桜シーズンの訪日客は史上初の300万人越え、台湾や東アジア、米国からの訪日客が後押しに

春休みは桜シーズンということもあり、観光地や街中で賑わう訪日客の姿が多く見られました。現在の訪日客の状況や、日本からの出国者の状況はどう変化しているかをまとめました。
(前回のインバウンドについてのレポート記事はこちら

ポイント

訪日客数が史上初の300万人超え、2019年比の約120%に

米国の訪日客が増加の後押しに

出国日本人数は低迷が続く

まとめ

訪日客数が史上初の300万人超え、2019年比の約120%に

まずは訪日外客数の推移を見てみましょう。(訪日外客数とは、日本を訪れた外国人旅行者数のことで、法務省集計による出入国管理統計に基づき日本政府観光局が独自に算出しています。詳しくは日本政府観光局のサイトを参照ください)

以下は、2019年1月から2024年3月までの訪日外客数をいこーよ総研がグラフにしたものです。

2023年の1年間で増加していた訪日外客ですが、2024年2月から3月にかけてその推移はさらに勢いを増し、推計値で史上初めて300万人を超えました。この数値は、日本政府観光局が統計を取り始めて以降、単月として過去最高となっています。

出典:日本政府観光局(JNTO)発表のデータをもとにいこーよ総研でグラフ作成
注:2024年1月以前の数値は訪日外客数のうち観光客数で作成
2024年2月以降は訪日外客数総数の推計値で作成

つぎのグラフは、2023年~2024年の訪日外客数を2019年の同月と比べた割合をグラフにしたものです。

昨年の秋の行楽シーズン以降、訪日客はコロナ前の2019年比を上回っており、この3月には120%を超えました。止まらない円安の影響に加え、春は桜シーズンで訪日需要が高まったことも背景にあると思われます。

出典:日本政府観光局(JNTO)発表のデータをもとにいこーよ総研でグラフ作成
注:2024年1月以前の数値は訪日外客数のうち観光客数で作成
2024年2月以降は訪日外客数総数の推計値で作成
2019年の同月と比較

米国の訪日客が増加の後押しに

次に、国別の訪日外客数の推移を見てみましょう。

2023年1月から、月ごとにどの程度、訪日外客数が変化しているかを見ていきます。

コロナ禍が終わる頃から訪日客を大きく牽引してきた韓国。この春も約66万人が日本を訪れ他の国を抑え最多となりましたが、昨年に比べその伸び率は鈍化し、2024年春は減少に転じています。

反対に、東アジアでは台湾、東南アジアではタイ、ベトナムなどからの訪日客が増加しています。また、米国からの訪日客は2月~3月にかけて急増し、訪日客増加を押し上げた大きな要因となっています。

では、中国はどうでしょうか。春節を迎えたこともあり、1月~2月にかけて増加しているものの、まだコロナ前2019年比の6割ほどに留まっています。個人旅行は増えている様子が見られますが、団体旅行が元のようには戻っていないことも回復しきれていない要因の一つだと思われます。

出典:日本政府観光局(JNTO)発表のデータをもとにいこーよ総研でグラフ作成
注:2024年3月は出国日本人数の推計値で作成

出国日本人数は低迷が続く

続いて、出国日本人数を見ていきます。(出国日本人数とは、海外に渡航した日本人の数です。 当該月の翌月に、法務省の出入国管理統計からJNTOが独自に算出し、訪日外客数と併せて発表しています。詳しくは日本政府観光局のサイトを参照ください)

以下は、2019年1月から2023年12月までの出国日本人数をいこーよ総研がグラフにしたものです。

昨年夏にかけて増加したものの、それ以降は低迷。しかしながら、今年に入ると再び増加に転じ、3月には昨年8月以来となる120万人を超えました。

出典:日本政府観光局(JNTO)発表のデータをもとにいこーよ総研でグラフ作成
注:2024年3月は出国日本人数の推計値で作成

以下は、2019年の同月と比較した割合のグラフです。

徐々に回復はしているものの、未だ2019年比の6割弱にとどまっています。一時は落ち着くかと思われた円安市場も、加速が進む一方。このまま円安の状況が続けば、出国数の回復はまだ時間がかかると推測されます。

出典:日本政府観光局(JNTO)発表のデータをもとにいこーよ総研でグラフ作成
注:2023年1月以降は2019年の同月と比較
2024年3月は出国日本人数の推計値で作成

まとめ

訪日外客は2024年3月に史上初の300万人を超え、日本政府観光局が統計を取り始めて以降、単月としては過去最高、2019年比の約120%となりました。円安に加え、桜シーズンでの訪日需要の高まりが増加の後押しとなったと考えられます。

国別で見ると、各国の中で韓国が最多であるのは変わらないものの、訪日数自体は減少しています。アジアの中では台湾やタイ、ベトナムなどが増加しています。一方、中国は増加しつつあるものの、団体客の訪日が戻っていないこともあってか、コロナ前の6割にとどまっている状況です。米国からの訪日客は3月にかけて急増しています。

出国人数に関しては、昨年夏以来となる120万人超えとなったものの、いまだ回復しているとは言えません。このまま円安が進む状況が続けば、出国者数の回復にはまだ時間がかかると考えられます。

いこーよ総研では今後もインバウンドなどの状況を含め、お出かけ市場の動向を注視していきたいと思います。