先行き不透明な経済状況、急速に進むキャッシュレス化などで、「子どもにお金の価値や使い方を教えるのはいつから?」と疑問を持つ保護者は多いのではないでしょうか。今回は、子どものマネー教育の必要性や取り組みなどについて、ユーザーアンケートをもとに調査・分析しました。
ポイント
▶マネー教育は「小学校低学年までには」と考える保護者が7割近く
▶マネー教育は3歳くらいからスタート、小学生以上で半数以上の家庭で実施
▶マネー教育の第一歩は「買い物の仕方」や「働くこと」など生活に身近なことから
▶まとめ
98%の保護者がマネー教育の必要性を感じている
まず、子どもにマネー教育は必要だと思うかを尋ねました。
「とても必要だと思う」が圧倒的多数で77%。「少しは必要」という回答も21%となり、合わせると保護者の98%が、子どものマネー教育の必要性を感じているという結果でした。
出典:いこーよ2024年12月ユーザーアンケートより
マネー教育は「小学校低学年までには」と考える保護者が7割近く
では、子どもがどのくらいの年齢になったら必要だと感じているのでしょうか。
最も多かったのは、「小学校1~2年になったら」で41%。そして、つぎに多かったのは「未就学児になったら(21%)」で、小学校低学年までには何かしらのマネー教育が必要と考えている人が、約68%に及びました。
出典:いこーよ2024年12月ユーザーアンケートより
マネー教育は3歳くらいからスタート、小学生以上で半数以上の家庭で実施
では、必要だと答えた保護者は、実際に子どものマネー教育への取り組みを始めているのでしょうか。
様々な年齢の子どもがいる回答者全体では、「始めている」が41%、「まだ始めていない」が54%で、必要性を感じているものの、実際には取り組めていないという家庭が多数という結果でした。
出典:2024年12月いこーよユーザーアンケートより
年齢別で見てみると、0-2歳で始めているという人は8%とごくわずか。しかし、3-5歳になると36%となりました。
そして、6-8歳では53%、9-12歳では58%と、小学生になると「始めている」という人が半数以上に増加しています。
出典:いこーよ2024年12月ユーザーアンケートより
マネー教育の第一歩は「買い物の仕方」や「働くこと」など生活に身近なことから
つぎに、子どもに必要だと思うマネー教育はどんな内容かを聞きました。
最も多かったのは「買い物の仕方」(77%)でした。日常生活に直結し、実践しやすい「買い物」という場面は、子どもがお金の価値を理解するための第一歩といえそうです。
後述する自由回答でも、キャッシュレス化が進む中、買い物をするためにお金が必要という意識が子どもに芽生えにくいという危惧から、意識的に「買い物の仕方」を体験させたいという要望が見られます。
次いで「お金を稼ぐこと、働くことについて」が71%でした。「お金を使う」ことだけでなく、「稼ぐ」「働く」ことの大切さを伝えたいと考える保護者も多く見られます。
さらに、「お金の貯め方(預貯金など)」が50%となりました。貯蓄は将来の生活基盤を支えるもの。貯蓄を通じて計画性や目標設定の重要性を学んでほしいと考える保護者も多いのではないでしょうか。
出典:2024年12月いこーよユーザーアンケートより
保護者は「投資」や「資産運用」についての関心が高い
では、保護者自身はどのようなマネー教育を受けたいと思っているのでしょうか。
「お金の増やし方(投資など)」が54%と、最も多い回答でした。次いで、「具体的な金融商品(NISA、確定拠出型年金など)」について学びたいという声も46%と多数。低金利時代において、資産運用の重要性が増していることが背景にあると考えられます。
そして、「お金の貯め方(預貯金など)」が45%、続いて「お金の使い方」が40%となっています。投資や運用だけでなく、貯蓄や日常的な支出管理に関する知識も重要視されており、基礎的な金銭管理能力を学びたいというニーズが高いことが伺えます。
さらに、「税金」(39%)や「社会保障制度」(38%)が続いています。近年、税金や社会保障制度の見直しや改革が進んでいます。家庭の収入に直接影響する制度について、知識を深めたいと関心を寄せる保護者の様子も多く見られました。
出典:2024年12月いこーよユーザーアンケートより
学校でのマネー教育やキャッシュレス化に対する不安の声も
最後に、マネー教育について思うことを自由回答で聞いた結果を、一部抜粋してご紹介します。
学校でのマネー教育への期待や要望、キャッシュレス化への対応などについて、悩みの声が多く寄せられました。
また、家庭での取り組み、投資や資産運用についての意見も多かったほか、「親の知識不足からの不安」「マネー教育のむずかしさ」という意見も見られました。
【学校でのマネー教育について】
・学校でもしっかり教えてほしい
・学校の授業に導入して欲しい
・学校での授業プログラムへも入れて欲しいです
・学校での教育機会を増やすべき
・お金を使った現場学習の機会を増やしてほしい
・学校でもどんどん株の話をしてほしい
・学校でも税金の仕組みなど教えてほしい
・学校でも投資の基礎を教えてほしい
・現金、投資、節約、消費など幅広い教育を学校で提供してほしい
・中学校、高校でついにマネー教育が導入されてよかったと思います ただ、学校任せにせず、家庭でも折に触れて話をしていきたいです そのためには私も学ばねばと思います
・プロに教えてほしい
【キャッシュレスについて】
・今は多種多様な支払い方法があり、現実に無いお金まで簡単に使える時代 とても難しくなっていると思う
・キャッシュレスが日常だと払った感覚が無いので、使った感覚も感じて欲しいと思っています
・キャッシュレス決済を使うことが多いので、子どもはおままごとで「お金を払っておつりをもらう」というやりとりを正しくできていないと感じている。
・電子マネーでの送金やポイントなど、自分が子どもの頃にはなかったものが今の子どもには当たり前にある分、感覚が親世代と違う所がある
・今後お金は紙幣といった目に見える物から、目に見えないキャッシュレスになるため、マネー教育は必要だと強く感じます
・小さい頃からキャッシュレスで生活していると、買物や乗り物がタダで乗れると思っていると聞きます
・日本は金融リテラシーが低いと言われているので、キャッシュレスの時代でも経済観念をきちんとつけて欲しい
・キャッシュレス決済が日常化している中、お金を軽んじて見やすいのかな?
・キャッシュレスが普及する中、現金の使い方も並行して教えたい
・目に見えないキャッシュレス決済の重要性を理解させたい
・キャッシュレス時代の家計管理について、親がまず学ぶべき
・スマホ決済を含むキャッシュレスの普及に対応する教育が必要
・キャッシュレスと現金の違いを実感させるための方法が欲しい
・子どもがキャッシュレスを利用しながらお金の流れを学べる教材があればいい
【家庭での取り組みについて】
・学校では教えてくれないので、親が教えてあげる必要があると思う
・お金の大切さを伝えるのは大事 少ないお小遣いで必死に考えるのが大事だと思う
・自分で稼いで貯めて買うために、お手伝いでお小遣いを稼ぐようにしたいと考えている
・決められた金額で買い物だったり貯金を学んで欲しい
・おこづかいをいくら渡すか、何に使うか、おこづかいで買うもの、親が買うものの線引きが難しい
・お金を渡したり、実際の支払いを体験させたい
・金銭感覚を養うため、子どもに自分で買い物をさせたい
・品物の価値やネットショッピングやお店との金額の違い
・お金の計算、金額の価値が働いたこともないのでよくわからないと思う。その範囲で教えられることは何かを考えながら伝えている
・子ども向けのお金の絵本があったら知りたいです
【投資や資産運用について】
・投資思考が芽生える環境整備が必要だと強く感じています
・稼ぐだけでなく、増やすということを教えてあげたい
・早いうちから投資で増やすこともだが、借金についても教えるべきだと思う
・投資や経済について学べる環境を増やしたい
・子どもが投資に興味を持つきっかけを提供したい
・投資教育が身近に感じられるイベントが欲しい
・投資の基本を教える方法についての参考資料があれば助かる
・投資の仕組みを簡単に説明できるツールが欲しい
・お金の運用について学べる教育が必要だと感じる
・資産運用の大切さ
・自分自身が投資の知識が不十分なので子どもに教えられないのがもどかしい
・投資の基礎も教えたいが難しいと感じる
【経済について】
・経済の流れを読む力、マスコミの誘導に流され過ぎない力を身に付けて欲しいです
・経済は知っておいたほうがいい
・経済観念を育てる教育環境が必要
・今の日本の制度は知らなければ受けられない補助金制度も多く、早いうちからお金について学んでおくことは非常に大事だと思う
【お金の価値観や金銭感覚】
・金銭感覚を早めに養ったほうがいい
・欲しいものと必要なものを区別する訓練が必要だと感じる
・子どもが支払いを通じて金銭感覚を養えるイベントがあればいい
・本当に必要とする物と欲しい物の価値観を学ばせたい
・何でも買えば良いと思っていることにイライラしてしまう
【労働や働くことへの対価について】
・労働と対価の感覚を伝える方法を模索している
・労働と対価の意味
【マネー教育の難しさや親の知識不足の不安】
・親が社会にまつわることを知らないと、教えることが難しいと感じています
・教えるのは難しい
・親自身がしっかり理解できているか不安な部分がある
・自分自身がわかっていない勉強不足なことがありすぎて、なかなかうまく伝えることができません
・子どもが1人で買い物をしたがらなかったり、しっかり教えることがまだできていなく、とても不安である
・小さいうちからお金についてしっかり学ばせたいなと思っているが、いつから始めるべきなのかなどは考えていかなければいけないと思います
【その他】
・まずは貯める事を伝えていきたい
・お金に困っても、絶対に消費者金融だけは借りるな!って言っています
・無駄銭だけは辞めとけと言っている
まとめ
今回の調査から、子どものマネー教育への関心は非常に高く、必要性を感じているという保護者がほとんどであることが明らかになりました。
保護者の約7割が小学校低学年までにはマネー教育を始めたいと考えているものの、「実際に取り組んでいる」という家庭は約半数にとどまり、教育実践が課題となっています。
子どもへのマネー教育内容としては、日常生活に密着した「買い物の仕方」や「稼ぐこと・働くこと」の学びが重要視されています。また、保護者自身は、投資や資産運用について関心を寄せている人が多数でした。
一方で、保護者自身のマネーリテラシー不足への懸念からプロや学校によるマネー教育実施の要望や、キャッシュレス化への対応の必要性などについての意見も多く見受けられます。今後ますます、家庭と教育現場が協力しながら、子どもたちに適切なマネー教育を提供していくことが重要になってくることでしょう。
■いこーよユーザーアンケート調査概要
調査方法/インターネットアンケート
調査地域/全国
調査対象/いこーよ及びいこーよアプリを利用したユーザー
調査期間/2024年12月2日~2025年1月5日
サンプル数/377サンプル
調査分析/いこーよ総研
