも、その近隣のレジャー施設を訪れたいと回答しているユーザーも多く、昨年の夏休みの状況とは大きく変わってきているようです。

ワクチン接種の効果が出始め、全国的に新型コロナ重症者数や死亡者数が減少してきています。専門家から、コロナ対策について「人々の行動制限だけに頼るという時代はもう終わりつつある」という意見が出されたり、秋にかけて多くの現役世代へのワクチン接種が進んでいくことが予定されている状況の中、お出かけ市場は今後さらに回復していくことが予想されます。制限なく行動、生活する状況になるのはもう少し先かもしれませんが、少しずつ家族や子どもたちがお出かけして楽しい時間を過ごせる状況になってきていることに明るい希望を感じます。